大阪の4つのプロ・オーケストラが中之島に集結
第8回を迎える「4オケの4大シンフォニー2022」
フェスティバルホールで開催!
大阪のクラシック界に初夏を運ぶ「4オケの4大シンフォニー2022」が4月16日(土)、フェスティバルホールで開催される。大阪府下に拠点を置く4つのプロ・オーケストラと指揮者が一堂に会し、それぞれが交響曲を1曲ずつ演奏するという全国にも例のないコンサートだ。2015年以来、8回目を迎える今回は「春は4オケで名曲ざんまい!」をキャッチコピーに、各オーケストラの個性が際立つ名曲プログラムが揃った。
▶2015年「4オケの4大シンフォニー」最初の熱狂はこちら!
2022年、先陣を切って登場するのが首席指揮者、藤岡幸夫率いる関西フィルハーモニー管弦楽団。シューマンの交響曲 第1番『春』を演奏する。1841年、シューマンがピアニストであったクララと苦難を乗り越えて結婚した翌年、まさに彼が人生の春を書き留めたかのような作品だ。トランペットとホルンで歌うファンファーレ風の動機から、すでに聴く者はオーケストラの圧倒的な魅力へと導かれることだろう。続いては名誉指揮者、外山雄三率いる大阪交響楽団が登場。モーツァルトが交響曲史上に不滅の足跡を残した生涯最後の交響曲 第41番『ジュピター』を取り上げる。モーツァルトが好んだド・レ・ファ・ミのいわゆる「ジュピター音型」が冒頭から現れ、第4楽章に至って壮麗なクライマックスを築き上げる様はまさに圧巻。日本のクラシック音楽の演奏史とともに歩んだ外山の指揮のもと、大阪交響楽団の生気に溢れた演奏に期待したい。
ロシア・ロマン派屈指の名曲として知られるチャイコフスキーの交響曲 第5番。この曲を携えて登場するのが音楽監督、尾高忠明率いる大阪フィルハーモニー交響楽団だ。就任から4年、早くも一時代を築きつつある尾高&大フィルの演奏でこの曲が聴けることは贅沢そのもの。荘厳に響く運命の動機が、やがて力強い前進の響きへと生まれ変わる音のドラマを大フィルならではの重厚なサウンドで堪能できるだろう。そしてミュージックアドバイザー、秋山和慶とともに登場するのが日本センチュリー交響楽団。曲はドヴォルザークの交響曲 第9番『新世界より』である。アメリカに過ごすドヴォルザークが祖国ボヘミアへの郷愁を込めて総譜に書き込んだという『From the New World』の標題。その情熱を抱き止めつつ、秋山&センチュリーの練り上げられたコンビネーションは、この名曲の真価に迫る演奏でフェスティバルホールを熱狂に包むに違いない。
日本を代表する4人のマエストロとともに、互いの響きを競い合うオーケストラたち。音楽は磨かれ、それを聴く私たちの時間を豊かなものにする。大阪に4つの優れたオーケストラがあること。その素晴らしさを伝える「4オケの4大シンフォニー2022」に多くの人に足を運んでもらいたい。
(2021年12月18日更新)
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