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気分は古典派!チェロとピアノを迎えて贈る
通崎睦美の「今、甦る!木琴デイズ」
vol.15は「木琴で聴くクラシック」

戦前・戦後を通じてアメリカと日本で活躍した木琴奏者・平岡養一(1907~81)。その足跡をたどりながら、木琴という楽器の可能性を今に甦らせる通崎睦美のコンサートシリーズ「今、甦る!木琴デイズ」が11月23日(火・祝)に行われる。2014年に始まったこのシリーズも回を重ねてvol.15。リピーターも多い人気公演だが、まだ未体験という人にもぜひ、おすすめしたい充実の内容だ。今回のテーマは「木琴で聴くクラシック」。ハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンら古典派の作曲家たちを中心としたプログラムで贈る。
 

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戦後の日本では映画音楽やタンゴ、歌謡曲までもレパートリーに取り込み、木琴演奏の楽しさを届け続けた平岡だが、アメリカにおける最初の評価は純然たるクラシック奏者としてのものであった。通崎睦美はこの間の事情を評伝「木琴デイズ 平岡養一『天衣無縫の音楽人生』」(講談社刊/写真左)の中に描いている。NBCラジオに職を得たとは言え、「リサイタルで成功しなければ一流とは認められない」と聞いた平岡は、渡米から6年後の1936年12月、ニューヨークのタウン・ホールでリサイタルを敢行。ヘンデルやバッハ、ハイドン、ベートーヴェンといったクラシックの作品で固めたプログラムを披露し、耳の肥えた観客や批評家を圧倒するのである。今回のコンサートでは、こうしたエピソードにも触れながら、木琴とチェロ、木琴とピアノ、そして通常のヴァイオリンパートを木琴に置き換えた三重奏ほかで、この楽器の持つ多彩な魅力を伝えていく。
 
「クラシックの曲は敷居が高いと言われがちですが、ヴァイオリンの楽譜をそのまま木琴で弾くだけで、どこか親しみやすく語りかけてくるように思うのは、私だけでしょうか」。通崎睦美はそんな風にも語っている。軽やかさと華やぎに溢れたその音色は聴き慣れたクラシックの響きに少しだけ違った表情を加え、聴く人に新鮮なひとときを届けてくれることだろう。コンサートは昼・夜2公演。軽快なトークをまじえながらの90分だ。会場となる京都文化博物館別館ホール(重要文化財・旧日本銀行京都支店)は多くの演奏家からの評価も高い高純度の響き。そのレトロでクラシックな雰囲気も、併せて楽しみたい。

▼オフィシャルサイト 
通崎好み製作所 | TSUUZAKI GONOMI FACTORY



(2021年10月13日更新)


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▲通崎睦美(写真-Hiromasa Akaishi / 明石 祐昌)。コンサートで使用する木琴(ディーガン・アーティスト・スペシャル・ザイロフォンNo.266)は1935年アメリカ製(1962年改造)で、かつて平岡養一が愛奏していたもの。

今、甦る!木琴デイズvol.15
「木琴で聴くクラシック」

●11月23日(火・祝)
14:00(開場13:30)/18:00(開場17:30)
京都文化博物館 別館ホール
全自由席-3500円 全自由席・学生-1500円 
Pコード 204-749 チケット発売中

【プログラム】

〈ピアノソロ〉
トルコ行進曲:モーツァルト
〈木琴+チェロ〉
トルコ行進曲:ベートーヴェン/野田雅巳編
アリアと変奏(Hob.XVI:15より):伝ハイドン
〈木琴+ピアノ〉
3つのコントルダンス:モーツァルト/野田雅巳編
クラリネット五重奏曲 第2楽章:モーツァルト
ベートーヴェンの主題によるロンディーノ:クライスラー
ガヴォット:ゴセック/エルマン版
精霊の踊り:グルック/平岡養一版
メヌエット:ボッケリーニ
ボッケリーニの様式によるアレグレット:クライスラー
〈木琴+チェロ+ピアノ〉
チャールダーシュ:モンティ
ピアノ三重奏曲第4番 変ロ長調『街の歌』より:ベートーヴェン
ピアノ三重奏曲第27番 ハ長調:ハイドン

【木琴】通崎睦美
【チェロ】佐藤響
【ピアノ】土居知子

【問い合わせ】
オトノワ■075-252-8255