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阪神淡路大震災から25年目の祈り
ジャパン・ヴィルトゥオーゾ・
シンフォニー・オーケストラ第8回兵庫公演

作曲家、三枝成彰プロデュースのもと、日本全国のプロオーケストラからコンサートマスター、首席奏者らを選抜した“名手たちの交響楽団”、ジャパン・ヴィルトゥオーゾ・シンフォニー・オーケストラ。その第8回兵庫公演が2020年1月4日(土)、兵庫県立芸術文化センターで行われる。阪神淡路大震災から25年という節目の年にあたる2020年は、コンサートマスター8名、首席奏者39名、副首席、次席を含む84名の編成で、震災の犠牲となった人々を追悼する三枝自身の作品を中心に贈る。

「亡くなった人たちにとって何が一番の供養かというと、私は生きている人が思い出す、思い出してあげるということだと思うんです。『カンタータ〈天涯。〉(自由人の祈り)』は私のそうした気持ちを表しています」公演に先駆けて行われた記者会見の席上、三枝成彰はそのように語った。テキストを作家の島田雅彦が書き下ろし、2000年10月に初演されたこの作品を、今回は兵庫県下の3つアマチュア合唱団で編成されたメモリアル合唱団とともに演奏する。

「“夢の中では会えるよ。夢の中では、死んだ人は生きている人とおんなじだ”という一節があります。とてもいい歌詞だと思います。この箇所では合唱の方たちが泣くんですね。それを見る時には私にも想いが溢れます」と三枝は続ける。ボーイソプラノを想定した独唱には近年、活躍の幅を広げるカウンターテナーの村松稔之を起用、純粋な作品の世界をさらに際立たせる。また1曲目に演奏する『Requiem for Earthquake Disaster~震災のためのレクイエム』は1998年に神戸で行われた1000人のチェロコンサートで初演された『チェロのためのレクイエム』を原曲とするもの。2013年、チェコにおける指揮者の小林研一郎とチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の共演に際しオーケストラ作品に改訂した作品だ。編曲にあたっては「阪神淡路大震災以後に起こった東日本大震災はじめ、世界各国で起こった震災によって失われた命が少しでも慰められればという想いを込めた」という。

チャイコフスキーの『ロココ風の主題による変奏曲』でソリストとして登場するのは、西宮市出身、弱冠15歳のチェリスト北村陽。2017年にはチャイコフスキー国際コンクールのジュニア部門として創設された「若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」で優勝を果すなど、将来を嘱望される逸材だ。これまで多くの若い才能を紹介して来たことについて三枝は、演奏家の一番フレッシュな瞬間を聴いていただきたいと語る。「もちろん、音楽的にはもっともっと深くなっていく演奏家もいます。しかし10代で才能を発揮している人たちには、やはりこの時期にしかない新鮮な輝きがある。それを聴くことは私たちにとって、希望のひとつだと思います」と力を込めた。




(2019年12月 9日更新)


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ジャパン・ヴィルトゥオーゾ・シンフォニー・オーケストラ
〈第8回兵庫公演 名手たちの交響楽団 ニューイヤーコンサート〉

 チェロ:北村陽            カウンターテナー:村松稔之


指揮:大友直人(C)Rowland Kirishima プレトーク:三枝成彰

●2020年1月4日(土)16:30
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
S席-6000円 A席-5000円 B席-4000円 
C席-3000円 D席-1000円 
Pコード 160-112 チケット発売中

【プログラム】
三枝成彰:Requiem for Earthquake Disaster
     ~震災のためのレクイエム
チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲 イ長調 作品33
三枝成彰:カンタータ〈天涯。〉(自由人の祈り)

【指揮】大友直人
【チェロ】北村陽
【カウンターテナー】村松稔之

【合唱指揮】洲脇光一
【合唱】メモリアル合唱団
※16:15より三枝成彰によるプレトークあり。

【問い合わせ】
芸術文化センターチケットオフィス■0798-68-0255