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開幕はマーラーの交響曲第9番。
数々の意欲的な試みとともに始まる
尾高忠明&大阪フィルの2019-20シーズン!

 音楽監督就任より1年。大阪フィルハーモニー交響楽団に新時代を築きつつある尾高忠明が2019-20シーズン開幕となる第527回定期演奏会で、マーラーの交響曲第9番を演奏する。昨年4月の就任披露演奏会ではブルックナーの8番を採り上げ、圧倒的な響きでフェスティバルホールを包んだ尾高=大フィルが、再び挑む大作とあって注目を集めている。

 グスタフ・マーラーの交響曲第9番は演奏時間80分以上に及ぶ作品。1909年、マーラーの生前に完成された最後の交響曲である。それ以前のマーラーの作品からの引用が回顧するように用いられ、第4楽章の最後には作曲者自身の「死に絶えるように」という指示が書き込まれていることから「別れ」や「彼岸への憧れ」などといった言葉で語られることの多い作品だ。尾高忠明は「マーラーの9番というのは、規模においてもまた内容においても破格の交響曲です。僕が初めて指揮をしたのは英国のオーケストラとでしたが、音楽が消え入るように天へ上っていく最後は楽団員もお客さまも呆然として拍手も出ない。そして何秒も経ってから嵐のような拍手がどうっと来るといった衝撃的な体験でした。それ以来、自分の関わっているオーケストラとは必ず演奏している作品です。大フィルとも2年目のこの時期にあの物凄い世界を体験しておきたいと思います」と語っている。

 コンサート前半には現代音楽の旗手として、国際的な評価を収める藤倉大の尾高賞(※)受賞作品『レア・グラヴィティ』(2013)を置く。藤倉が自らの子どもの誕生を契機として書き上げた、羊水の中に浮かぶ生命の胎動を主題とした作品である。人生の始まりと終焉を見据えたかのようなプログラムの妙にも注目だ。

 今シーズン、尾高忠明の定期登場はこの他に2回。R.シュトラウスの死生観への共感を滲ませたかのような第532回、前半に得意のエルガー、チェロ協奏曲を置き、自身のブルックナー演奏史上初となる交響曲第3番『ワーグナー』に挑む第534回と意欲的な内容が目を惹く。また平成30年度大阪文化祭賞を受賞するなど昨年、高い評価を受けたベートーヴェン交響曲連続演奏会に続くものとして、5月からはブラームス交響曲全曲演奏会も行われる。こちらは4曲の交響曲を合唱曲、歌曲などと組み合わせた、これまでにない形の取り組みだ。「シンフォニックなばかりでなく繊細な歌心に溢れたブラームス。お客さまにとってもオーケストラにとっても、きっと新鮮な感動を生むと思います」と尾高忠明は確信を語る。数々の成果を手に2年目の幕を開ける尾高&大フィル。その音楽はすでに鳴り始めている。

尾高賞:尾高忠明の父で日本交響楽団(現NHK交響楽団)の指揮者であった尾高尚忠の業績を記念して設立された音楽賞。
すぐれた邦人作曲家のオーケストラ作品を顕彰する。




大阪フィルハーモニー交響楽団
〈第527回定期演奏会〉
 
●4月12日(金)19:00/13日(土)15:00
フェスティバルホール
A席-6000円 B席-5000円 C席-4000円 
チケット発売中
 Pコード 136-045
 
【プログラム】
藤倉大:レア・グラビティ
マーラー:交響曲第9番 ニ長調

【問い合わせ】
大阪フィル・チケットセンター■06-6656-4890

尾高CD画像.jpg●CD Now on sale

ブルックナー:交響曲第8番〈ハース版〉
尾高忠明〈指揮〉
大阪フィルハーモニー交響楽団
2018年4月7・8日、フェスティバルホール
(ライブ録音。2枚組)
発売元:株式会社フォンテック FOCD9795/6 ¥3500+税
 

(2019年3月29日更新)


Check

尾高忠明&大阪フィルハーモニー交響楽団
主な演奏会

■大阪フィルハーモニー交響楽団(C)飯島隆

《定期演奏会より》

フェスティバルホール
A席-6000円 B席-5000円 C席-4000円


《第532回定期演奏会》
●10月25日(金)19:00/26日(土)15:00
オーボエ:フィリップ・トーンドゥル
ソプラノ:ゲニア・キューマイヤー
【プログラム】
R.シュトラウス:13管楽器のためのセレナード 変ホ長調 作品7
R.シュトラウス:オーボエ協奏曲 ニ長調
R.シュトラウス:交響詩「死と変容」 作品24
R.シュトラウス:四つの最後の歌

《第534回定期演奏会》
●2020年1月16日(木)/17日(金)19:00開演
チェロ:スティーヴン・イッサーリス
【プログラム】
エルガー/チェロ協奏曲 ホ短調 作品85
ブルックナー/交響曲 第3番 ニ短調「ワーグナー」(第3稿)


 《ブラームス・チクルス》

 ザ・シンフォニーホール
A席-6000円 B席-4500円 C席-3000円
合唱:大阪フィルハーモニー合唱団〔合唱指導:福島章恭〕


 《ブラームス・チクルスⅠ》
●5月11日(土)14:00
【プログラム】
ハイドンの主題による変奏曲 作品56a
埋葬の歌 作品13
交響曲 第1番 ハ短調 作品68

 《ブラームス・チクルスⅢ》
●9月4日(水)19:00
【プログラム】
悲劇的序曲 作品81
哀悼の歌 作品82
交響曲 第3番 ヘ長調 作品90

 《ブラームス・チクルスⅡ》
●10月2日(水)19:00
【プログラム】
アルト・ラプソディー 作品53
〔アルト〕清水華澄
運命の歌 作品54
交響曲 第2番 ニ長調 作品73

 《ブラームス・チクルスⅣ》
●2019年11月20日(水)19:00
【プログラム】
大学祝典序曲 作品80
運命の女神の歌 作品89
交響曲 第4番 ホ短調 作品98

※事情により 《ブラームス・チクルスⅡ》
 《ブラームス・チクルスⅢ》の順序を入れ替えた公演となります。