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バッハとそれ以前の音楽を巡る3年間の旅、
いずみホールの新シリーズ、11月2日より開幕。
「古楽最前線!躍動するバロック」

 古楽とは何だろう。まずそんな問いから始めてみたい。ヨハン・セバスチャン・バッハが亡くなったのが1750年。古楽の示すひとつの意味は、そのバッハ以前の音楽ということである。それは中世の音楽であり、ルネサンスの音楽であり、バッハに至るバロック音楽の数々である。だが、ことはそれほど簡単ではない。これらの音楽の実像は、あまりにも長く歴史の彼方に隠れていたからだ。そして演奏と言う点に限っていうならば、人類がそれを本格的に追求するようになったのは20世紀も半ばを過ぎてからのことなのである。その頃ヨーロッパを中心に興った古楽復興のムーヴメントはしかし、瞬く間に世界規模のものとなり、クラシック音楽の最も刺激的なジャンルとして今なお、その領土を拡大しつつある。
 
 古楽とは何だろう。それはどのように奏でられ、どのように歌われ、そしてどのように記録されていたのか。2018年から20年にかけて、いずみホールの3年に渡るシリーズ「古楽最前線―躍動するバロック」は、こうした問いに鮮やかに答えてくれる企画である。と同時に学術と音楽が手を携えて、次々と新しい扉を開く「古楽」の、まさに世界水準の成果を届けてくれる企画でもある。音階は神秘を帯びたいくつもの旋法に分かれ、ビブラートのない透明な歌唱は天上への道を指し示すような美しさに溢れ、やがて五線譜として完成される楽譜は時により、場所により、さまざまに異なる相貌を見せている。そしてそこから生まれる音楽のなんと芳醇な輝きに満ちていることだろう。
 
 もう一度、古楽とは何だろう。2018年、シリーズは「中世・ルネサンスを経ての開花-初期バロックまで」という副題で、11月2日(金)より全5公演、今からおよそ500年前から300年前の作品を取り扱う。Vol.1にはドイツの気鋭の古楽演奏団体、カペラ・デ・ラ・トーレ(写真上)、アメリカのソプラノ、マーガレット・ハンターが登場。自らも古楽器演奏家として演奏活動を行う音楽学者の市川克明のお話をまじえながら、レクチャー&コンサート形式で多彩な古楽の魅力を概観する。コンサートに触れて、その響きに魅了された人の心には、もうひとつの新しい問いが兆すに違いない。これは本当に昔の音楽なのだろうか。たった今、生まれた音楽ではないのだろうかと。



「古楽最前線!―躍動するバロック」
2018 中世・ルネサンスを経ての開花―初期バロックまで


Vol.1 レクチャー&コンサート
《四元素でたどる音楽史~中世からモンテヴェルディまで》


●11月2日(金)19:00
いずみホール 一般-4000円(指定)
Pコード 104-463 チケット発売中

【プログラム】
作曲者不詳:ファンファーレ(16世紀)
ランディーニ:さあ、春が来た

~WATER~「水」の巻
ビクトリア:めでたし、海の星
作曲者不詳/即興:バスダンス《新アリオト》(15世紀)
ギッツォーロ:セイレーンの歌/ネプチューンの応答
アルカデルト:真白で優しい白鳥は
アレグリ:セーヌのニンフたちの第5バッロ

~AIR~「気」の巻
フレスコバルディ:そよ風吹けば
(伝承曲):パッサメッゾ
モンテヴェルディ:いとも優しいナイチンゲールよ
プレトリウス:カナリー
モンテヴェルディ:西風が戻り

~FIRE~「火」の巻
作曲者不詳/カヴァリエーリ:おお、なんと新たな奇蹟よ
作曲者不詳:愛の神よ、与えてください(16世紀)
フォリアーノ:甘い愛の炎
トロンボンチーノ:あくまで従ってまいります
作曲者不詳:戦いの道をたどろうとする者は(17世紀)

~EARTH~「地」の巻
ビクトリア:レクイエム入祭唱
ホルボーン:パヴァーヌ:葬送
      アルマンド:愛の果実
ピッファロ:あなたの神々しい姿を
ランディ:生のパッサカリア~「死なねばならぬ」

【古楽アンサンブル】カペラ・デ・ラ・トーレ
【ソプラノ】マーガレット・ハンター
【お話】市川克明

■古楽最前線!-躍動するバロック 2018-2020

2018:中世・ルネサンスを経ての開花-初期バロックまで
2019:脈打つ人々の心-中後期バロック
2020:降り注ぐ愛-J.S.バッハ


〔企画・監修 礒山 雅/いずみホール音楽ディレクター〕

【問い合わせ】
いずみホールチケットセンター■06-6944-1188

 

(2018年9月12日更新)


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Vol.2 《聖母マリアの夕べの祈り》

RIAS室内合唱団(C)Matthias Heyde

●11月7日(水)19:00 S席-8000円
 Pコード 104-465 チケット発売中

【指揮】ジャスティン・ドイル
【ソプラノ】ドロテー・ミールズ/マーガレット・ハンター
【テノール】トマス・ホッブズ/マシュー・ロング
【合唱】RIAS室内合唱団
【古楽アンサンブル】カペラ・デ・ラ・トーレ
【曲目】モンテヴェルディ:《聖母マリアの夕べの祈り》(字幕付)

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Vol.3 スペイン再発見-Rediscovering Spain-

ファミ・アルカイ(C)Javier Diaz de Luna

●11月11日(日)14:00 一般-5000円(指定)
 Pコード 104-467 チケット発売中

【ヴィオラ・ダ・ガンバ】ファミ・アルカイ
【古楽アンサンブル】アカデミア・デル・ピアチェーレ
【曲目】即興&ファミ・アルカイ:
   「牛を見張れ」によるディファレンシアス
    カベソン:第1旋法によるティエント 他

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Vol.4 バッハとそれ以前の時代-Bach and before-

アンドレアス・シュタイアー(C)Josep Molina

●12月20日(木)19:00 一般-5000円(指定)
 Pコード 104-469 チケット発売中

【チェンバロ】アンドレアス・シュタイアー
【曲目】ジョン・ブル:ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ
    J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻、第2巻より 他

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Vol.5 オペラ《ポッペアの戴冠》

左より 加納悦子、望月哲也、阿部雅子、藤木大地

●2019年1月19日(土)14:00 S席-13000円 
 Pコード 104-471 チケット発売中

【指揮/チェンバロ】渡邊順生 【演出】髙岸未朝
【ネローネ】望月哲也(テノール)
【ポッペア】阿部雅子(ソプラノ)
【オッターヴィア】加納悦子(メゾソプラノ)
【オットーネ】藤木大地(カウンターテナー)
【曲目】モンテヴェルディ:歌劇「ポッペアの戴冠」
 ※原語上演・字幕付。

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