4本のトロンボーンが織り成す限りない世界
世界最強のプレイヤーたちが結集したTBユニット
“スライド・モンスターズ”、豊中に登場!
トロンボーン。管楽器の中で人間の声に最も近い楽器と言われ、音階に捉われずに音色を奏でられることから、教会の聖歌隊の伴奏などに多く用いられて来た楽器である。19世紀にはベートーヴェンによってオーケストラに定席を与えられ、現代ではジャズやポップスをはじめとする多彩なジャンルで活躍する存在。このトロンボーン奏者として、今、世界のトップに立つ4人が集まり、その4本のトロンボーンのアンサンブルを極限まで追求しようというコンサートが、5月8日(火)、豊中市立文化芸術センターで行われる。4人のユニット名はSLIDE MONSTERS
(スライド・モンスターズ)。「BEYOND~Inspired by New York」と題された全国ツアーの一環だ。
「これだけのメンバーが顔を揃えることは奇跡に近い。滅多に同じステージに立てる仲間ではないので、ぜひたくさんの人に聴いていただいてツアーを成功させたい」。そう語るのは、スライド・モンスターズの中心メンバーである中川英二郎。16歳で初のリーダー・アルバムをリリースして以来、日本を代表するトロンボーン奏者として、常に第一線に立ち続けて来た。その中川とニューヨーク・フィルハーモニックで32年に渡って首席を務め、現代トロンボーン界の頂点を極めるジョゼフ・アレッシの出会いがユニット結成の契機だった。中川の構想に応える形でジョゼフ・アレッシが白羽の矢を立てたのがニューヨークのジャズ・シーンで活躍するマーシャル・ギルクス、オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団のバス・トロンボーン奏者ブラント・アテマのふたり。世界最強のトロンボーンユニットはこうして誕生した。
今年1月、4人はニューヨークで1stアルバムのレコーディングを敢行。それは同時に4本のトロンボーンによるレパートリーを練り上げる作業でもあった。収録されたのは現代ジャズを代表する小曽根真やマイク・マイニエリのナンバーからフローリアン・マグナス・メイヤーの現代音楽、そしてメンバーである中川英二郎やマーシャル・ギルクスの作品を経て、20世紀初頭のクロード・ドビュッシーの作品(『水の反映』!)まで、トロンボーンの可能性に挑んだ瑞々しい音楽の数々。今回のステージではその魅力が存分に披露されることだろう。ツアータイトルの「BEYOND~Inspired by New York」は、アルバムに込められた彼らの真摯な情熱とさらに“その先”を目指す意気込みに溢れている。
トロンボーン独特の温かな響き。豊かな倍音を含みつつ、色彩感豊かに調和するハーモニー。「たった4人で演奏しているとはとても思えない響きが聴こえて来る」と中川が語る通り、このメンバーならでは、という奏者たちが巡り会った時の熱い高揚がスライド・モンスターズには溢れている。今回のツアーはそんな彼らのほとばしる熱量を捉えた、最高のドキュメントになるはずだ。
スライド モンスターズ トロンボーンカルテット コンサート
●5月8日(火)19:00 開演 (18:30 開場)
豊中市立文化芸術センター 大ホール
自由席 一般 4,000円
自由席高校生以下 2,000円
チケット発売中 Pコード105-670
【問い合わせ】
三木楽器株式会社
LowBrassCenter:06-6343-1360
(2018年4月27日更新)
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