チャイコフスキー国際ピアノ・コンクールを
騒然とさせた才能、リュカ・ドゥバルグ。
神戸朝日ホールで、ソロ・リサイタル
2015年のチャイコフスキー国際ピアノ・コンクール。2次予選では圧巻のラヴェル、メトネルほかを披露し、審査員を騒然とさせたリュカ・ドゥバルグ。本選では4位に留まったが、モスクワ音楽批評家教会特別賞を全部門の参加者の中でただひとり受賞。現在、世界がその才能に注目する彼がソロとして初の来日を果たし、12月5日(月)、神戸朝日ホールでリサイタルを行う。
1990年に生まれたリュカ・ドゥバルグが、ピアノを始めたのは11歳の時。だが17歳から20歳までは、パリ第7大学で文学を専攻するために中断。その後ようやくピアニストを志し、わずか4年で挑んだチャイコフスキー国際ピアノ・コンクールで先の結果に結びつく。この特異な経歴から「真の天才現る」などと語られ、センセーショナルな話題が先行したドゥバルグだが、すでにヴァレリー・ゲルギエフ、ウラディミール・フェドセーエフといった指揮者が共演者として彼を起用。抜きん出た実力が証明されている。今年6月には名ヴァイオリニスト、ギドン・クレーメルの共演者として来日し、関西では兵庫県立芸術文化センターでクレーメルとともに豊かな音楽を聴かせている。
すでに2枚のCDをソニー・クラシカルからリリース。12月4日(日)には「サントリー1万人の第九」にも出演し、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番から第2楽章、第3楽章を弾く。今後ドゥバルグの名前を聞く機会は、日本においてもさらに増えてゆくだろう。その個性に触れる初めてのリサイタルを聴くことは、音楽ファンにとって大きな楽しみである。
(2016年11月11日更新)
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