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大阪の街とともにあり続けるオーケストラが
記念のステージを言祝ぐラテンと古典。
大阪フィルハーモニー交響楽団 第500回定期演奏会

 大阪フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会が、7月21日(木)、22日(金)に500回を迎える。大阪フィルハーモニー交響楽団は前身であった関西交響楽団を1960年に改組。名称を大阪フィルハーモニー交響楽団に改め、この年、5月14日に毎日ホールで第1回定期演奏会を行う。関西交響楽団以来、彼らは朝比奈隆とともに50年以上に渡って日本の音楽史に足跡を刻み、日本人指揮者と日本のオーケストラによる初のブルックナー交響曲全集や、6度に及ぶベートーヴェン交響曲全集の完成など不滅の成果を残している。朝比奈隆没後の2003年には大植英次(現桂冠指揮者)が音楽監督に就任。そして記念すべき第500回定期演奏会の指揮を執るのは首席指揮者井上道義である。
 
 今回演奏される「ミサ・タンゴ」(1997)は、イタリアで活躍するアルゼンチン出身の作曲家ルイス・バカロフの作品。南米の世俗音楽とヨーロッパの宗教音楽を融合した独唱、合唱、バンドネオン、オーケストラのための大作である。南米のクラーベ、そしてタンゴのリズムが随所に用いられており、アルゼンチン音楽には欠かせないバンドネオンを中心に、宗教音楽とは思えないほどの豊かな歌謡性と高揚感を湛えた響きを作り上げている。ラテン語ではなく、スペイン語で歌われる言葉も、どこか耳になじみ易い。井上道義は’03年以来、折りに触れてこの作品を取り上げているが、バンドネオンに三浦一馬、独唱に現在世界の劇場で活躍するサンドラ・フェランデス、ガスパール・コロンを迎えた今回のステージで、その真価に迫る決定的な演奏が聴けることだろう。
 
 前半に「ミサ・タンゴ」、後半にベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」を置くプログラムは、井上道義によれば「人懐っこく、人生を肯定しようとする人々の街、大阪」に彼が感じる「ラテン」と「大阪の老舗オーケストラとしてのクラシックの王道」が意味する「古典」の組み合わせであるという。大阪の街とともにあり続けるオーケストラ「大フィル」を表現した言葉である。ならば第500回を言祝ぐラテンと古典のプログラムから、マエストロとオーケストラの沸き立つ喜びを汲み取るのは私たち聴衆の番かも知れない。ステージと客席が一体となった、濃密な2夜となることが期待できる。



大阪フィルハーモニー交響楽団
〈第500回定期演奏会〉


●7月21日(木)・22日(金)19:00
フェスティバルホール
A席-6000円 B席-5000円 C席-4000円
チケット発売中 
Pコード 283-235

【プログラム】
バカロフ:ミサ・タンゴ
ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 「英雄」 作品55


【指揮】井上道義
【メゾ・ソプラノ】サンドラ・フェランデス
【バリトン】ガスパール・コロン
【バンドネオン】三浦一馬
【合唱】大阪フィルハーモニー合唱団/合唱指揮・島章恭


【問い合わせ】
大阪フィル・チケットセンター■06-6656-4890

 

(2016年6月22日更新)


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【指揮】井上道義(c)Mieko Urisaka
【メゾ・ソプラノ】サンドラ・フェランデス    【バリトン】ガスパール・コロン
【バンドネオン】三浦一馬 写真提供:ビクターエンタテインメント(株)