多感な思いを秘めてステージに立つ、新しい才能。
山﨑亮汰デビュー・コンサート「ザ・コンチェルト 二台のピアノで聴くラフマニノフの世界」
ザ・シンフォニーホールでのデビューについて、「すごくうれしい!」と表情を輝かせる。山﨑亮汰、福島県出身の17歳。2012年、13歳でアメリカ、ソルトレイクシティで行われたジーナ・バッカウアー国際ピアノコンクールのジュニア部門で日本人初優勝、14年にはピティナ・ピアノコンペティションにおいて最年少タイの特級グランプリを受賞した気鋭のピアニストだ。2016-17シーズンにはモンテカルロ、ジュネーヴの各都市で演奏会が決定している。「技術的な話をするなら、僕はまだまだ。でも今の僕にひとつ武器があるとすれば、僕にしかできない表現、ということになると思います」。屈託のない笑顔の中に10代のひたむきさがのぞく。とは言え、高い技巧と力強い打鍵から立ち表れる透明な響きは、彼がすでに獲得した個性のひとつだ。コンサート前半に置かれたモーツァルトとリストでは、「弾き始める前の空気感から、ふたつの幻想曲のまったく違った表情をお客さまに届けたい」と意気込みを語る。
後半にはラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を弾く。20世紀を代表するピアノ協奏曲の傑作であり、山﨑が今、最も情熱を傾けている作品だという。オーケストラパートを大阪出身のピアニスト、関本昌平が務める2台ピアノでの演奏だ。
「とても濃厚なロマンチシズムを感じさせる曲。だけどそれだけじゃなくて、なぜなのかわからないんですが、今の自分とすごく重なり合う部分があって、僕自身がこの曲に捉えられているというか…。その重なり合う部分を思い切り表現したいと考えているんです」。その多感な思いが全開となるデビュー・コンサート。新しい才能の登場に注目したい。
ザ・コンチェルト 二台のピアノで聴くラフマニノフの世界
●5月18日(水)11:00 ザ・シンフォニーホール
全席指定-2000円
チケット発売中 Pコード285-579
【プログラム】
モーツァルト:幻想曲 ニ短調 KV.397
リスト:ダンテを読んで~ソナタ風幻想曲~
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番
【ピアノ】山﨑亮汰
【ピアノ】関本昌平
【問い合わせ】
全日本ピアノ指導者協会■03-3944-1583
(2016年4月 7日更新)
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