ジャズ、クラシック、ラテン、カンツォーネ、
あらゆるジャンルの歌声を操るエンターテイナー
加藤ヒロユキ。ザ・シンフォニーホールに登場!
関西を拠点にテノール歌手、ジャズシンガー、そしてラジオ・パーソナリティと幅広く活躍する加藤ヒロユキが、10月16日(金)ザ・シンフォニーホールでコンサートを行う。京都生まれ、大阪育ち。京都大学在学中にジャズピアノの弾き語りでデビュー、その後クラシックの声楽を学び、オペラでも活躍するなど異色の経歴を持つエンターテイナーの歌手生活30周年を記念するステージだ。
「本籍ジャズ、現在テノール歌手、最近はそんな風に言わせてもらっています。音楽の原点がフランク・シナトラやナット・キング・コールといったアメリカンポップスにあったので」。加藤ヒロユキはそう言って軽やかに笑う。
「20代の前半にニューヨークへ行きました。ジャズの勉強のつもりだったんですけどね。ある時メトロポリタン歌劇場でルチアーノ・パヴァロッティの出てるプッチーニの『ラ・ボエーム』を聴いたんです。「これや!」と。あのトランペットみたいな輝かしい声。自分も一から声を作っていつかあんな声で歌ってみたいと思って、メトロポリタン歌劇場で教えていた先生のところに通ったんです」
それが、テノール歌手としての第一歩だったと加藤は言う。
歌うばかりでなく、楽曲そのものへの造詣が限りなく深い。音楽のソムリエと呼ばれる所以である。1曲1曲に、しっとりと物語を感じさせる解説を挟みながら歌い上げていく。今回のザ・シンフォニーホールでは、ジャズ、クラシック、映画音楽、カンツォーネ、ラテンなど、あらゆるジャンルの歌唱を網羅する、彼自身の「30年の軌跡」を届けたいという。
「『久しぶりね』という曲があるんです。日本の曲じゃなくて『It's Been A Long Long Time』っていうアメリカの昔のスイング。第2次世界大戦が終わった年に作られた歌なんですね。戦争に行った彼氏の帰りを女の人が待っている。生きてることはわかってる。だから帰ってきたら何て言おうかって思いながら。あれも言いたいこれも話したい、だけど玄関がノックされて顔見たら、もう何も言えない。口をついて出たのはただ一言『久しぶりね』っていう言葉だけ…。実はこの曲を僕は、今から12年前にMBSラジオの「加藤ヒロユキ 音楽のソムリエ」のテーマ曲に使ったんです。番組は11年続きました。その頃のリスナーの方もきっと来てくれると思います。僕からの久しぶりやね、の気持ちも込めて1曲目はこの歌から始めたいと思います」。
(2015年9月24日更新)
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