「食と温泉の国」山形。その魅力を発信する
東北の実力派、山形交響楽団の大阪公演
「さくらんぼコンサート2015」
第4回を迎える山形交響楽団特別演奏会「さくらんぼコンサート2015」が、6月26日(金)、いずみホールで開催される。山形交響楽団は1972年、山形県出身の指揮者、村川千秋を中心に設立された東北地方初のプロオーケストラ。現在は音楽監督に飯森範親を迎え、13回の定期演奏会と10回の特別演奏会を中心に、年間約150回の演奏会を行っている。2008年には日本アカデミー賞受賞映画『おくりびと』に出演。その存在を全国に印象づけた。
「山響は8型の小編成ながら高い実力を持ち、みなさんがこの楽団を山形の文化の柱と捉えている。山形ではタクシーの運転手さんから、商店街のおばちゃんまで、“ああ山響なら子どもの頃聴いたよ”っておっしゃいます。『山響』というのは県民にとって、そういう存在なんです」。そう語るのは山形交響楽団専務理事・事務局長の西濱秀樹氏。2011年まで関西フィルハーモニー管弦楽団の事務局長を務めた楽団経営のベテランだ。だが山響は人口の減少による興行収入の低下など、地方オケならではの課題も抱える。東日本大震災のダメージは今も大きい。それだけに「大阪や東京など都市部との連携は僕らの生命線」と西濱氏は語る。
「さくらんぼコンサート」ではその名の通り、来場者ひとりひとりに果樹王国として名高い東根市産のさくらんぼが配られる。また、抽選で高級種「佐藤錦」のプレゼントも行われる。例年、名産品の販売を行うロビーは、物産展さながらの賑わい(写真左)。今年も山響の存在とともに、山形の魅力をアピールしたいという。演奏されるモーツァルトの第1番と第41番「ジュピター」は、全曲演奏に取り組んだ同楽団(「アマデウスへの旅」2007~15)の成果を織り込んだもの。共演には2002年チャイコフスキー国際コンクール、ピアノ部門1位の上原彩子を迎える。「山形は食と温泉の国。そこで育まれた高い音楽性を、大阪の人も心ゆくまで感じてほしい」と西濱氏。東北の仲間たちから届けられる新鮮な音楽を、今年も味わいたい。
(2015年6月 1日更新)
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