NEWS

ホーム > NEWS > ソワレ・シンフォニーVOL.5 ブザンソンを制した若きマエストロ、 垣内悠希が大阪フィルと挑む『展覧会の絵』

ソワレ・シンフォニーVOL.5
ブザンソンを制した若きマエストロ、
垣内悠希が大阪フィルと挑む『展覧会の絵』

 大阪フィルハーモニー交響楽団は5月22日(金)、ザ・シンフォニーホールで行われるソワレ・シンフォニーVOL.5に、気鋭の指揮者、垣内悠希を迎える。垣内悠希は1978年生まれ。2011年、若手指揮者の登竜門であるブザンソン国際指揮者コンクールに優勝を果たし、世界的な注目を集めた。大阪フィルへは昨年5月、今年2月に続き3回目の登場となる。
 
「ブザンソンで賞をいただいたことで、いろんなオーケストラとの共演の機会を得ることができました。今の僕にはそのひとつひとつが、とてつもなく大きいんです」。垣内悠希はそのように語る。情熱と意欲に溢れる熱い語り口だ。
「指揮者として、常にオーケストラの方たちの目にさらされながら自分が試されていく。そこで前に進もうと思うと、とにかく1回1回に100%以上の自分を出し切らないといけない。もちろん僕ひとりで力が入っちゃってもダメですから、音を出す人たちにどう伝えていくか、どんな風にコミュニケートしていくかという引き出しの多さも問われます。僕は今、それを日々学んでいるところなんです」。
 若い指揮者ならではの率直な表現が印象的だ。父は民族音楽学者、小泉文夫に学んだ音楽研究者。若い頃は指揮者を志していたという。
垣内が幼い頃から家にはフルトヴェングラーをはじめとする巨匠たちのレコードがあった。オーケストラへの憧れは父親譲りだと彼は語る。
 
 今回、大阪フィルと演奏するのは『展覧会の絵』。垣内はこの作品について
「ラヴェルの編曲の工夫が隅々まで活きています。1小節2小節という単位で音色か変化する素晴らしい編曲なんですが、その要素となるものは、もともとのピアノ曲の中にあるのじゃないかなと思っているんです。そもそもムソルグスキーはものすごく自由な発想でこの曲を書いていますから」と語った。では聴きどころもその辺りに?という質問に対して垣内は、『グノーム』冒頭の10小節を何通りか歌い分けた。最初の『プロムナード』から切れ目無くつながる“あの”部分だ。拍節を感じさせる響き、力を込めた重々しい響き、ピアノで弾かれる時の響き。最後にスピーディに駆け抜ける響き。そして「僕はこんな風に、オーケストラでも自由を感じさせる響きを創りたいんです」。そう言って笑った。

DSC_2290260.jpg
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 今回のソワレ・シンフォニーではほぼ同じ世代とも言えるピアニスト、山本貴志(’83年生まれ。2005年、第15回ショパン国際ピアノコンクール入賞)との初共演も注目される。若きマエストロの足跡を刻む、新しい光に照らされた『展覧会の絵』が楽しみだ。
 



(2015年3月24日更新)


Check
【指揮】垣内悠希(c)Jean Philippe Raibaud
【ピアノ】山本貴志(c)Marco Borggreve

大阪フィルハーモニー交響楽団

〈ソワレ・シンフォニー Vol.5〉

●5月22日(金)19:30 ザ・シンフォニーホール
全席指定-3500円 
チケット発売中 Pコード 251-001

【指揮】垣内悠希
【ピアノ】山本貴志

【プログラム】
グリンカ:歌劇『ルスランとリュミドラ』序曲
ショパン:ピアノ協奏曲 第2番 ヘ長調
ムソルグスキー(ラヴェル編曲):組曲「展覧会の絵」

【問い合わせ】
大阪フィル・チケットセンター■06-6656-4890

チケット情報はこちら