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アルベニス、ファリャ、新たな名手を得て
描き出されるスペイン、ピアノ音楽の真髄
ファン・カルロス・ロドリゲス初来日コンサート

 黄金の世紀と呼ばれた15世紀から17世紀にかけて、アラブの影響を色濃く受けた独自の文化を形成したスペイン。クラシック音楽の本場であるドイツ・オーストリアよりも政治的、地理的にフランスに近接していたなどの事情より、この国の作品が同時代の音楽としてクラシックの表舞台に現れるのは19世紀も末頃になってからのことである。独特なカトリックの文化やサルスエラなどの伝統に培われた民族色豊かな音楽は、20世紀の初頭にかけて数々の作曲家を輩出した。
 
 7月3日(木)、大阪のザ・フェニックスホールでは「ファンタスティック・ピアニスト・シリーズ2014〈vol.4〉」と題し、スペイン出身のピアニスト、ファン・カルロス・ロドリゲスのコンサートを行う。取り上げるのはマヌエル・デ・ファリャ、イザーク・アルベニスといった彼の母国を代表する作曲家の作品である。バロックから現代まで幅広いレパートリーを誇り、バッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの全作品をレパートリーに持つというロドリゲスのピアノは、重厚さの中にたっぷりとした倍音を響かせるスケールの大きなもの。力強く、時に叙事詩的な迫力を持つファリャやアルベニスの作品がどのように表現されるか、期待されるところだ。
 
 「スペインのピアニストとして、スペイン音楽には常に深く関わってきました。特にマヌエル・デ・ファリャの作品とは深く接してきました。ファリャが生まれた地カディスに私も生まれ育ったことは、ピアニストとしての在り方に大きく影響していると思います。ファリャのピアノ作品は色彩豊かで鮮やか、高度な技術を駆使していながらも、親しみやすさに満ちています。同時代のラヴェルやドビュッシーにも劣らない質の高い作品です」。ロドリゲスはそのように語り、母国の作品への愛情と自負をうかがわせる。
 
 

指組 Marco_Borggreve_150.jpg

 『アンダルシア幻想曲』の名でも知られるファリャの『ファンタジア・ベテッカ』。そして彼自身、ピアノのレパートリーの中で最も重要なもののひとつ、と位置づけるアルベニスの組曲『イベリア』。いずれも魅惑的な色彩感にあふれた極めつけの作品である。現在、ここ日本において、これらの作品が同じスペインのピアニストによって弾かれることは意外に少ない。今回の「ファンタスティック・ピアニスト・シリーズ2014〈vol.4〉はロドリゲスという新たな名手を得て、その真髄に触れることの出来る稀有な機会とも言えるのである。



(2014年6月26日更新)


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ファン・カルロス・ロドリゲス(C)Marco Borggreve

ファンタスティック・ピアニスト・シリーズ2014〈vol.4〉

●7月3日(木)19:00
あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホール

全席指定・一般-5000円 全席指定・学生-3000円 
Pコード 227-137 チケット発売中

【ピアノ】ファン・カルロス・ロドリゲス

【曲目】
アルベニス:組曲「イベリア」より“マラガ”“エル・アルバイシン”
ファリャ:カンシオン
小人の行列
セレナータ
演奏会用アレグロ
4つのスペイン小品
ドビュッシーの墓碑名のための讃歌
ファンタジア・ベテッカ

【問い合わせ】プロ アルテ ムジケ■03-3943-6677

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