母から娘へ、そして未来へと歌い継いだ20年
佐藤しのぶ「わが母の教え給いし歌2014」
ソプラノの佐藤しのぶがライフワークと語る母の日のコンサート「わが母の教え給いし歌」が5月8日(木)のサンケイホールブリーゼ公演で20周年を迎える。今回のステージは森島英子によるピアノ、NHK交響楽団のメンバー、そして少年少女合唱団を加えた華やかな構成。2部構成でクラシックから『もりのくまさん』『ずいずいずっころばし』などの童謡まで数々の歌曲を歌う。
「私が母親になった時に、母と生命への感謝の思いを伝えたい、と思って始めたコンサートです。それは同時に私自身が母からもらったものを次の世代に伝えてゆくことでもあったように思います。私の子供のころ、母はいつも歌を歌ってくれました。ご飯の仕度の時、お洗濯の時、クリスマス、ひなまつりなど。決して今みたいに豊かとは言えない昭和の時代でしたが、暖かな家庭でした。その暖かな思いをなんとか届けたいと思いながら、20年続けてきたコンサートです。今ではお母さま、娘さん、お孫さんと三世代でみえられるお客さまもいらっしゃって、感謝の気持ちでいっぱいです」。20年の歩みを佐藤はそう振り返る。
今年は市川右近の新演出によるオペラ『夕鶴』により、日本を代表するオペラ歌手としての健在ぶりも鮮やかに示した彼女。8月にはイタリア、トッレ・デル・ラーゴで行われる第60回プッチーニ音楽祭への出演(三枝成彰作曲『Jr.バタフライ』)も控えている。スケジュールは多忙を極めるが「どんなに忙しくても、これからもこのコンサートには必ず帰って来ます。これは私のライフワークですから」と笑顔を見せた。
(2014年4月18日更新)
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