ブルックナー演奏に新風を吹き込んだ
大阪交響楽団と「児玉宏のブルックナー」
9月の定期演奏会は、交響曲 第8番に挑む
9月27日(金)に行われる大阪交響楽団の定期演奏会は、指揮に音楽監督・首席指揮者の児玉宏を迎え「児玉宏のブルックナーVol.9」と題して交響曲 第8番を演奏する。演奏時間80分に及ぶ、ブルックナーを代表する作品である。
「版問題」が取り沙汰されるほどに多くの総譜
が存在するブルックナーの交響曲だが、今回演奏される第8番は「1887年 第1稿(ノーヴァク版)」。最も初期の完成稿を参照しながら現在、演奏頻度が最も少ない版である。これについて児玉宏は「音符が書き下されるのと同時にブルックナーの内面で起る「音楽的発展の軌跡」を、より明確に聴き取ることができるのは、第1稿ではないか」という考えを述べている(『大阪交響楽団HP 第179回定期演奏会 シェフからのメッセージ』)。その理由、および8番の版問題に絡む背景と併せ、ぜひ、ご一読を。
ブルックナーの作品は宇宙や自然のドラマとして語られることが多い。それは巨大な響きとして存在し、そこからは他のロマン派の作曲家たちのように、作曲者自身の内面を汲み取ることは難しいとされて来た。
しかし振り返ってみれば児玉宏と大阪交響楽団は、これまでブルックナーの交響曲を、屹立する巨大な音響体としてではなく、推進力を持った大気の流れのように演奏して来た。重厚さを保ちながら、それは人間の内面の熱度のようなものも表現していたように思える。その姿勢は今回演奏される「1887年 第1稿(ノーヴァク版)」の採用ともおそらく無関係ではないだろう。
2005年、交響曲第3番に始まった、大阪交響楽団と「児玉宏のブルックナー」も9年目に突入。ブルックナー演奏に新風を吹き込んだ独自の響きと充実した成果を残しつつ、いよいよ佳境を迎える。
チケット好評発売中!
大阪交響楽団
〈第179回定期演奏会〉
【児玉宏のブルックナー Vol.9】
●9月27日(金)19:00
ザ・シンフォニーホール
※本公演に休憩はありません
チケット発売中 Pコード 202-036
S席-6000円 A席-5000円 B席-3000円 C席-2000円
【指揮】児玉宏
【プログラム】
ブルックナー:交響曲 第8番 ハ短調 1887年 第1稿(ノーヴァク版)
(2013年9月 6日更新)
Check
←写真左 児玉宏(音楽監督・首席指揮者(C)飯島隆) ↑写真上 大阪交響楽団(C)飯島隆
大阪交響楽団-これからの定期演奏会より-
第180回 定期演奏会
【作曲家の肖像画 Ⅴ“ドビュッシー”】2013年10月18日(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ドビュッシー:ピアノと管弦楽のための幻想曲
ドビュッシー:バレエ音楽「遊戯」
ドビュッシー:交響詩「海」~3つの交響的スケッチ
【指揮】矢崎彦太郎
【ピアノ】児玉麻里
第181回 定期演奏会
【フィンランドの森の妖精たち】2013年11月28日(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
シベリウス:舞踏間奏曲「パンとエコー」
シベリウス:交響曲 第4番 イ短調
シベリウス:交響曲 第7番 ハ長調
シベリウス:交響詩「タピオラ」
【指揮】高関健
第182回 定期演奏会
【捻ったウィーンプログラム】2014年01月24日(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
シェーンベルク:ヴァイオリン協奏曲
スッペ:序曲「ウィーンの朝・昼・晩」
スッペ:喜歌劇「怪盗団」序曲
スッペ:喜歌劇「美しいガラテア」序曲
スッペ:喜歌劇「スペードの女王」序曲
【指揮】下野竜也
【ヴァイオリン】川久保賜紀
第183回 定期演奏会
【マーラーのライヴァル“部下フランツ・シュミット”】2014年02月28日(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
フランツ・シュミット:歌劇「ノートル・ダム」間奏曲
フランツ・シュミット:ベートーヴェンの主題による協奏曲的変奏曲
フランツ・シュミット:交響曲 第3番 イ長調
【指揮】寺岡清高(常任指揮者)
【ピアノ】クリストファー・ヒンターフーバー
第184回 定期演奏会
【 魅力再発見・ピアノ協奏曲③ 】
2014年03月18日(火)19:00 ザ・シンフォニーホール
ヘルマン・ゲッツ:ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調
ブラームス:交響曲 第4番 ホ短調
【指揮】児玉宏(音楽監督・首席指揮者)
【ピアノ】福間洸太朗
これからの定期演奏会に関する…