6年目を迎えた広上/京響の充実
その色彩感に溢れた響きを聴く、大阪特別公演
6年目に突入した常任指揮者・広上淳一とのタッグにより好調の波に乗る京都市交響楽団が、今年も9月21日(土)大阪特別公演を行う。
一昨年、下野竜也を迎えてのマーラーの5番、そして昨年のリムスキー=コルサコフ、交響組曲『シェヘラザード』など、素晴らしい演奏を繰り広げてきた京響だが、今回の大阪公演ではオーケストラの様々な響きを追求したかのような、個性的なプログラムが組まれている。
前半1曲目はデュカスの交響詩『魔法使いの弟子』。ユーモラスな曲想の中に、管弦楽の響きの魔法を存分に堪能できる作品だ。続く『パガニーニの主題による狂詩曲』ではピアノに2005年、第15回ショパン国際コンクール第4位入賞を果たした山本貴志を迎える。主題と24の変奏から成るラフマニノフの作品で、ここでは山本と京響の、火花散るやり取りを楽しむことができる。
後半に登場する『スペイン奇想曲』は、ロシアが誇る管弦楽の大家リムスキー=コルサコフによる、エキゾチックな旋律と輝くような和声に彩られた1曲。華やかな5つの部分が続けて演奏される。そして最後を飾る『ボレロ』はこれもまたオーケストラの魔術師と呼ばれたラヴェルの、まさに魔術的作品。ただひとつのリズムに乗ったハ長調の主題(とその応答)がひたすらクレッシェンドするという展開の中に、万華鏡のような音楽の魅力が秘められている。特に実演における迫力は圧倒的で、ここはぜひホールに足を運びたい。
以上、オーケストラの色彩感に溢れた京響大阪特別公演の4作品。その多彩な響きの中に、広上/京響の現在の充実を聴き取ることができる演奏会だ。
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(2013年8月27日更新)
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