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ホーム > NEWS > コンサートはお客さまと一緒に作り上げるもの。 佐藤しのぶが母の日に贈るコンサート 「わが母の教え給いし歌2013」

コンサートはお客さまと一緒に作り上げるもの。
佐藤しのぶが母の日に贈るコンサート
「わが母の教え給いし歌2013」

 ソプラノの佐藤しのぶが毎年、母の日に因んで行っているコンサート「わが母の教え給いし歌」が、5月8日(水)、サンケイホールブリーゼで開催される。昨年にはCD『日本のうた~震える心』をリリースするなど、日本の唱歌、抒情歌へも積極的な取り組みを見せている佐藤。19回目を迎える今回のコンサートでも、『アヴェ・マリア』や『わが母の教え給いし歌』など、おなじみの作品に加え、『さくらさくら』『朧月夜』など、懐かしい日本の歌が取り上げられている。コンサートに先駆けて来阪した佐藤に聞いた。

■今年のコンサートについてお聞かせいただけますか?

佐藤:はい。今回は私があまり歌ったことのない歌を歌います。『さくらさくら』『ずいずいずっころばし』『朧月夜』『初恋』…どの歌も懐かしい、とても親しみやすい歌ですが、中でも『てぃんさぐぬ花』という沖縄民謡がとても良いんです。「てぃんさぐ」って沖縄の言葉でホウセンカのこと。昔の言葉で歌われているので、沖縄の若い人にも分かる人が少ないそうです。だけどおばあちゃんが子供に歌ってあげるその歌詞が素晴らしいんですね。昔はマニキュアが無かったのでホウセンカの赤い色を爪の先に染めて子供たちが遊んでいたんです。そうやって色を染めるようにお父さんお母さんの言葉を心に留めておきなさいというのが1番の歌詞。そうして2番、3番と続いていくのですけど、その歌詞も素晴らしくて。ぜひ母の日に聴いていただきたい歌なんですね。

■お母さんから子供へ、おばあさんから孫へ。コンサートのテーマにもふさわしい歌ですね。

佐藤:そうなんです。そうした教えは無形のもの。歌もまた無形のものではあるんですけど、私は残していきたいって思っているんですね。戦争の時代があったり、災害に見舞われて大変な時代があったり、その中で人間は、昔の人のいろんな教えや歌を糧に生きてきたわけですから。そういう歴史や文化は伝えていきたいですね。

■この「わが母の教え給いし歌」は佐藤さんご自身が母親となったのを契機に始められたコンサートだとうかがっています。そのあたりについて詳しくうかがえますか?

佐藤:娘を産んだ日に、一晩眠らずに考えたんです。人間ってこうやってお母さんの痛みを超えて命って授かるのかって。頭では分かっていたつもりですけど、それはもう感動を通り越すほどの衝撃でした。これはひょっとしたら歌い手としてではなく、私が人間として、一番大きく学んだことではないかと思います。この感動と学びを自分自身に残しておきたいと思って、5月のこの日はどんな役を歌っていようが、どこで歌っていようが、日本にいて母の日をしたいと考えて、このコンサートを始めたんです。私自身のライフワークにしようと思って。

■19回。人間なら来年で成人です。改めて振り返ってみていかがでしたか?

佐藤:感謝ですね。ずっと歌ってこられたことに私は感謝しているんです。私はなぜか若い頃にオペラに恋をしてしまって(笑)。オペラという西洋の伝統の中で、現地の人たちと一緒になって主役を歌うっていうのはとても大変なことだったんですよ。でもその夢を叶えさせて頂きました。今度は歌を通して、皆さんに喜んでいただきたいと思っているんです。5月には最高の母の日を過ごしていただきたい、その思いがブレずにあったので、今まで来られたのだと思います。
 コンサートって、お客さまはひょっとすると、歌い手や演奏家が作るものだと思っていらっしゃるのじゃないでしょうか、でもそうじゃないんですね。コンサートって、私たちとお客さまが、同じ時間、同じ空間を共有することで、一緒に作り上げていくものなんです。今年も、素晴らしい時間を、ご一緒に作っていきたいですね。
 




(2013年4月15日更新)


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      「わが母の教え給いし歌2013」

             ■佐藤しのぶ(ソプラノ)


              ■森島英子(ピアノ)


          ■堀正文(N響ソロコンサートマスター)

●5月8日(水)18:30
サンケイホールブリーゼ

S席-9000円 A席-7500円
SS席・B席は取り扱いなし。
Pコード 188-197 チケット発売中

【共演】
森島英子(ピアノ)
堀正文(N響ソロコンサートマスター)
N響メンバー

【予定曲】
さくらさくら
てぃんさぐぬ花
初恋
わが母の教え給いし歌
アヴェ・マリア ほか

【問い合わせ】
ブリーゼチケットセンター■06-6341-8888

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