ホーム > NEWS > 大阪交響楽団5月の定期演奏会は寺岡清高を迎え、 マーラーに先駆ける響きに満ちた ハンス・ロットの交響曲を
大阪交響楽団は5月17日(金)の定期演奏会に常任指揮者・寺岡清高を迎え、今年度全2回のシリーズ「マーラーのライヴァル」第1回“級友ハンス・ロット”を贈る。ハンス・ロット(1858-84)はオーストリアの作曲家・オルガニスト。ブルックナーに師事し、ウィーン音楽院でマーラー(1860-1911)と同級であった、文字通り“級友”である。その短い生涯はしばしばマーラーの伝記に登場する。
今回のメインプログラムである交響曲第1番 ホ長調はハンス・ロットの生涯に大きく関わっている。この作品は1878年にウィーン音楽院の作曲コンクールに第1楽章が提出され、その後1880年に4楽章形式の交響曲として完成された。この時、ブラームスに酷評されたことから、ハンス・ロットは精神を病み、4年後に世を去るのである。作品はその後100年以上忘れられていたが、1989年にアメリカ、シンシナティでシンシナティ・フィルハーモニア管弦楽団(シンシナティ交響楽団とは別団体)によって初演され、その後、ヨーロッパを中心に再評価の機運が高まった。日本初演は2004年11月、沼尻竜典の指揮により日本フィルハーモニー交響楽団が、大阪初演は2008年5月に寺岡清高と大阪交響楽団が行っている(第125回定期演奏会)。こうした近年のハンス・ロット受容については、大阪交響楽団HP「シェフからのメッセージ」に寺岡氏の興味深い文章が寄せられているので、ぜひ、ご一読を。
現在パーヴォ・ヤルヴィ、セバスティアン・ヴァイグレ、レイフ・セーゲルスタムなどの指揮者が演奏・録音に取り組み、ハンス・ロットの交響曲のブルックナーを思わせるオルガン的な響き、そしてマーラーの交響曲に先駆ける響きに満ちた魅力的な全貌が明らかになりつつある。とは言え今回はこの大阪で、まさかの「オール・ハンス・ロット」プログラム。大阪交響楽団の取り組みから、目が離せない。
大阪交響楽団
〈第176回定期演奏会〉
「マーラーのライヴァル“級友ハンス・ロット”」(2013年度全2回シリーズ)
●5月17日(金)19:00
ザ・シンフォニーホール
チケット発売中 Pコード 191-193
S席-6000円 A席-5000円 B席-3000円 C席-2000円
オルガン席-1000円 青少年学生券(当日引換)-1000円
(オルガン席と青少年学生券は大阪交響楽団でのみ取り扱い)
【指揮】寺岡清高
【プログラム】
ハンス・ロット: 「ジュリアス・シーザー」への前奏曲
ハンス・ロット: 管弦楽のための前奏曲 ホ長調(世界初演)
ハンス・ロット: 管弦楽のための組曲 ホ長調(日本初演)
ハンス・ロット: 交響曲第1番 ホ長調
【問い合わせ】大阪交響楽団■072-226-5522
(2013年4月17日更新)
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