ホーム > NEWS > エリザベート王妃国際音楽コンクール2011作曲部門 グランプリ。作曲家・酒井健治の受賞後第1作を、 いずみシンフォニエッタ大阪が初演
今年5月、エリザベート王妃国際音楽コンクール2011年作曲部門において『ヴァイオリンとオーケストラのための協奏曲』でグランプリを受賞した作曲家・酒井健治。その最新作となる『Danse Macabre(ダンス・マカーブル)~27人の奏者のための』が7月14日(土)、いずみシンフォニエッタ大阪第29回定期演奏会『近代フランス魅惑の響き』で、飯森範親の指揮により初演される。これはいずみシンフォニエッタ大阪が関西出身の若手作曲家に新作を委嘱するシリーズの一環で、酒井の「エリザベート」受賞後の第1作となる。
酒井は1977年大阪府池田市生まれ。京都市立芸術大学卒業後、フランス国立パリ音楽院、ジュネーヴ音楽院に学び、現在はフランスを拠点に活動。エリザベート王妃国際音楽コンクールの作曲部門での受賞は日本人としては、1977年の藤掛廣幸(オーケストラ部門)と、現在いずみシンフォニエッタ大阪の音楽監督を務める西村朗(弦楽四重奏部門)以来、34年ぶりとなる。
『Danse Macabre~27人の奏者のための』は、ホールのバルコニー4ヵ所 と客席後方に立つ5人のソリスト(トランペット、パーカッション、クラリネット、トロンボーン、オーボエ)とステージのオーケストラが互いの響きを交し合う作品。ダンスは形式としてのワルツやレントラーではなく、飛び交う音それ自体の状態を表すという。
公演に先立って行われた記者会見で酒井は、「『Danse Macabre』とは《死の舞踏》。世界を覆う経済不安や、日本における大震災や原発事故といった災害の中の不安を、中世以来の死生観である《死の舞踏》に重ね合わせて表現した作品です。サン=サーンスの同名の交響詩を意識しましたが、私の作品には、弦楽によるアダージョをレクイエムとして加えています」と語っている。
プログラムは他にフランセ、ドビュッシー、プーランクの作品。19世紀から20世紀、そして21世紀の最先端の響きが楽しめる。
■酒井健治(C)Philippe Stirnweiss
(2012年7月 4日更新)
いずみシンフォニエッタ大阪