NEWS

ホーム > NEWS > 独特の色彩感と陰影に富んだ、ロシア音楽の奥深い魅力。関西フィル、3月の定期は「薫るロシアの世界」

独特の色彩感と陰影に富んだ、ロシア音楽の奥深い魅力。関西フィル、3月の定期は「薫るロシアの世界」

 3月21日に行われる関西フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会は、指揮に飯森範親、ソリストにヴァイオリンの木嶋真優を迎え「薫るロシアの世界」と題して、濃厚なロシアの情緒を湛えた3人の作曲家の作品を演奏する。
 オープニングはムソルグスキー(1839-81)の交響詩「はげ山の一夜」。ロシアの伝承を題材に、精霊や魔物が大騒ぎする山上の夜を描いた作品だが、今回演奏される「原典版」(聖ヨハネ祭の夜のはげ山)では演奏機会の多いリムスキー=コルサコフ版と異なり、より野趣に溢れた荒々しい響きを聴き取ることができる。
  木嶋真優の登場となる2曲目は、近年、日本でも再評価の進むアラム・ハチャトゥリアン(1903-78)のヴァイオリン協奏曲ニ短調。ソナタ形式-三部形式―ロンド形式の標準的な構成を取りながら、作曲者の出身地グルジアのリズムと旋律を前面に打ち出し、明らかに西欧の伝統的な音楽とは異なる響きを生み出した作品と言えるだろう。なお木嶋は昨年9月、プラハ、スメタナホールで行われたプラハ交響楽団の定期演奏会に出演。この曲を演奏し、好評を博している。        
 そしてメインプログラムは二曲の交響曲ほかを残したワシリー・カリンニコフ(1866-1901)の交響曲第1番 ト短調。知名度が高いとは言えないが、多くのロシア音楽ファンから愛好される作品である。特に第1楽章に現われるふたつの主題が印象的で、これらが終楽章で大きく盛り上がる様は圧巻。一度聴くといつまでも深く心に残る美しさを秘めている。
 いずれも色彩感と陰影に富み、ロシア音楽の奥深い魅力に溢れた今回の3曲。飯森範親と関西フィルの意欲的な取り組みによって、さらに演奏機会が増えることを期待したい。注目のプログラム、注目の演奏会だ。




好評発売中! チケット情報はこちら

 関西フィルハーモニー管弦楽団
〈第236回定期演奏会〉

●3月21日(水)19:00
ザ・シンフォニーホール

チケット発売中 Pコード 151-826
S席-5000円 A席-4000円 B席-3000円

【指揮】飯森範親
【ヴァイオリン】木嶋真優

【プログラム】
ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」〔原典版〕(聖ヨハネ祭の夜のはげ山)
ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
カリンニコフ:交響曲第1番 ト短調
※18:40より指揮・飯森範親によるプレトークあり。

【問い合わせ】関西フィルハーモニー管弦楽団■06-6577-1381

(2012年1月30日更新)


Check
木嶋真優(ヴァイオリン)(C)良知 賀津也        飯森範親(指揮)(C)ZENT
関西フィルハーモニー管弦楽団