NEWS

ホーム > NEWS > 吉田修一による同名小説を大森立嗣監督が映画化! W主演の福士蒼汰、松本まりか、大森立嗣監督が 大阪で舞台挨拶に登壇! 映画『湖の女たち』大阪舞台挨拶レポート


吉田修一による同名小説を大森立嗣監督が映画化!
W主演の福士蒼汰、松本まりか、大森立嗣監督が
大阪で舞台挨拶に登壇!
映画『湖の女たち』大阪舞台挨拶レポート

『さよなら渓谷』の大森立嗣監督が、吉田修一の同名小説を基に、福士蒼汰と松本まりかをW主演に迎えて映画化したミステリー『湖の女たち』が、5月17日(金)より、テアトル梅田ほか全国にて公開される。琵琶湖のほとりに佇む介護施設で起きた殺人事件を追う刑事と、容疑者にあげられた介護士の関係性、そして、雑誌記者が事件の裏にある薬害事件を追っていく様を描く。

W主演のふたりに加え、福地桃子、近藤芳正、平田満、財前直見、三田佳子、浅野忠信らがキャストに名を連ねている。そんな本作の公開に先立ち、4月23日(火)、テアトル梅田で先行上映会が行われ、殺人事件を追う刑事の濱中圭介を演じた福士蒼汰、介護施設で働く介護士の豊田佳代に扮した松本まりか、そして大森立嗣監督が上映前に登壇し、舞台挨拶を行った。

lakes_sub.jpg

まずは、福士が「この作品を大阪の皆さんに観ていただけることを嬉しく思っています」、松本が「もしかすると捉えようのない映画かもしれませんが、私自身にとって本当に必要な映画だった」と挨拶すると、監督は「そんなにハードル高くないです(笑)」と笑わせ、「皆さんの顔が見えるとまたいつもと違う話ができそうな気がします」と客席との距離が近いテアトル梅田ならではの感覚を楽しんでいるようだった。

大阪の印象について松本は「大阪が大好き。関西弁がうつっちゃって、エセ関西弁でずっとしゃべってます」と言うと、福士は「大阪の血を感じるみたいで。どこに行っても血が騒ぐって(笑)」と明かし、笑わせた。それを受けて松本が「関西に来ると上手くないけど関西弁になる」と話すと、福士が「いける?今」と振り、松本も「関西弁でやろか?」と返すと場内からは大きな拍手が。

その後も、松本「関西弁の方がくだけて話せるから。標準語で話すとかしこまってしまうで」と謎のイントネーションで話すと、松本の関西弁の可愛さに笑い声と拍手が起きていた。

そして、映画の話題に移り、先日の完成披露試写会で松本が福士のことを「嫌いだった」と言ったことについて福士は「嫌われていました」と肩を落とすと、松本は「嫌いでした~。最初が取り調べのシーンで、いや~な目つきで取り調べをされて。嫌やわ~と思いながらも、嫌いな感情を芝居に活かすしかないと思った」と振り返っていた。

福士は、「(松本さんが)どう思ってるかわからないけど、どうでもいいやと。普段は相手のことを気にしすぎてしまうので、役に徹底するために気にしないようにして、嫌われる覚悟で話さないという選択肢をとりました」と真意を明かすと、監督は「蒼汰から相談受けたんです」と明かし、「「いいですよね?しゃべらなくて」って相談されたんですよ。役作りだとわかったので「いいんじゃない」って」と言うと場内からは笑い声が起きていた。

lakes_sub2.jpg

すると松本は、「撮影に入ると身体がこわばった」と明かし、「身体が拒絶している感じが自然と出たのでほんとに嫌いになって良かった(笑)」と可愛く話すと、福士は苦笑い。その一方、「今はめっちゃ仲良くないですか?」と松本が福士に尋ねると、福士は答えに詰まり、松本が「どっちなの?」と問いかけ、福士は苦笑いしながらも、「たくさん話すようになりましたし、お互いのことをよく知ることができた」と言い、「撮影中は全くそういうことを感じられなかったので」と振り返っていた。

それを受けて松本は福士について「ほんとに合わないと思ってましたが、テンションが合う。女の子としゃべってる感覚。こんなに壁がない人なんだと。あんなに身体がこわばってたのに、いいヤツじゃん(笑)」と持ち上げると、福士は「ありがとうございます。すみませんでした(笑)」と笑顔で謝っていた。

また、これまでとは全く違う福士の表情や演技について監督は「なんでああなっちゃったんですかね?」と笑わせると、福士は、「監督のせいだと思いますよ(笑)。監督が脚本も書かれているので、監督のエッセンスがめっちゃ入ってるから、やっぱり監督のせい(笑)」と笑顔で返していた。

オファーを受けた時は「全く抵抗がなかった」と言う福士。「脚本と原作を読んで単純に面白いと。シンプルにやりたいと思った。役柄を深めていくのは難しいけど、できると思った」と明かし、「僕も完成作を観て、僕自身でさえもこんな顔をしていたんだ、こんな言い方してたんだと。瞑想状態に入っている中でお芝居をしている感覚だった」と振り返っていた。

撮影現場では「隔離された生活をしていた」と言う松本。というのも、「(佳代は)琵琶湖から出ずにずっと生活していた人。都会で芸能人みたいなことをしていると、特に、直前までポップな作品をやっていたので、1週間後にこの役をやりなさいと言われても無茶だと」思ったそう。「一刻も早く閉鎖された、苦しい場所に身を置かないと、自分の中に煮えたぎるものが出てこないと思って。自ら追い込まれる状況にして、彼女のもがきや痛み、悩みを体感で理解しようと。がんじがらめで苦しかった」と役作りについて語っていた。

lakes_sub3.jpg

最後に、福士が本作の例えとして蛇をあげ、「嫌われてるけど、そこに惹かれてしまうものもある。真っ白とか真っ黒な蛇。それを美しいと感じるかどうかは人によって違う。そういう映画だと思います」、松本が「このふたりの関係に美しさが見えたとしたら、人生を生きる上での希望になると教えてくれた映画。この映画に出会わなければ、このことに気づかずに生きていたのかと思うとぞっとする。この作品をやった意味がこの先もずっと続いていく、凄まじい映画だと思っています」、監督は「さっきたこ焼きをいただいたらちょっとぬるかった」と言い、「ぬるいたこ焼きってつまらない映画を観た時と似てる。この映画は熱いたこ焼きみたいな映画です」と作品をPRし、舞台挨拶は終了した。

取材・文/華崎陽子




(2024年4月23日更新)


Check

Movie Data




(C) 2024 映画「湖の女たち」製作委員会

『湖の女たち』

▼5月17日(金)より、テアトル梅田ほか全国にて公開
出演:福士蒼汰 松本まりか
福地桃子 近藤芳正 平田満 根岸季衣 菅原大吉
土屋希乃 北香那 大後寿々花 川面千晶 呉城久美 穂志もえか 奥野瑛太
吉岡睦雄 信太昌之 鈴木晋介 長尾卓磨 伊藤佳範 岡本智札 泉拓磨 荒巻全紀
財前直見/三田佳子 浅野忠信
原作:吉田修一『湖の女たち』(新潮文庫刊)
監督・脚本:大森立嗣

【公式サイト】
https://thewomeninthelakes.jp/

【ぴあアプリ】
https://lp.p.pia.jp/event/movie/286134/index.html