豊中名誉市民である山田洋次監督と上沼恵美子が大阪府豊中市で舞台挨拶を実施！映画『キネマの神様』大阪舞台挨拶レポート - NEWS

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豊中名誉市民である山田洋次監督と
上沼恵美子が大阪府豊中市で舞台挨拶を実施！
映画『キネマの神様』大阪舞台挨拶レポート

原田マハによる同名小説を山田洋次監督が映画化した松竹映画100周年記念作『キネマの神様』が、8月6日(金)より、大阪ステーションシティシネマほかにて公開される。ギャンブルの借金で家族に見放された男が映画を通じて再生していく姿を、若年期と晩年期を交えながら描き出す。急逝した志村けんの代役となった沢田研二が菅田将暉とW主演を務める他、妻役を宮本信子と永野芽郁が演じる。本作の公開を前に、豊中市出身で豊中名誉市民である山田洋次監督が、7月6日(火)、豊中市立文化芸術センターで行われた先行上映会に登壇し、スペシャルゲストとして登場した山田監督の大ファンを公言する上沼恵美子とともに、上映後に舞台挨拶を行った。

まずは、山田洋次監督が「生まれ故郷での上映会に、こんなにたくさんの方が駆けつけてくださって、こんなに嬉しいことはありません」と挨拶。その後、大きな拍手に迎えられて上沼恵美子が登壇し、舞台挨拶が始まった。開口一番、上沼が「びっくりしましたでしょ、綺麗だから」と笑わせ、「『キネマの神様』拝見いたしました。本当にじーんときました」としっとりしたトークになるかと思いきや、「ジュリーは老けましたねぇ」と言って観客を沸かせ、「でも男前なのはよくわかりました。いくつになってもオーラがありますね」と褒め、観客からは大きな拍手が起きるなど、早くもトーク術で観客の心をつかんでいた。続けて、上沼が「本当はジュリーの役は志村けんさんだったんですよね…」と話をふると、山田監督は、「コロナで彼が死んでしまって、どうしようかと思いましたね」と死を悼んでいた。

そして、上沼が「歳を重ねられても、変わらずに映画を撮られているなんて、監督は本当にお元気ですね。私は、監督の頭の中を拝見したいんです。それは、私の身体は『男はつらいよ』でできているからなんです。48作品、全て拝見いたしました。ファンなんてもんじゃありません。小学生の時に初めて観てから、私にとっては夏とお正月の風物詩でした。寅さんを嫌いな人は日本人じゃありません。ただね、監督、1シーンでいいから私を出してほしかったです」と、『男はつらいよ』を絶賛しながら上沼節を発揮し、山田監督が言葉を挟む隙もないほどだったが、それでも、山田監督は「そう言っていただけて嬉しいです」と笑顔で返していた。

また、『キネマの神様』の終わり方について上沼が「すごくドラマチックでしたが、どのように決めてらっしゃるんですか？」と尋ねると、山田監督は「終わり方は言葉を最初から頭にありました」と答えていた。

最後に、上沼が「私は山田監督のことを本当に尊敬申し上げているんです。監督の作品が私の人生を彩ってくれたんです。山田監督の作品は観終わった後に、心にぽっと火が灯るんです。心が温かくなるんです。去年の7月、25年やっていた番組が終わって、辛かったですが、こうして監督とお会いできるなんて、生きていて良かったです！私は山田監督が日本の宝物だと思っています」と山田監督への熱い思いを語ると会場からも大きな拍手が起こっていた。そして、山田監督が「上沼さんが来てくださって、本当に嬉しいです。先ほど、上沼さんが寅さんを観ると心が温かくなって、それがしばらく胸に残るとおっしゃってくださったんですが、僕たちの仕事は観客の心の中にある炭火に火をつけて赤くすることだと、僕はずっと思っていたので、そういう風に言っていただいて嬉しかったです」と語り、舞台挨拶は終了した。

取材・文／華崎陽子

（2021年7月 6日更新）

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