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ホーム > NEWS > 大東駿介が、2日間寝られないぐらいの ダメージを受けた監督の言葉とは!? 主演の佳山明、大東駿介が登壇! 映画『37セカンズ』大阪舞台挨拶レポート

大東駿介が、2日間寝られないぐらいの
ダメージを受けた監督の言葉とは!?
主演の佳山明、大東駿介が登壇!
映画『37セカンズ』大阪舞台挨拶レポート

出生時に、37秒間息をしていなかったことで身体に障がいを負ったヒロインが、様々な出会いを経て、新たな世界への一歩を踏み出そうと奮闘する姿をドラマチックに描く『37セカンズ』が、2月7日(金)より、大阪ステーションシティシネマほか全国にて公開される。ハリウッドでの活躍が期待されるHIKARI監督の長編デビュー作にして、ベルリン国際映画祭パノラマ部門で観客賞などを受賞した感動作だ。手足が自由に動かない体を持ちながらも社会福祉士として活動していた佳山明(かやま・めい)が、自己表現の手段を模索し続ける主人公・ユマを体当たりで演じている。本作の公開を前に、大阪在住の佳山明と、ユマを支える介護福祉士の俊哉に扮した大阪出身の大東駿介と、同じく大阪出身のHIKARI監督が登壇し、2月2日(日)に大阪ステーションシティシネマで、先行上映会の上映後に舞台挨拶を行った。
 
まずは、初演技で初主演の大役を担った佳山が「はじめまして。佳山明と申します。この場に来てくださって、映画を観てくださってありがとうございます。少々緊張しておりますが、よろしくお願いいたします」と挨拶すると、場内からは大きな歓声と拍手が起こり、舞台挨拶は始まった。車いすに乗る佳山を、劇中さながらにエスコートして登場した大東は、2018年の猛暑の中での撮影について「感慨深い現場でした。暑かったので、明ちゃんを抱きかかえていると、本当に衣装のTシャツが汗でびしょびしょになっていくんです。もちろんフィクションですが、僕たちがいかに本当の状態を残せるかということを、現場ですごく意識してやっていたことを覚えていますし、監督にもそれをすごく求められた気がします。(監督の演出は)良く言えば丁寧ですが、悪く言えばしつこい(笑)。見ての通り、わかりやすくまっすぐな方なので(笑)。一番印象に残っているのは、カメラマンさんが作ったアングルを、監督が平気で変えたことですね。でも、それもこのシーンをどういう風に撮りたいのか、どう切り取りたいのかが監督の中で全て見えているからなんです」と、こだわりのある監督の演出を絶賛。それを受けて監督は、「最初は、第三者的な目線の位置にカメラがあるんです。それが少しずつ下がって、気がついたら主人公と寄り添っていて、彼女のそばにいて、彼女が感じることや体験することを一緒に体験していく目線になることに、どうしてもこだわりたかったんです」とアングルへのこだわりを語っていた。さらに、大東に具体的な監督の演出について尋ねると、「僕が言われたことで印象的だったのは、「気持ちの面で作ってきていることはすごくわかるけど、身体がまだ俊哉になれてないし、人生を背負った身体になってない」と言われたことです。ものすごいダメージを受けましたし、ものすごく攻撃力の高いことを言われて、2日ぐらいなかなか寝られませんでした(笑)。33歳なので、怒られることはありますが、そこまで言われることがなくて。鼻が曲がるぐらいのパンチを食らったような、ど直球の殴られ方をしました(笑)」と、笑いながら語っていた。
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そして、初めての演技で初めて映画の現場を経験した佳山に、撮影の感想を聞いてみると「色んな思いがあってうまく言葉にしきれませんが、わからないことだらけからのスタートでしたけれど、監督筆頭に皆さんにたくさんたくさん支えていただいたから現場があって、この映画があって、今があるんだということを改めて感じています」と心を込めて一生懸命に語っていた。さらに、大東と佳山に共演した印象を尋ねると、「僕の方が現場の経験はあるので、現場で色々助けてあげたいと思っていたんですが、結果的にはものすごく明ちゃんに救われたという印象です。明ちゃんと芝居をした時に、本物の心と言うか魂みたいなものが飛んできたので、それは今でも常に意識しています。本物を作る作業に手を抜いてはいけないと思っています」と佳山の撮影に臨む姿勢を絶賛し、自身の撮影に臨む姿勢にも変化があったよう。それを受けて佳山は「身に余る思いです。(大東さんには)たくさん教えていただきましたし、すごく支えていただいたと思っています。(大東の劇中での役名である)俊哉さんは素敵です」とはにかみながら返していた。
 
最後に、佳山が「本日は観ていただいてありがとうございます。監督を筆頭に役者の皆さんやスタッフさん、色んな方に支えていただいてこの作品があります。この映画を温かく愛していただけたら嬉しいです」、大東が「この作品に参加させていただいて、僕は改めて映画ってすごいなと思いました。映画館で映画を観て、劇場を出たら、世界が変貌して見えることが映画の面白さであり、魅力だと思うんです。この作品は、劇場を出た後の世界に、少しだけかもしれませんが良い影響を与えてくれる映画だと思うので、僕自身も参加できて良かったし、やりがいを感じています。ぜひ、たくさんの方に劇場で観ていただきたいので、色んな方にこの作品を巡り合わせていただけると嬉しいです」、HIKARI監督が「この映画は、私の中では障がい者ではなく、あるひとりの女性、あるひとりの人間の成長物語を作ったつもりです。だから、障がい者であってもなくてもこの脚本が通用しなければ、この映画は成功しないと思いながら作りました。ぜひ、皆さんの愛をいただけたらと思っています」と作品をPRし、舞台挨拶は終了した。
 
取材・文/華崎陽子



(2020年2月 3日更新)


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Movie Data



(C)37Seconds filmpartners

『37セカンズ』

▼2月7日(金)より、大阪ステーションシティシネマほか全国にて公開
出演:佳山明、神野三鈴、大東駿介
渡辺真紀子、熊篠慶彦、萩原みのり
芋生悠、渋川清彦、宇野祥平
奥野瑛太、石橋静河
尾美としのり、板谷由夏
監督:HIKARI

【公式サイト】
http://37seconds.jp/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/176646/