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大泉洋&小池栄子が絶妙な掛け合いで場内を沸かせた
映画『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』
大阪舞台挨拶レポート

文豪・太宰治の未完の遺作をアレンジしたケラリーノ・サンドロヴィッチの戯曲『グッドバイ』を、『ソロモンの偽証』や『八日目の蝉』で知られる、成島出監督が映画化したラブコメディ『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』が、2月14日(金)より、大阪ステーションシティシネマほか全国にて公開される。まったく異なる目論見で“偽夫婦”を演じることになった男女の運命をコミカルに描く。大泉洋が、情けないのになぜかモテるダメ男・田島に扮し、舞台版で読売演劇大賞女優賞を受賞した小池栄子が、金にガメつく大食いでパワフルな女・キヌ子を演じている。本作の公開を前に、大泉洋と小池栄子、そして成島出監督が登壇し、1月29日(水)に大阪ステーションシティシネマで、先行上映会の上映前に舞台挨拶を行った。
 
まずは、大泉が「優柔不断なくせにモテるという役ですが、観ていただくと、そんなにモテている感じのしない役だと思います。様々な愛人とどうやってグッドバイしていくのかとワクワクしながら観ていただければと思います」と挨拶し、舞台挨拶は始まった。大阪でコメディ作品を観てもらうことについて聞かれると、大泉は「大阪の方にコメディを観ていただくのは緊張するんです。さんまちゃんや鶴瓶さんが出ているわけじゃないですし、大丈夫かな? という気もしますが、成島監督の演出や展開の早さによって面白くなっていると思うので、自信を持ってお届けします」と胸を張ってコメント。小池も「大阪はお笑いに対して厳しいとは聞いていますが、この映画はコメディであっても、その裏に隠された人との関わり方や、(田島とキヌ子が)バディを組んで愛人たちにグッドバイをしていく中で生まれていく、ふたりの関係性の変化など、笑いではない箇所もたくさん味わっていただきたいと思います」と本作の“笑い”以外の面をアピールし、大泉も「別に漫才を見てもらうわけじゃないからね(笑)」と笑わせた。成島監督も「やっぱり、ドキドキしていますね。大阪は笑いの本場なので、私も何回か作品を持ってきていますが、大阪は怖いです。笑ってもらえるのかな、といつもドキドキしています」と笑いへのハードルが高い大阪での上映への緊張感を語っていた。さらに大泉は「TEAM NACSで大阪に来たら、ものすごく盛り上がるんです。いや~盛り上がったなと思っていても、アンケートがすごく辛辣だったりするんです(笑)。ちょっと笑いが弱いとか書かれていたりするんです。あれだけ笑っていたのにと思いますよね(笑)」とクレームを入れていた。

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また、監督の演出について大泉が、「とにかく監督の演出で、台本を読んだ時の印象よりも、どんどん面白くなっていくのを感じました。「舐めるように尻を見てくれ」、「尻に抱きついた瞬間に恍惚の表情を一瞬浮かべてくれ」など、若干、変態めいた演出が多かったですね(笑)」と話すと、成島監督は「そうだと思います」と飄々と返し、「この映画には色気が欲しかったので、生っぽい感じを出そうと思うと、どうしてもそっちの傾向にいってしまいました」と語り、大泉は爆笑しながら、「監督、大丈夫ですか? 僕は変態に見えませんか?と聞いたら、可愛く見えるから大丈夫だよと言ってくれました」と少し戸惑っていたようだったが、小池も「チャーミングでしたよ。子犬みたいな表情を浮かべたり、甘えん坊のような雰囲気や時に孤独な背中が見えたりして、女性がほっとけないと思う田島像をしっかり作ってらっしゃいました」とフォロー。それでも大泉は「観終わった後に、「ただの変態やん」と書かれたら失敗ですけどね(笑)。大阪の人はこうやって言うと書きかねないから(笑)。ダメよ(笑)」とたしなめ、観客を沸かせていた。
 
そして、本作のキャンペーンで多数の番組に出演している大泉と小池にバラエティでの共演ついて尋ねると、小池は「役者としての大泉洋さんも大好きなんですが、バラエティでトークしている大泉洋さんが大好きなんです。芝居もピカイチ、トークもピカイチ、両方トップとれる人なんていませんよ。もちろん、大泉さんとお芝居したいと思っていたんですが、それよりも先にこの人と一緒にバラエティに出たいと思ったんです。この人とバラエティに出るためには、一緒に芝居するしかないというのが、私の中でかなりのモチベーションを占めていました。こうやって数ヶ月一緒に過ごして、やっぱり天才だなと思いました。もうゴールが見えてきたので、寂しいですね」と絶賛するも、大泉の魅力を聞かれ「よくしゃべる。よく食べる。よく笑う(笑)」と返すと、大泉は「腕白な子どもみたいじゃない」と笑いながらつっこんでいた。続いて、大泉に今後の希望を尋ねてみると、「せっかく大阪にいるので、一度はNGKの舞台に立ちたいですね。相当色んなバラエティに出させていただいたので、諸先輩方に挨拶して、そろそろ NGK の舞台を踏まないとあかんなと思っています」と真顔で語っていた。続けて、「小池さんとバラエティに出るのは楽しいんですが、消費カロリーがグッと上がるんです。お互いに戦いですし、結構な殴り合いをしていますから(笑)。お互い、ヘトヘトになって帰るんですが、変な充実感があるんです。俳優が感じるべきではない達成感を、お互いが感じているんだと思います。圧倒的に面白いですから、小池さんは。二人とも一番大事なのは”面白い”だと思っているよね? 感動や涙よりも笑いでしょというのが共通しているんです」と小池との相性の良さを語った。すると小池は、「月に1、2回でもいいから枠をくれたら、大泉さんとロケに行ったり、スタジオに芸人さんを招いたりするのが、私の次なる目標になっています」と真顔で語り、大泉は爆笑しながら「僕らが芸人さんを招くのね?(笑)」と返し、会場からも拍手が起こっていた。そんなふたりを、笑みを浮かべながら見守っていた成島監督に、ふたりのキャスティングの決め手を聞いてみると、「この映画は戦後復興の時代が舞台で、笑いと生命力を同時に持ってないといけないので、今見ていただいたように、この二人が掛け算になったら1×1が5にも10にも100にもなっていくんじゃないかと感じながら撮っていました。このふたりのおかげで幸せな現場でした」とふたりを褒め称えていた。
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最後に、成島監督が「作った自分が言うのも変ですが、中身のない映画ですから、頭をからっぽにして楽しんでください」と言うや、すかさず大泉が「監督、言い方! 中身が何にもないはダメでしょ」とつっこみ、「せっかく成島さんの映画に出たのに、中身は何にもないんですか?」と、力強く主張。間髪入れず小池が「それぐらいの気持ちで観ていただいた方がいいかもしれないです。成島監督の作品だからと肩に力を入れて観てもらうよりも、劇場を出た時に軽やかな気持ちで出ていただけると思うんです。観ていただければわかると思いますが、とってもチャーミングな作品です。中身の何もない映画です(笑)」と切り替え、大泉は「このままだと記事の見出しが、“大泉洋、小池栄子主演映画、中身はからっぽ”と書かれてしまいますよ。観たいと思うんでしょうか?」とボヤキながらも、「監督は、いい意味で何も考えずに観られるとおっしゃったと思いますが、始まったら流れに乗ってどんどん巻き込まれていく楽しい映画だと思います。僕は、中身のない映画だとは思いません(笑)。観終わった後には温かいものが残りますし、楽しかったなという記憶も残る、素敵な映画です」と作品をPRし、舞台挨拶は終了した。
 
取材・文/華崎陽子



(2020年1月30日更新)


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Movie Data

(C) 2019『グッドバイ』フィルムパートナーズ

『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』

▼2月14日(金)より、大阪ステーションシティシネマほか全国にて公開
出演:大泉洋、小池栄子、水川あさみ
橋本愛、緒川たまき、木村多江
濱田岳、松重豊
監督:成島出

【公式サイト】
http://good-bye-movie.jp/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/182982/