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ホーム > NEWS > 豊中名誉市民である山田洋次監督と浜村淳が登壇! 映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』 大阪舞台挨拶レポート

豊中名誉市民である山田洋次監督と浜村淳が登壇!
映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』
大阪舞台挨拶レポート

ひとりの俳優が演じた最長映画シリーズとしてギネス認定されるなど、長年にわたって愛された『男はつらいよ』シリーズの22年ぶりとなる50作目『男はつらいよ お帰り 寅さん』が、12月27日(金)より、大阪ステーションシティシネマほかにて公開される。寅さんの甥の満男が、初恋の人イズミと再会する姿や寅さんとの日々に思いを馳せる姿を描く。主演を『ALWAYS…』シリーズの吉岡秀隆が務め、後藤久美子、倍賞千恵子、前田吟らが共演している。本作の公開を前に、1969年から『男はつらいよ』シリーズの監督を務め、豊中市出身で豊中名誉市民である山田洋次監督が、11月29日(金)、豊中市立文化芸術センターで行われた先行上映会に登壇し、スペシャルゲストとして登場したパーソナリティーの浜村淳とともに、上映前に舞台挨拶を行った。

まずは、長内繁樹豊中市長が登壇し、「平成28年に山田洋次監督に名誉市民になっていただいたご縁によって、公開より1ヶ月も早く50年目の寅さんに会うことができます。山田監督、ようこそおいでくださいました」と挨拶した後、山田監督が登場し、「こんなに大勢の方に来ていただけて嬉しいです。50年かけて作った映画をこれから皆さんに観ていただきます。皆さんが楽しんでくだされば、と心から思っております」と語り、MCの呼び込みでスペシャルゲストの浜村淳が呼びこまれ、登場するや「あまり時間がありませんので、ふたつだけお聞きしたいことがあります」と立ったままトークを始めようとするも、MCに「まずお座りくださいませ」と勧められ、ようやく着席し、ふたりのトークは始まった。

そして、浜村が「監督は、寅さんという国民的なヒーローの映画を50本お作りになっています。寅さんのキャラクターは、ちょっぴり正義感が強くて、ちょっぴり人情家で、ちょっぴりおせっかいで、大いにそそっかしいです。そういう寅さんのキャラクターと、寅さんを演じてらっしゃった渥美清さんの実像とは重なるものでしょうか?」と質問。山田監督は「渥美さんの中に寅さんがいるのかな。渥美さんそのものは、こんなに頭のいい人に会ったことがないぐらいクールな人で、大変な読書家でもあるんですが、話していてこんなに楽しい人もいませんし、そして彼と話していると、おっちょこちょいで世話焼きの寅さんが彼の中にいることがわかってくるんです」と、渥美清の人柄に触れていた。

otoko3.jpg 続いて、浜村が「監督は、『男はつらいよ』シリーズだけで50本撮られていますが、1作として出来が良くないものがないですね。全部名作です」と絶賛。山田監督は「そんなことはないです…。出来不出来はあると思います」と謙遜。浜村は、「監督は非常に丁寧な演出をしてらっしゃって、何でもない場面でも泣かせてしまうのが監督の名演出です。また、至るところに名台詞が散りばめられています。予告編にもある「何か困ったことがあったら、風に向かって俺の名前を呼ぶんだよ。どこにいたってすぐに飛んでいってやる」、こういう泣かせる台詞は、脚本の段階でできているんでしょうか?」と山田監督の演出を褒めたたえながら問うと、監督は「脚本の段階でうんうん言いながらひねり出す場合と、現場で考えることもありました。渥美さんの顔を見ているとふっと思いつくこともありますから。そういうことも随分ありました」と返答。さらに、浜村が「50本もお撮りになって、次はどういう話にしようかとお困りになったことはないんですか?」と尋ねると、監督は「何回かありますよ。何年も何年も続くと思っていたので、色んな話が頭の中にあって、あれもこれもという時と、頭の中からアイデアが全部なくなってしまって、どうしようかという時もありました」と最長映画シリーズならではの苦労を吐露していた。

また、浜村が「本作『男はつらいよ お帰り 寅さん』が50作目になるんですね。もちろん渥美さんはこの世におりませんので、過去の寅さんの映画の名場面が至る所に挟み込まれています。メロンの場面でおなじみの『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』など、過去の名作名場面が出てきます。編集には苦労されたんじゃないですか?」と、本作ならではの苦労について尋ねると、監督は「寅さんシリーズは長い1本の映画で、全部観ると2日半ぐらいかかります。そこからどれを選びとるのかは大変な仕事ではありました。何度も試しながら編集したんですが、大変な仕事ではありましたけど、面白い仕事でもありました」と語っていた。その後も、浅丘ルリ子や都はるみなど、それぞれの作品に登場したヒロインについて浜村が語り、監督が「よく覚えてらっしゃいますね」と苦笑いする場面も見られるなど、和やかな雰囲気でトークは進んだ。最後に、浜村が「本当に、名演出がいたるところに散りばめられています。それは、登場人物の心を演技に表す、監督の指導がないとできないことです。それを、これからご覧いただく『男はつらいよ お帰り 寅さん』で読み取っていただきたいと思います。日本映画界を代表する名監督、山田洋次監督でした」と作品をPRし、舞台挨拶は終了した。

 

取材・文/華崎陽子




(2019年12月 2日更新)


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Movie Data

(C) 2019松竹株式会社

『男はつらいよ お帰り 寅さん』

▼12月27日(金)より、大阪ステーションシティシネマほかにて公開
出演:渥美清、倍賞千恵子、吉岡秀隆
後藤久美子、前田吟、池脇千鶴
夏木マリ、浅丘ルリ子、美保純
佐藤蛾次郎、桜田ひより、北山雅康
カンニング竹山、濱田マリ、出川哲朗
松野太紀、林家たま平、立川志らく
小林稔侍、笹野高史、橋爪功
監督:山田洋次
主題歌:「男はつらいよ」渥美清 / オープニング 桑田佳祐

【公式サイト】
https://www.cinemaclassics.jp/tora-san/movie50/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/176894/

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