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8月31日(土)より公開!
中村扇雀、中村福助が語るシネマ歌舞伎
『野田版 研辰の討たれ』の魅力と見どころ

赤穂浪士が江戸城へ討ち入りを果たし、仇討が流行していたころのこと。いたずらが原因で家老を殺めてしまった研屋あがりの侍、辰次(中村勘三郎)が、仇討を誓う兄弟から逃避行を図る模様を軽快な立ち回りやミュージカル映画のようなダンスシーンなども取り入れてエンタメ色たっぷりに描いた歌舞伎『野田版 研辰の討たれ』。本作は、木村錦花原作の歌舞伎狂言『研辰の討たれ』を、野田秀樹が新しい視点で書き直し、演出した舞台で、平成13年8月の納涼歌舞伎で初演され、大ヒットを記録。平成17年5月には歌舞伎座において十八代目中村勘三郎襲名披露狂言として再び上演された。
 
この『野田版 研辰の討たれ』が、通常の観劇では得られないカメラワークで様々な歌舞伎舞台を臨場感たっぷりに映し出す≪シネマ歌舞伎≫として8月31日(土)からスクリーンに登場する。そこで『野田版 研辰の討たれ』で妹娘おみねを演じた中村扇雀と、主君の奥方である萩の江を演じた中村福助に、当時の様子や作品の魅力を語ってもらった。
 
●『野田版 研辰の討たれ』を振り返って…
 
中村福助(以下、福助)「『野田版 研辰の討たれ』は木村錦花の作品で、それを現代に通じるような歌舞伎にと勘三郎兄さんと野田さんでお話し合って、演出も野田さんが引き受けてくださって作りました。勘三郎兄さんが温めていた企画で、それを現実にやってみて。いろんなお話しながら稽古をさせていただいて、我々も作品に対してすごく入れ込みもありました。みんなが意見を出し合って、いろんなものを1から、いろんなことを感じながら作った作品です。歌舞伎では珍しくカーテンコールがついて、みなさん立ち上がってくださって、その思い出は忘れられないですね」
 
中村扇雀(以下、扇雀)「初日の時は泣いてたね。あのカーテンコールはみんな泣きましたね、うん。野田さんの作品は、やっていくうちに役が浸み込んできて、どんどん何でもやりたくなっちゃうんだよね、本当に。僕自身は合っていたような気がします」
 
福助「野田さんは演出が非常に細かくて、お稽古場に入る時は大体、演出プランがかなり立っているんですけど、いま、『野田版 研辰の討たれ』のチラシなどで使われているシーンは自然発生だったんです。なんとなくこれになっちゃったんです。いろんな面で本当に、いいチームできた作品ですね。なかなかこういうふうな完成度の高いお芝居もないなと、そういうふうに思います」
 
●シネマ歌舞伎の魅力
 
福助「臨場感が非常にありますね。地方のお客様に歌舞伎を見ていただくチャンスがなかなかないので、そういった面でも『シネマ歌舞伎』を観ていただくことによって、いろんな方に歌舞伎に触れていただいて、また大阪松竹座や歌舞伎座に来てくれたら本当にうれしいなと思います」
 
扇雀「いわゆる一つの“劇団”でこれだけ多様なものを持っているのは世界中で歌舞伎しかないんです。そのすごさ、日本の文化を知ってほしいです。また、歌舞伎をアップでは観たことがないでしょう、みんな。そういったところも『シネマ歌舞伎』でぜひ、楽しんでください」
 
福助「『シネマ歌舞伎』のラインアップを見ても、面白いことが分かりますよね。『野田版 研辰の討たれ』は文芸作品で、『らくだ』は落語だし。『京鹿子娘二人道成寺』はそれこそお狂言、お能から頂いているものだしね。そういう視点で観ても面白いんじゃないですか」
 
扇雀『歌舞伎の持っている底力っていうのは、すごいと思います。それを身近に、映画館で観られるのですから。1回で分からなくても、『シネマ歌舞伎』なので何回も観てほしいですね」
 
福助「歌舞伎っていうのは、よく言えば懐が広い。悪く言えばなんでもいただく。それがいっぱい詰まっているものがまさに『シネマ歌舞伎』だと思うんです。映画館という雰囲気も劇場で観る感じとはまた違ってますし、いろんなものを感じていただけるんじゃないかなと思います」
 
≪月イチ歌舞伎≫『野田版 研辰の討たれ』は、なんばパークスシネマ他劇場にて、8月31日(土)から公開。なんばパークスシネマ、神戸国際松竹では約2週間と上映期間の延長も決定。詳しくは『シネマ歌舞伎』公式サイトでご確認を。
 
 



(2013年8月30日更新)


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写真左より、中村扇雀、中村福助。

Movie Data

(C)松竹株式会社

≪月イチ歌舞伎≫『野田版 研辰の討たれ』

●なんばパークスシネマほかにて8月31日(土)より公開!

【公式サイト】
http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/

【ぴあ映画生活サイト】
http://cinema.pia.co.jp/title/s-19933