兵庫県立美術館が2010年度より毎年度開催してきたシリーズ展「注目作家紹介プログラム　チャンネル」。その9回目となる今回は、11月3日（土・祝）より『和田淳「私の沼」』を、兵庫県立美術館ギャラリー棟１階アトリエ１にて開催する。

 

　国内外の映画祭で上演を行い、多くの賞を受賞するなど高い評価を得ているアニメーション作家、和田淳。2002年頃から短編アニメーションの制作を始めた和田は、人や動物などさまざまなキャラクターが繰り広げる、諧謔と不思議さに満ちた作品を制作してきた。繊細な線描と透明感のある色彩による絵が、見る人の身体的リズムに呼応するかのように動き、「静」と「動」を反復しながら、絶妙な「間合い」や「テンポ」によって進行する構成は、視覚のみならず触覚をくすぐるような感覚を喚起する。加えて意表を突く視点と展開も和田作品の大きな特色であり、それらは作家の鋭い観察眼と洞察によって拓かれた独自の世界といえる。

 

　同展では、和田淳の独創性あふれる映像世界を紹介、近年ますます関心を集め、拡がりを見せる領域であるアニメーションの魅力に迫る。