町全体が一つの芸術であり、数世紀にわたり多くの芸術家を生み出した文化都市でもあるヴェネツィアを紹介する展覧会「ボストン美術館 ヴィネツィア展 魅惑の都市500年」が、6月25日(土)より佐川美術館にて開催される。ボストン美術館が所蔵するヴェネツィア美術の名品から、ルネサンスの巨匠・ティツィアーノやヴェロネーゼの作品、モネを代表とする19世紀の印象派の画家たち、そして現代に至るまでの500年に及ぶヴェネツィアの美が堪能できる展覧会だ。

 

　ボストン美術館が設立された19世紀、ボストンには多くのイタリア美術愛好家がおり、ボストンの人々によるヴェネツィアに対する並々ならぬ思いと情熱が、今日までのボストンとヴェネツィアの関係を築き上げ、多くのヴェネツィア美術の名品がボストンの美術館でコレクションされていった。本展では、ボストン美術館所蔵の名品を4つの章に分けて紹介する。

 

　ユニークな地形によって形成された町並みを、18世紀に流行した都市景観画（ヴェドゥータ）などで紹介するとともに、そこに住む人々を描いた肖像画で紹介する第一章から、ルネサンス期に活躍したヴェネツィア派のティツィアーノの作品を中心とした宗教美術、「ヴェネツィア様式」とも言われる独自の美学、異邦人たちが見出したヴェネツィアの魅力をそれぞれ展覧。500年の間、芸術家たちを魅了してきた都市ヴィネツィアの美をめぐる。