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瀬戸内晴美(寂聴)の新聞連載小説
「幻花」のために描いた挿絵を一堂に。

 1974〜75年に新聞連載された瀬戸内晴美(寂聴)による時代小説「幻花」のために、横尾忠則が描いた挿絵や扉絵を集めた「横尾忠則 幻花幻想幻画譚」が、12月12日(土)より横尾忠則現代美術館にて開催。
 
 瀬戸内晴美の時代小説「幻花」に描かれた挿絵は、作者である瀬戸内自身の肖像を登場させたり瀬戸内の文章を丸ごと書き写して挿絵とするなど、ユニークで謎めいた図像と執拗なまでの精緻な線描によって、観る者に鮮烈なインパクトを与えた。横尾が自らの「イラストレーションの総決算」と述べるとおり、画面一つ一つに高い緊張感と強度を備えたこれらの挿絵は、横尾の仕事の中でも特筆すべき存在であるといえる。
 
 さらに横尾は、室町後期を舞台とするこの小説に対して、ストーリーと関係のない現代的なモチーフを描いたり、数回にわたって画面をアニメーションのように徐々に変化させる仕掛けを施したりと、自由な遊び心を随所に散りばめながら、イメージを自在に展開した。時には、瀬戸内の原稿よりも横尾の挿絵の方が先に描かれることもあり、本来、文章に従属するはずの「挿絵」のあり方を超えたこれらの挿絵は、それ自体が独立した一つの世界を形作っているといっても過言ではない。 
 
 本展では、横尾のグラフィック・ワークの最高傑作の一つである「幻花」挿絵の貴重な原画全371点を一堂に展示し、その魅力に迫る。



開館3周年記念展
横尾忠則 幻花幻想幻画譚
▼12月12日(土)〜2016年3月27日(日)
横尾忠則現代美術館
前売一般560円 大学生440円 
当日一般700円 大学生550円 高校生・65歳以上350円  
※10:00~18:00(金・土~20:00)。入場は閉館の30分前まで。高校生以下無料。月曜休(ただし、3/21は開館、3/22休館)、年末年始・メンテナンス休館(12/31~1/15)。※障がいのある方とその介護の方(1名)は各当日料金の半額(65歳以上除く)※割引を受けられる方は、証明できるものをご持参のうえ、会期中美術館窓口で入場券をお買い求めください。
横尾忠則現代美術館
078-855-5607

(2015年11月20日更新)


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