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画業80年を迎える画家・堀文子、
「一所不住・旅」がテーマの回顧展。

 今もなお新しい創作に打ち込み続ける日本画家・堀文子の展覧会「堀文子 一所不住・旅」展が、4月18日(土)より兵庫県立美術館にて開催される。
 
 女性も自立すべきという母親の影響で自由を求めた堀文子は、父親の反対を押し切り、1936(昭和11)年、女子美術専門学校(現/女子美術大学)日本画部に入学。在学中に新美術人協会展初入選を果たした後も、新しい日本画の道を探り受賞を重ねた。美術に自由を求めた堀は、官展からは距離を置き、権威におもねらない姿勢を貫いたため、これまで近現代美術史の流れに位置づけられることはあまりなかったが、その生き方や言葉は、作品の魅力とともに多くの女性たちの憧れを集めている。
 
 本展は、自身の言葉「一所不住・旅」をテーマとし、飽くなき好奇心と探求心で歩んできた足跡に沿いながら、80年に及ぶ画業を回顧。初期の作品から最新作までおよそ130点を展示し、堀文子の芸術そして、人間像に迫るものだ。展示は本格的に絵に取り組みはじめた最初期から、ヨーロッパやメキシコへと渡った60年代、大磯へと移り住み、軽井沢にもアトリエを持つようになった70~80年代、さらに68歳にしてイタリア・トスカーナにアトリエを構えたり、新たな出会いを求め世界中を旅をするなど、歩み続ける彼女を追っていく。そんな中でも変わらないのが自然へのまなざしだ。従来の日本画にはない独自の表現方法で自然への畏敬、生命の感動が描きこまれている。
 
 近年は微生物や身近な昆虫といった新しい画題、切り絵や貼り絵など新しい技法を試み、未知なる感動へと前進を続けている。そのほかにも絵本原画や挿絵、スケッチなど様々な作品から彼女の作品の魅力を映し出す展覧会となっている。
 



「堀文子 一所不住・旅」展
発売中 Pコード:766-635
▼4月18日(土)~6月7日(日) 
兵庫県立美術館 
前売一般1100円 大学生700円
当日一般1300円 大学生900円 
※10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)。入場は閉館の30分前まで。休館日は月曜日(ただし、5/4は開館、5/7は休館)。中学生以下は無料。高校生・65歳以上は前売の取り扱いなし。障がい者の方とその介護者1名は各当日料金の半額(要証明)。
兵庫県立美術館
078-262-0901

(2015年4月 1日更新)


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