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秋田の人々に愛された少女たち。
池田修三の関西初展覧会が開催。

黒目がちな大きな瞳、どこか陰のある少女。この情緒あふれる印象的な絵は、秋田出身の木版画家・池田修三によるもの。その池田修三の関西初となる展覧会「センチメンタルの青い旗」が、9月20日(金)よりHEP HALLにて開催される。
 
池田修三は、秋田県象潟(きさかた)町出身の木版画家。情緒あふれる子どもたちの情景やロマンあふれる作品を多く手がけた人物で、広報「きさかた」の表紙や秋田相互銀行(秋田あけぼの銀行)の通帳やカレンダーなどに使われたその作品は、秋田の人々の日常の中で脈々と愛され続けてきた。多くの秋田の人たちにとって「名前は知らないが絵は見覚えがある」「どの家にも何らかの池田作品がある」といわれるほど、生活の中に自然に佇んでいた作家である。また、本人の意思もあり、作品が非常に安価で多くの人にとって手に取りやすいものだったことも特筆すべき点だ。
 
2004年に82歳で亡くなった池田修三が改めて注目を浴びたのは、2012年に秋田県が発信するフリーマガジン『のんびり』での特集記事。これをきっかけに、大きな関心と反響が寄せられ、同年、池田修三の実家の前にある象潟公会堂という美しい建物で開催された作品展覧『はじまり』には、10日間で2500人もの人々が訪れた。そしてこのたび、約120作品を収録した、没後はじめてとなる作品集の刊行(9月下旬予定)にあわせて、秋田展を上回る規模での展覧会が開催される。
 
なお今回の展示では、若干数だが作品の販売も行われる。作品は、池田修三がただ一人「俺と同じ色が出せるやつがいる」と認めた横浜在住の摺り師、竹芳洞の小林義昭による手摺り。竹芳洞は畦地梅太郎などの木版画家の摺りを手掛けることでも知られ、印刷よりも独特の味わいがある池田修三の版画作品は、ぜひ手にとってみてほしいもの。なお9月22日(金)には、小林義昭を講師に迎えたワークショップや、トークイベント「池田修三ファンの会」なども開催される。
 
 
はじめて関西で開催される池田修三展で、その魅力をぜひ堪能し、秋田の人々に愛された池田作品の中にある物語を、それぞれが感じ取ってほしい。




池田修三展「センチメンタルの青い旗」 
9月20日(金)~10月7日(月) 
11:00~20:00
HEP FIVE
入場無料 会期中無休
06-6366-3636
 
 
関連イベント
 
ワークショップ「木版画の摺りを体験しよう!」
9月22日(日)13:00〜15:00
講師:小林義昭(竹芳洞)
定員20名(初心者の方限定)
参加費 1500円(材料費込) 
申込みは9月7日(土)より
HEP HALL電話予約受付
06-6366-3636(11:00~20:00)
 
 
トークイベント「池田修三ファンの会」
9月22日(日)17:00〜(18:00終了予定)
入場無料 申込み不要
出演:齋藤一樹(象潟郷土資料館 学芸員)
福田利之(イラストレーター)
藤本智士(編集者/本展プロデューサー)
 

(2013年8月 5日更新)


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