沖縄を代表する伝統的な染色技法のひとつである「紅型」(びんがた)。琉球王朝の時代に沖縄で生まれた染めもので、王族など一部の人のみが用いることができた衣裳だ。彩り鮮やかな色彩が特徴で、天然の染料や中国の顔料などによって染められる。そんな、琉球王尚家に伝えられた国宝10点をはじめ、琉球紅型衣裳の優品など245点を展覧する『沖縄復帰40周年記念 紅型 BINGATA 琉球王朝のいろとかたち』展が、9月11日(火)～10月21日(日)大阪市立美術館にて開催される。

 

　衣裳に使われる独特の柄は、日本や中国などとの交易を通して生み出された多彩なモチーフだ。王朝を中心に用いられた紅型も、明治維新後の廃藩置県により王国が崩壊すると、制作の機会も減少し衣裳の多くは沖縄を離れ本土のコレクターや研究者の手に渡った。今回展覧される琉球紅型衣裳の優品245点のうち、洋画家･岡田三郎助による蒐集（松坂屋コレクション58点）は、初公開となる。

 

　沖縄本土復帰40周年にあたり、紅型の様々な色や形、モチーフなどを通して、華やかな琉球染色文化を体感できる貴重な機会だ。