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交通事故で記憶を失ったディジュリドゥ奏者
GOMAが描く"記憶"。地元・大阪で待望の展覧会。

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 オーストラリア先住民アボリジニの木管楽器「ディジュリドゥ」。…といわれてもわからない人もいるだろうが、長い筒状の大きな木の形状と「ヴゥオ~~ヴゥオ~」という独特の音を聞けばピンと来る人も多いだろう。このディジュリドゥの世界的奏者として国内外で活動するアーティストがGOMAだ。彼は2009年11月に首都高速道路にて追突事故に遭ってしまう。その当日は特に目立った外傷がなかったため頸部外傷性症候群(むち打ち症)と診断され帰宅したが、家族との会話が噛み合わず、その後の生活において記憶が断片的であることが発覚し、外傷性脳損傷による高次脳機能障害を発症していたことが判明する。

 自分がディジュリドゥ奏者であることはおろか、何者なのかも分からなくなるという不安な毎日が続く中、GOMAは事故後間もなく、消えた記憶を辿るかのように娘の絵の具と筆を手に、突然緻密な点描画を描き始めた。その当時のことについてGOMAは

 

  「「俺は絵を描くことが仕事なんだ」と思って筆を手にした。心に隙があると恐怖心が襲ってくるのでその恐怖心と不安を乗り越えるために、絵に向かう。何を描くかではなくて、ふっと浮かんだものを描くだけ。なぜほとんど描いたことがなかった絵だったのか、それは今でもわからない。ただ夢中になれるものが欲しかったのかもしれない。絵を描くことによって、すごく救われた自分がいる」。と語っている。

 

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 衝動的に作られたそれらの作品は、プリミティブな輝きと、精緻なタッチ、自由な発想と驚くような色彩感覚で彩られている。昨年夏には東京で初の個展『記憶展』が開催され、連日多くの人が訪れた。今年その続編となる第二章が開催、ついにGOMAの地元・大阪でも8月5日(金)~14日(日)に、福島区のPINE BROOKLYNにて開催される。

 

 その後もリハビリを続ける中、彼は少しずつディジュリドゥ奏者としてのGOMAも取り戻していく。ディジュリドゥという楽器について彼は当初「それが何なのかさえわからなかった」という。そして事故から一ヶ月半が経って初めて口をつけたディジュリドゥからは、あの独特の音が流れ出した。ディジュリドゥというのは独特の演奏法を要する楽器で、何も知らない人が初めて吹いて簡単に音を出せるものではない。つまり、記憶にはなくともGOMAの身体が覚えていたということだ。先日のフジロックフェスティバルにもGoma&The Jungle Rhythm Sectionとして出演し、大勢の観客を感動させ踊らせ見事な復活を遂げた。


 とはいえ、今もなお彼のリハビリは続いている。演奏法は身体が覚えていたとしても、過去の自分の楽曲を改めて覚えるのは大変なことだろう。この絵も描き続けるのかどうかもわからない。ただ、こうして「今を生き抜くこと」を体現するGOMAの作品に、大きな力を感じることができるはずだ。

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 なお6日(土)と7日(日)には、過去10余年のGOMAの歴史をたどった映像作品「密林大陸」の上映に加え、ディジュリドゥ1本のみでのアコースティックライブを行う。残念ながらこのイベントのチケットは既に完売。しかしこの秋からは、ミュージシャンとしてのGOMAの快進撃が始まる。

まず、9月14日にGOMA & The Jungle Rhythm Section名義で復活記念アルバム「I Believed The Future」のリリースが決定! バンドの代表曲を新録したスタジオテイクと、フジロックでの復活に先駆けてシークレット出演した、静岡「頂」フェスティヴァルでの歓喜のライブテイクを収録。ブックレットでは、1年8ヶ月の激闘を記録した写真と日記で、奇跡の復活までの道のりを辿る。また、9月23日(祝)にSTUDIO PARTITA 名村造船所跡地にて開催される「SKATERS NITE 6」に出演が決定している。『記憶展』でのライブに惜しくも参加できない人はこのイベントで、EGO-WRAPPINや高津直由ら地元・大阪の盟友と呼ぶべき多くの出演者とともにGOMAの復活に祝杯をあげよう。

 そして、アルバムリリースに伴う、復活ワンマンLIVEツアー、GOMA & The Jungle Rhythm Section“I Believed The Future”が10月よりスタート!大阪は10月2日(日)鰻谷SUNSUIにて行われる。詳細は下記にて、前売チケット絶賛発売中です!




チケット購入はコチラ! チケット情報はこちら

GOMA & The Jungle Rhythm Section

復活ワンマンLIVEツアー『I Believed The Future』


一般発売8月21日(土) Pコード146-688
▼10月2日(日) 19:00
SUNSUI
前売3300円
 

(2011年8月 4日更新)


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Profile

GOMA

1973年1月21日生まれ。大阪府出身。世界最古の木管楽器ディジュリドゥの可能性を斬新かつ様々な切り口で追い求めるミュージシャン。単身で渡豪したオーストラリアで、数々のコンペティションに参加し入賞。なかでも98年にアボリジニーの聖地アーネムランドにて開催された「バルンガディジュリドゥコンペティション」では準優勝し、ノンアボリジニープレイヤーとしての初受賞という快挙を果たした。帰国後も勢いは止まらず現在までにアルバム7枚シングル1枚をリリース。またバンド名義NIGHT JUNGLEにてアルバム1枚、Goma&The Jungle Rhythm Sectionにてアルバム2枚をリリース。民族楽器奏者としてはもちろん、その手法や魂を失わず、現代のテクノロジーを駆使したサウンドに昇華させている。


EXHIBITION

GOMA「記憶展 ~第二章~」@OSAKA

8月5日(金)~8月14日(日)
PINE BROOKLYN
12:00~21:00 (8/6と8/7はイベントの為12:00~16:00)
主催:Jungle Music
協力:cyo / NOON    

PINE BROOKLYN  
http://pinebrooklyn.com/

JUNGLE MUSIC  
http://www.gomaweb.net


LIVE EVENT

SKATERS NITE 6

発売中 Pコード 145-884

9月23日(金・祝)
STUDIO PARTITA 名村造船所跡地
15:00開演 22:00終演
前売3500円 当日3800円
【出演】
EGO-WRAPPIN'&THE BiKiNi BaNDitS
YOUR SONG IS GOOD
眠眠眠 a.k.a neco眠る
GOMA
SAWAGI
韻踏合組合
日本の宇宙
KING BROTHERS
RISE FROM THE DEAD

DJ's
NAKATANI (CRACKER JACKS)
高津直由 (ex. DETERMINATIONS)

noon■06(6373)4919

チケット情報はこちら