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山田孝之主演、爆笑“福田組ミュージカル”が大阪で開幕!

「はい、全員優勝ー!」と声高らかに、勝利のラッパを吹き鳴らしたくなる。主演の山田孝之“王様”を筆頭に、仕込みかアドリブか、キワキワ路線を攻めるでお馴染みの演出家・福田雄一がタッグを組んだミュージカル『モンティ・パイソンのSPAMALOT』が絶賛、大阪・オリックス劇場で開幕中だ。出演者が全30曲、生オーケストラの演奏で歌い踊る。お気楽なのに見応えたっぷり、聴きごたえ満点な約3時間が楽しめる。
 
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本作は、福田監督が敬愛する『コメディ界のビートルズ』こと、イギリスの人気コメディ・グループ“モンティ・パイソン”の大ヒット映画『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』(1975年公開)を元にミュージカル化したもの。メンバーのエリック・アイドルが脚本・作詞を手掛け、2005年にブロードウェイ初演。奇抜な発想で本場の観客から爆笑をさらい、トニー賞14部門ノミネート、最優秀ミュージカル賞を含む3部門を受賞した、紛れもない名作だ。日本では福田演出で2012年初演、2015年再演を経て、この度キャストを一新し、6年ぶり3度目の上演が実現した。
 
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ヨーロッパの有名な物語『アーサー王と円卓の騎士』をモチーフにした……、あたりですでに瞼が重くなり始めた嬢ちゃん、坊ちゃん、歴史や古典が苦手でも大丈夫。「アーサー王が忠誠を誓った騎士たちと聖杯探しの旅に出る」と、順調に進めば5分程度(は言い過ぎにしても)で終わる単純な物語を約3時間の超大作たらしめる理由は、その大半がコントで構成されているから。しかも通常は台詞の変更が認められにくいブロードウェイ作品にあって、「笑いにこそ文化の違いが出やすい」とお察しのエリック・アイドル様から、アレンジ許可が下りているというから凄い。当然、日本の時事ネタ満載の本作は、言うなれば「福田雄一お笑いショー」。そう断言できるかは、ぜひ劇場で確認してほしい。

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主演の山田孝之はどんな小ネタもイケボと真顔で対応、その頑なさが笑いを誘う。新妻聖子はドーム級の声量で、頓珍漢な歌詞も一大ミュージカルソングに仕立てる凄技を連発。賀来賢人はそろそろ俳優兼芸人としても異論はなさそうなほどの尺を任され、しっかり期待に応える活躍ぶり。安心感では、お笑いコンビ「シソンヌ」の存在が頼もしい。じろうと長谷川忍のテンポ感が物語に弾みを付けるから、何事も「初めまして」な矢本悠馬、小関裕太、三浦宏規らと絡む場面は想像以上に見もの。予測不可能な緊張感が伝わり、違った意味で見応えがある。全編を通し、演者自身が作品を楽しんでいるのが伝わってくる。ライブ感溢れる演出で、笑う楽しさを味わわせてくれる。大阪公演は2月23日(火・祝)までオリックス劇場にて上演中。

取材・文:石橋法子
(C)ミュージカル「モンティ・パイソンのSPAMALOT」製作委員会



(2021年2月19日更新)


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ミュージカル『モンティ・パイソンのSPAMALOT』featuring SPAM(R)

▼2月19日(金)~23日(火・祝)
(金)13:00 (土)12:00/17:00 (日)(火)12:00 (月)18:00
オリックス劇場
S席-14000円 A席-9000円
[脚本・作詞]エリック・アイドル
[上演台本・演出]福田雄一
[出演]山田孝之/賀来賢人/小関裕太/三浦宏規/矢本悠馬/じろう/長谷川忍/新妻聖子/坂元宏旬/高橋卓士/常住富大/広瀬斗史輝/横山敬/横山達夫/井上花菜/植村理乃/小山侑紀/竹内真里/永石千尋/森加織
※未就学児童は入場不可。
[問]キョードーインフォメーション
■0570-200-888


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