三浦翔平、「脳がハッピーになるコメディです!」
画家ピカソと物理学者アインシュタイン。“ふたりの天才”が、もしも20代に出会っていたら――。そんな刺激的な空想を軽妙な会話劇に仕立てた舞台『ピカソとアインシュタイン ~星降る夜の奇跡~』。ピカソとアインシュタインを岡本健一&川平慈英、三浦翔平&村井良大という2組のペアが演じ、一方のペアが主役の回にはもう一方のペアが別の役で出演する。舞台3作目にして初のストレートプレイ、しかもピカソと、謎めいた“未来からの訪問者”の2役に挑む三浦翔平が、会見で意気込みを語った。
公演チラシには川平慈英が考案した「脳がハッピーーーーー!!!になる舞台‼」のキャッチコピーが踊る。三浦も、何とも言えない高揚感のある作品と太鼓判を押す。「タイトルだけ聞くと“難しそう”と思われる方もいらっしゃいますが、脚本を書いたのが(ハリウッド俳優でコメディアンの)スティーヴ・マーティンなので、面白くないわけがない。ジェットコースターのように物語が進み、気付いたら終わってる。何も考えずに観られるというか。例えるなら、“あー、美味しかった!”みたいな。脳がハッピーになるコメディです(笑)」。
舞台は1904年のパリ。バー「ラパン・アジール」では日夜、芸術家らが熱い議論を交わしていた。物理学者を目指す青年アインシュタイン、美しい娘シュザンヌ、画商サゴ、発明家シュメンディマン、そして画家ピカソ。ある日、もうひとりの若き天才“未来からの訪問者”が店に現れたことで、物語が大きく展開する。現実では1904年から3年後にアインシュタインが相対性理論を、ピカソが大作『アヴィニョンの娘たち』を発表している。
「僕が演じるのは、あと少しで思った通りの絵が描ける寸前のピカソ。いわゆる“青の時代”で、ピカソとしてはアイデアは頭の中にあるので『俺天才だけど知らないの?』。でも世の中的にはマティスの方が有名。そんな彼が様々な出会いを通して殻を破っていく。終盤に迎える薔薇色の時代まで、荒々しくもがいてイラついて、絵を描く以外は酒か女に溺れている。パッションがすごくて。その目まぐるしさを演じるのが難しくもあり、楽しくもあります」。
年始には現存するラパン・アジールを訪ねるなど、現地を旅したことでピカソへの愛着が一層増したという。岡本ペアとの違いを聞くと、「僕らは序盤からの熱量がすごい」と闘志を燃やす。「台詞も動きも道筋は同じなのに、決して同じ表現にはならないのが面白い。岡本さんたちもエネルギッシュですが、どっしりとしたベテラン感がすごい(笑)。実際2役を演じる上で学ぶことも多いですし、良いと思った部分は盗ませていただいています。あと、川平さんと村井くんが演じる発明家シュメンディマンがちょっとズルい役なので。ぜひ両方を見比べに来てほしいですね」。公演は5月12日(日)大阪・森ノ宮ピロティホールにて全2回上演。チケット発売中。
取材・文:石橋法子
(2019年4月24日更新)
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