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トレエン斎藤&ジャンポケ斉藤
『レ・ミゼラブル』オーディション秘話から
ミュージカル愛までを語る

今年、ミュージカルの金字塔『レ・ミゼラブル』にテナルディエ役で出演するトレンディエンジェルの斎藤司。実は同じオーディションを受けていた(!)という、ジャングルポケット斉藤慎二。ともに吉本所属の人気芸人ながら、ミュージカルからお呼びがかかるのはなぜなのか。ふたりはどんな思いで、ミュージカルに挑戦するのか。「Wサイトーさん」に、ミュージカルの魅力、お笑いの魅力をたっぷり語ってもらった。

ミュージカルとのそれぞれの出会い

 
―― 本題に入る前に、おふたりの関係性を確認させてください。同じ苗字ということで、NSC(吉本総合芸能学院)時代から意識し合っていた、というようなことはありますか?
 
トレンディエンジェル・斎藤司(以下、司)「そうですね。僕のほうが2年先輩なんですけど、とんでもない奴が入って来たなと。最初は忘れもしない、松山千春さんのモノマネを目の当たりにしまして」
 
ジャングルポケット・斉藤慎二(以下、慎二)「♪果て~しない~」
 
「そうそうそう(笑)。今時こんなやり尽くされたモノマネをこんな全力でする奴がいるのか!ってちょっともう、膝から崩れ落ちました(笑)」
 
慎二「はっはっは! 僕のほうも、最初からとんでもなく面白い人だと思ってました。テレビに出させていただくようになったのは変な話、僕らのほうが先だったりしたんですけど、トレンディさんは舞台で必ず大爆笑を取ってたんで、売れちゃうんだろうなと」
 
「いやいや。僕は慎二のこと、僕なんかより全然面白い人だと思ってたから、慎二に「面白い」って言われるとイジられてるような気がいつもしてて(笑)」
 
慎二「よく言ってましたよね。僕が褒めると「バカにしてるのか」みたいに怒ってきた(笑)」
 
「そうそう(笑)。一見ふざけてるようで、根が真面目で向上心があることも分かってました。そんな慎二に認められたい気持ちで頑張れた時もありましたね」

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―― お互いに意識し合っていたふたりが、こうして同じミュージカルの同じ役...『レ・ミゼラブル』テナルディエ役のオーディションを受けたってすごいですね。ちなみに、おふたりのミュージカルとの出会いは?
 
慎二「僕は「めちゃイケ」です。演劇の短大(桐朋学園芸術短期大学)に行ってた頃、岡村隆史さんが『ライオンキング』出演を目指して劇団四季で本気で稽古するって企画があって、それにはシンバ役だった坂元健児さんも出てて。すごい世界だな、舞台も観てみたいなと思って、バルコニー席のチケットを買ってひとりで行きました」
 
「へえ~、ひとりで行くってすごい行動力だね」
 
慎二「まあ、あんまり友達もいなかったんで(笑)。でも学校にはミュージカル唱法の授業とかもあったし、周りにはミュージカル好きな人がいっぱいいたから、僕も同期と『夢醒め(夢から醒めた夢)』を上演したりもしたんですよ。斎藤さんは、出会いは?」
 
「子どもの頃、母親に『キャッツ』に連れてってもらったのが最初なんですけど、僕その時、誘拐されそうになったんですよ。行く途中にトイレに寄ったら知らないおじさんに声かけられて、間一髪のところでお母さんに助けられて。それ以来ちょっと、ミュージカルと誘拐のイメージが結びついちゃって、怖くて行けなかったんです(笑)」
 
慎二「ははは! 確かにそれはもう行けないですね(笑)」
 
「そう(笑)。芸人になってから、歌が得意だったからミュージカルのネタをやったりすることはあって、ちょこちょこ観に行ったりもしたんですけど、ぶっちゃけそこまで熱を感じたことはなくて。ましてや自分が出るものとは全く、全く思ってなかったです。だから本当、ジャニーズとかを見てるのと同じ感覚ですよね。こういう世界があるんだ、みたいな」
 
慎二「いや僕も、出るものとは思ってなかったですよ。前に「ハモネプ」にミュージカル界の皆さんと一緒に"ガンバルジャンチーム"として出たことがあるんですけど(2013年)、僕はちょっと空気を緩和する役割というか、お笑いの要素を入れてほしいってことで呼ばれてたんです。でも始まってみたら、マルシアさんのしごきに遭いまして(笑)。その時、みんなでひとつのものを作るってそういうことなんだ、ガチでやらないと失礼なんだって気付いたんです」
 
「すごいメンバーの中に入ってたもんね」
※ほかに城田優、田代万里生、加藤清史郎など...。
 
慎二「はい僕、笹本玲奈さんに恋しましたから。めちゃくちゃ好きになっちゃって、抱きしめたい!と思いました。ずっと言ってたから、あっちは怖かったかもしれないです(笑)」



情報交換しながら臨んだ『レ・ミゼラブル』オーディション

 
――『レ・ミゼラブル』のオーディションは、受けてみないかというお話が行って受けられたと聞いています。お話が来た時は、どんなお気持ちだったのでしょうか。
 
慎二「お話をいただいた時、斎藤さんにも話が行ってますっていうのを聞いて。僕としては、斎藤さんは受けるだろうなと思いました。芸人にはそれぞれ、「MCをやりたい」とか「ゴールデンの番組がやりたい」とかの目標があると思うんですけど、斎藤さんは常に「スターになりたい」って言ってた人なんで(笑)」
 
「そうなんです、何でもいいからスターに(笑)。ピースの綾部さんと持ってるものが一緒なんですよ(笑)。僕は慎二こそ受けるだろう、それに受かるだろうと思いましたね。日頃からコントをやってて、表現力がすごいし声もデカいから。でも僕も一応チャレンジで、歌のうまさで勝負するだけしてみようっていう、本当もう謙虚な気持ちで受けることにして」
 
慎二「斎藤さんのそういうとこ、本当いいですよね。謙虚と言いつつ、歌うまいって自分で言っちゃうところが潔くて大好き(笑)」
 
「いやだって、それしかないから。芝居は経験がなくて、ドラマには一応出たことあるけど僕、視聴率4%を叩き出した男なんで(笑)。歌のうまさで戦うしかなかったんですよ」
 
慎二「気持ちがいいなあ(笑)! 僕はただ、お話をいただけたことがありがたくて、ミュージカルが好きというガムシャラな気持ちだけで受けた感じですね。レミゼは当然観てましたから、テナルディエ役は少し自分に合ってるのかな、もしかしたら...というのもありました」
 
 
―― オーディションの様子、ぜひ詳しく教えてください。
 
「まずはレッスンを受けたんですけど、ふたりで同じ先生について、同じタイミングで受けてました。慎二が終わったあとに僕、みたいな感じだったんで、情報交換とかもしながら」
 
慎二「そうでしたね。レッスンでは結構厳しいことも言われたんですけど、それが逆にありがたかったです」
 
「それで何回かレッスンをしたあと、クリス・(キー/演出補)さんと何人かの前で歌うオーディションを受けて」
 
慎二「僕は誰がいたかも覚えてないです、もう頭、真っ白だったから(笑)」
 
「確かに、あの人数のオーディションはお笑いではないよね。歌ったのは、『宿屋(の主の歌)』と『下水道』の2曲」
 
慎二「1回ずつ歌って終わりかと思ったら、結構な時間をかけて何回も歌いましたよね、「次はこういうふうにしてくれ」みたいな感じで。でも僕は、その1回でもうダメでした」
 
「僕は多分、もう1回呼ばれて行ったのかな...」
 
慎二「斎藤さん、僕に気を使ってか、そのあたりから話を濁すようになりましたよね(笑)。結果を聞いても「いや、まだみたい...」みたいな(笑)」
 
「いやそれは(笑)、やっぱり慎二の熱を知ってたから。そんな別に、めちゃくちゃ気を使ってたわけじゃないですけど、自分から言うのはアレだなっていうのはありました(笑)」

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髪の毛と引き換えに役をゲット?

 
――レミゼのオーディションは、おっしゃったようにじっくり見てくれるから実力を出し切ることができて、落ちても悔いは残らない、という話をよく耳にします。
 
慎二「そうですね、僕ももちろん悔しかったですけど、そんなに落ち込んだりはしなかったです。ただね、相方のおたけが「斉藤さん(慎二)のほうが熱あるのに、斎藤さん(司)のほうが受かっちゃうなんてね!」とかめちゃくちゃバカにしてくるのにはムカついてましたけど(笑)。なんでコイツに言われなきゃいけないんだ!つって(笑)」
 
「アイツそんなこと言って来たの(笑)?」
 
慎二「ほんっとにクソ野郎ですよ(笑)」
 
「僕は慎二のほうが、テナルディエには絶対ハマってると思ったんですよ、客観的に見て。キャラクターの説明を受けたりした時も、「ああそれ慎二っぽいな」ってすごい思ってたし。だから僕は、実際にオーディションで歌うところを見たわけじゃないですけど、一緒にライブでハモったりしたことはあるんで、慎二がダメだったところは多分1個だけで...なんかその、やっぱまあ音程を取るのが、あんまり得意じゃないのかなって」
 
慎二「そんなに言いづらそうにしなくても(笑)。確かに、音を取るのは苦手です」
 
「本当に多分、そこだけだと思うんです。それ以外は絶対もう、慎二のほうが上だと僕は思ってるので。でも歌は僕のほうがうまいです、やっぱ」
 
慎二「ははははは! また僕の大好きな斎藤さんが出ました。でまた、こんだけ言ってる斎藤さんがちゃんとハゲてるってことが最高に可愛いですよね(笑)」
 
「そうそう、ハゲてるんだから、ちょっとくらい自慢してもいいですよね(笑)? 色々ほら、大変な思いもしてきたんで」
 
慎二「昔は僕も薄くて、"がっつりハゲてる斎藤さん" と "ちょっぴりハゲてる斉藤さん" で僕たち、GHSとCHSって呼ばれてたんです(笑)。でも僕が、どんどん薄くなってるのが不安で薬をもらいに行ったら、本当に生えてきたんですよ。その時に先生から、「身近に困ってる芸人さんいたら助けてあげたいので紹介してください」って言われたから斎藤さんを紹介しようと思ったら、先生が画像を検索して「...無理ですね~!」って(笑)」
 
「はははは!やっぱり、がっつりまで行っちゃってるとね(笑)。だからまあまあ、髪の毛と引き換えにね、テナルディエ役をゲットしたっていうか」
 
慎二「はっはっは! じゃあまあ、そういうことで(笑)」
 
 
―― そういうことで(笑)。オーディション後の心境を、周りからの反響を含めてお聞かせいただけますか?
 
「やっぱり怖かったですよ。発表された時、まあネットとかちょっと見るじゃないですか。そしたらなんかその、この人が入ったせいで誰かが落ちたとしたら、本気でやってる人がかわいそうみたいな意見もあって。その気持ちは僕も分かるだけに、怖いですけど、納得してもらえるように頑張るしかないと思いました」
 
慎二「でも斎藤さん、怖いからって物怖じするタイプの人ではないですよね。漫才とかでもアドリブをバンバン入れて新しいことしようって人だから、その感じはアウェイな場所に行っても変わらないと思う。だってやっぱり、スターになる人だから(笑)」
 
「そうですね、スターに(笑)。今はちょっと正直、周りの顔色を窺って稽古場でも真面目にやってるんですけど(笑)、そろそろ崩し始めようかなとは思ってます」
 
慎二「スターへの道、どんどん駆け上がってほしいです(笑)。多分これから、斎藤さんにはミュージカルの仕事がバンバン来ると思いますよ。そうなると、たかしがどんどん置いてかれるのが心配ですけど(笑)」
 
「大丈夫です、たかしはこの前、「われめDEポン」(麻雀番組)で優勝してたんで(笑)」
 
慎二「アイツ何やってんだ(笑)。僕は、今はジャングルポケットとしての活動が楽しい時期。でもこれから3人で頑張って、もっと活躍できるようになった時にまたチャンスが来たら、ミュージカルにも挑戦したいとは思ってます。チャンスがもらえるって、本当にありがたいことですからね。この間の映画の仕事(「君は月夜に光り輝く」)も、自分的にはとても刺激的でした。まあ、ひとり遊園地を楽しむ変なおじさんの役だったんですけども(笑)」
 
「ハマり役だね(笑)」



ミュージカル界が芸人を求めるワケ

 
―― おふたりのような芸人さんに、ミュージカルのオファーが行くのはなぜだと思われますか? お笑いとミュージカルには、何か親和性があるのでしょうか。
 
「なんでなんでしょうね。お稽古中に昔の話とかを色々聞いてると、レミゼにもチケットが売れなくて苦戦した時があったみたいなことをおっしゃってる人がいて。最初はそういう役割を期待されてるのかなと思ったし、マネージャーから「斎藤さんの回、結構売れてますよ」って言われた時はちょっと嬉しかったんですけど、よく見たら売れてるの、ほとんど生ちゃん(生田絵梨花)と一緒の回だったんですよ(笑)」
 
慎二「ははははは! でも今ではもう、どのキャストの回も売り切れみたいですよね。それはレミゼっていう作品の力で、それくらいすでに大成功してる作品。僕はこれ、オーディションの話が来た時から思ってたんですけど、それなのにそこに留まらないで、違うジャンルから人を入れて化学反応みたいなのを起こそうとしてるところがすごいなと思います」
 
「確かに。芸人を入れてみたらどうなるか、っていうテストなのかもしれないですね。お笑いは演劇と違って、マイク一本あればひとりでもできる仕事だから、多才な人は多いし」
 
慎二「あとよく俳優の方から聞くのは、芸人は何をするか分からないところに面白みがあるって。新鮮さとか刺激を期待されてるのもあるかもしれないです」
 
 
―― なるほど。でも実際、芸人さんには歌や芝居のお上手な方が多い印象があります。NSCでは歌やダンスのレッスンもあるそうですが、それが関係しているということは?
 
慎二「あれは何の意味もないですよ(笑)」
 
「ないですね、はい(笑)」
 
慎二「授業料さえ払えば、途中で辞めようが何しようが誰も止めない学校ですから(笑)」
 
「でもその入りやすさのおかげで、自然と多様化するっていうのはあるかもしれないですね。例えば僕も、本当はジャニーズに入りたかったけど入り方が分かんなかったから、ちょっと落としてとりあえずNSCに入ったんですよ」
 
慎二「だいぶ落としちゃったけど(笑)、うん」
 
「間口が広いから、歌はうまいんだけど顔が悪いとか(笑)、色んな才能を持った奴が集まってくる。そういう中で刺激を受けて、違う道を考える人も出てくるのかなって」
 
慎二「それはありますよね。僕は同期に渡辺直美という化け物がいて、最初はライバルだと思ってたんですよ。アイツのスタッフへの態度が悪いみたいな話を聞いて、「売れるとそうなっちまうのか!」「アンタに何が分かんのよ!」みたいにもう、泣きながら大ゲンカしたこともあるくらいで(笑)。でもそんな奴が海外でも大成功を収めたりし出して、それを見てると、じゃあ自分には何ができるだろうって考えに変わっていくんですよね」
 
「そうそう。僕もだって、ひな壇芸人としてはフジモンさん(藤本敏史)に勝てないですもん。だったらやっぱ、自分が勝てる場所で頑張らないと」
 
慎二「今はユーチューバーを目指してる芸人とかもいますけど、何かのきっかけで全然違うジャンルに巡り合って興味を持って、それが仕事になっていくって素敵なことですよね。それは別のジャンルを軽く見てるってことじゃなくて、挑戦できることにはしたいって気持ちでみんな頑張ってるんだって、皆さんにも分かってもらえたらいいなと思います」

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テレビでは分からない、ナマのお笑いの魅力

 
―― おふたりをきっかけにミュージカルに興味を持つお笑いファンの方がいる一方で、逆もまた多いことと思います。ただやはり、ミュージカルファンにとってお笑いライブというのは若干敷居が高いもので...。
 
「え、マジですか? 全然高くないですよ」
 
慎二「めちゃくちゃ低いですよね(笑)。ルミネ(theよしもと)だったら、今は千鳥さん、和牛さん、ミキとかが出るとチケットすぐ売れちゃいますけど、そうじゃなければ普通に当日券で入れますし。こう言っちゃナンですけど(笑)、メンバーが弱い時なら全然」
 
「弱い時とか、渋い時とかね(笑)。ミュージカルもそうだと思いますけど、お笑いもやっぱり生で見ると全然違いますから、ぜひ体験してほしいです」
 
慎二「ライブではテレビで披露してないネタが見られますし、テレビとは全然スタイルが違う芸人さんもいるんですよ。僕らも地方だと、漫才やったりもしますしね。おたけがめちゃくちゃ下手クソなんで、ウケないこともありますけど(笑)」
 
「いや、それは言わなくていいやん(笑)。あとテレビと違うのは、やっぱり"間"。テレビは編集されて、ギュッとされてたりする時があるんで、生きた間じゃなくなってるんですよね。より分かりやすくするためにやってることで、それはそれで編集側の腕なんですけど」
 
慎二「あと、舞台は自由ですよね。お客さんを巻き込んだりイジったりもできますし」
 
「そうそう、それがミュージカルとの違いで、僕が怖いなって思ってるところなんですけど。漫才だったら、例えば噛んでも止まったりイジったりできますけど、ミュージカルは止まれないし、ハプニング要らないじゃないですか(笑)」
 
慎二「確かに。そう考えると、お笑いの場合はハプニングも見どころですね」

 
―― では最後に、ミュージカルファンの方の "初お笑い"、また逆にお笑いファンの方の "初ミュージカル" にオススメの公演を教えてください。
 
「"初お笑い" は、やっぱりルミネ(the よしもと)じゃないですか? 普通にレギュラー公演をさらっと見ていただければ、誰かしらは面白いので。全員スベるってことはないんで、絶対に(笑)」
 
慎二「そうそう、半分面白くなくても半分は面白いんで(笑)」
 
「基本的には、8割くらいは面白いと思いますよ。そこはお笑いライブの武器というか最後の砦というか、つまらないと思う人が出てきても10分我慢すれば済むんで(笑)。だっていますもん、僕らの時だけ一番前で携帯いじってる人とか」
 
慎二「俺らの時、急に弁当食べ出したりとかね。笑う気ないだろ、笑ったら全部吐いちゃうだろつって(笑)。何組も出てるお笑いライブがいいのは、誰か目的で行ったとしても、そこでまだテレビに出てない若手とかに出会って、その人からまた広げていけるところで。そこは多分、ミュージカルと一緒じゃないですかね」
 
「なるほどね。ミュージカルとお笑いには、やっぱり親和性があるんだ」
 
慎二「だと思いますよ。あと僕のもうひとつのオススメは、吉本新喜劇。小藪(千豊)さんの「プロフェッショナル(仕事の流儀)」を見た影響もあると思うんですけど、本気で入ってみたいなって最近思ってるんです。ベタだから分かりやすいし、家族で行ってもみんな笑えるし、お客さんが絶対に満足して帰るのが新喜劇。本当、行く価値のある舞台だと思います」
 
「確かに、新喜劇はまあ~スベらないですね。今年は60周年記念ツアーもあるから、僕としても観てもらいたいです。じゃあ、"初ミュージカル" のほうは?」
 
慎二「やっぱりディズニー作品がいいかなあと思いますね。僕がコンサート版に出させていただいた『リトル・マーメイド』なんかは、僕自身が観れば観るほどハマっていったので特にオススメです。でも何だかんだ言っても、一番はやっぱり斎藤さんの『レ・ミゼラブル』ですよ。僕は一番前で観たいです。斎藤さんのオススメも、もちろんそうですよね?」
 
「うんまあ、僕がちゃんと知ってるのはレミゼだけなんで(笑)。でも本当、僕は出演が決まってから番組で行ったロンドンで観たのが初めてだったんですけど、鳥肌が立ったんですよ。一番グッときたのは、ジャン・バルジャンのソロでプロローグが終わって、♪テレレレテレレレ~って『一日の終わりに』が始まるところ。当然『オン・マイ・オウン』なんかも最高でしたし、初心者が観ても間違いなく面白いミュージカルだと思います」
 
慎二「(両腕をさすっている司を見て)今も思い出して鳥肌立っちゃってますからね(笑)」
 
「そうそう(笑)。本当に素晴らしい作品だから、僕も頑張らないといけないですね」
 
慎二「楽しみです。斎藤さんをきっかけに、ミュージカルの世界で活躍する芸人は、今後も出てくるんじゃないですかね」
 
「だと思います。僕はそのためにも、まずはしっかりしたベースを作らなきゃダメだなっていう責任を感じてて。同じ時期にオーディションに受かった吉本坂46の活動がおそろかになってるくらい(笑)、今はこっちを本気でやってます。僕のあとにも多分、とんでもない奴が控えてるんで、ミュージカル界の皆さんは覚悟しててください!」

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取材・文:町田麻子
撮影:平野祥恵(ぴあ)



(2019年3月20日更新)


Check

ミュージカル『レ・ミゼラブル』

【東京公演】
▼4月15日(月)~18日(木) ※プレビュー公演
▼4月19日(金)~5月28日(火)
帝国劇場

【愛知公演】
▼6月7日(金)~25日(火)
御園座

Pick Up!!

【大阪公演】

3月23日(土)一般発売
Pコード:490-163
※発売初日は店頭での直接販売および特別電話■0570(02)9510(10:00~18:00)、通常電話■0570(02)9999にて予約受付。7/9(火)13:00公演のA席・B席は取り扱いなし。

▼7月3日(水) 18:00
▼7月4日(木) 13:00/18:00
▼7月5日(金) 13:00
▼7月6日(土) 12:00/17:00
▼7月7日(日) 12:00/17:00
▼7月9日(火) 13:00/18:00
▼7月10日(水) 13:00/18:00
▼7月11日(木) 12:00
▼7月12日(金) 18:00
▼7月13日(土) 12:00/17:00
▼7月14日(日) 12:00
▼7月15日(月・祝) 12:00/17:00
▼7月17日(水) 13:00/18:00
▼7月18日(木) 13:00/18:00
▼7月19日(金) 13:00
▼7月20日(土) 12:00

梅田芸術劇場メインホール

S席-14000円 A席-9500円 B席-5500円

[作]アラン・ブーブリル&クロード=ミッシェル・シェーンベルク
[原案・原作]ヴィクトル・ユゴー
[作詞]ハーバート・クレッツマー
[演出]ローレンス・コナー/ジェームズ・パウエル
[出演]福井晶一、吉原光夫、佐藤隆紀(トリプルキャスト)/川口竜也、上原理生、伊礼彼方(トリプルキャスト)/知念里奈、濱田めぐみ、二宮愛(トリプルキャスト)/昆夏美、唯月ふうか、屋比久知奈(トリプルキャスト)/海宝直人、内藤大希、三浦宏規(トリプルキャスト)/生田絵梨花、小南満佑子、熊谷彩春(トリプルキャスト)/駒田一、橋本じゅん、KENTARO、斎藤司(クワトロキャスト)/森公美子、鈴木ほのか、朴路美(トリプルキャスト)/相葉裕樹、上山竜治、小野田龍之介(トリプルキャスト)/他

※未就学児童は入場不可。一部トリプルキャスト・クワトロキャストあり。

[問]梅田芸術劇場■06-6377-3800

3/21(木・祝)10:00より大阪公演の
一般発売直前プリセール受付開始!

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【福岡公演】
▼7月29日(月)~8月26日(月)
博多座

【北海道公演】
▼9月10日(火)~9月17日(火)
札幌文化芸術劇場hitaru


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