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昆夏美、「もう妹ではいられない」新生エポニーヌに挑む

日本初演から30余年を迎えたミュージカルの金字塔『レ・ミゼラブル』が全国5都市で上演される。「革命と正義」「誇りと尊厳」などさまざまなエッセンスに彩られた19世紀フランスが舞台の群像劇。罪人から真っ当な人間へと改心を試みるジャン・バルジャンを主軸にさまざまな人間ドラマが描かれる。本作で革命家の青年マリウスに恋する貧困層の娘エポニーヌをトリプルキャストで演じるのが昆夏美だ。新演出版となった2013年から今回で4度目の出演となる。
 
「この作品の魅力だと思うんですけど、やればやるほど新たな発見が毎回あって。決してゴールはないんだなと思っています」。例えば楽曲を前回とはまったく違う気持ちで歌ってみるなど、いろんな角度から作品を深めている。「演出家からの指示も、前回と同じようにとはならないので。私も役への固定概念を捨てて、お客様の中にも革命が起こるぐらい柔軟に演じられたらと思います」。

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前回の2017年公演では、『恵みの雨』でそれまでにない幸福感を感じたという。政府軍との銃撃戦の最中、マリウスの腕の中で歌うエポニーヌ最期の曲だ。「現実を分かっていながらもひとりでマリウスとの空想にふけるのが『オン・マイ・オウン』だと思いますし、自分が夢見ていたことが最後に手に入るなんて想像もしていなかった。切なくて深い場面だなと。エポニーヌにとって幸せの頂点にある歌だと思います」。演出家からは毎回「悲劇のヒロインにはならないで」との指示が飛ぶ。「特に『オン・マイ・オウン』は音楽も感傷的ですし、もしかしたらお客様はそういう部分を期待されているのかなとも思うのですが、絶対に自分を憐れんではいけない。エポニーヌを演じる上で一番重要なことです」。
 
ミュージカル女優を夢見た中高生時代、「木の役でもいいからあれば出演したい」とこいねがった本作に、デビュー2年目で初出演を果たした。「当時は年齢的にもキャリア的にも一番下だったので、『妹みたいなエポニーヌが新鮮でした』というお手紙をいただいたときは嬉しかった」。時が経ち、今回6人いるエポニーヌとコゼットの中では最年長だ。「もう妹みたいには演じられない(笑)。自分で積み重ねてきたものや、新たなエポニーヌたちに気付かされることもたくさんあると思うのでワクワクしています」。

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改めて、本作の魅力とは?「ジャン・バルジャン、ジャベールなど誰の視点で観るかで感想も変わりますし、複数キャストによる個性の変化も感じられる。その中に愛や許し、いろんなメッセージがあるので。歴史あるミュージカルで明日への活力を養っていただければと思います」。
 
公演は4月15日(月)よりプレビュー公演の後、4月19日(金)に東京・帝国劇場で開幕。6月に愛知・御園座、7月に大阪・梅田芸術劇場メインホール、7月末から8月に福岡・博多座、9月に北海道・札幌文化芸術劇場hitaruで上演される。大阪公演のチケットは3月23日(土)一般発売開始。

取材・文:石橋法子
撮影:森好弘



(2019年3月 6日更新)


Check

ミュージカル『レ・ミゼラブル』

【東京公演】
▼4月15日(月)~18日(木) ※プレビュー公演
▼4月19日(金)~5月28日(火)
帝国劇場

【愛知公演】
▼6月7日(金)~25日(火)
御園座

Pick Up!!

【大阪公演】

3月23日(土)一般発売
Pコード:490-163
※発売初日は店頭での直接販売および特別電話■0570(02)9510(10:00~18:00)、通常電話■0570(02)9999にて予約受付。7/9(火)13:00公演のA席・B席は取り扱いなし。

▼7月3日(水) 18:00
▼7月4日(木) 13:00/18:00
▼7月5日(金) 13:00
▼7月6日(土) 12:00/17:00
▼7月7日(日) 12:00/17:00
▼7月9日(火) 13:00/18:00
▼7月10日(水) 13:00/18:00
▼7月11日(木) 12:00
▼7月12日(金) 18:00
▼7月13日(土) 12:00/17:00
▼7月14日(日) 12:00
▼7月15日(月・祝) 12:00/17:00
▼7月17日(水) 13:00/18:00
▼7月18日(木) 13:00/18:00
▼7月19日(金) 13:00
▼7月20日(土) 12:00

梅田芸術劇場メインホール

S席-14000円 A席-9500円 B席-5500円

[作]アラン・ブーブリル&クロード=ミッシェル・シェーンベルク
[原案・原作]ヴィクトル・ユゴー
[作詞]ハーバート・クレッツマー
[演出]ローレンス・コナー/ジェームズ・パウエル
[出演]福井晶一、吉原光夫、佐藤隆紀(トリプルキャスト)/川口竜也、上原理生、伊礼彼方(トリプルキャスト)/知念里奈、濱田めぐみ、二宮愛(トリプルキャスト)/昆夏美、唯月ふうか、屋比久知奈(トリプルキャスト)/海宝直人、内藤大希、三浦宏規(トリプルキャスト)/生田絵梨花、小南満佑子、熊谷彩春(トリプルキャスト)/駒田一、橋本じゅん、KENTARO、斎藤司(クワトロキャスト)/森公美子、鈴木ほのか、朴路美(トリプルキャスト)/相葉裕樹、上山竜治、小野田龍之介(トリプルキャスト)/他

※未就学児童は入場不可。一部トリプルキャスト・クワトロキャストあり。

[問]梅田芸術劇場■06-6377-3800

【福岡公演】
▼7月29日(月)~8月26日(月)
博多座

【北海道公演】
▼9月10日(火)~9月17日(火)
札幌文化芸術劇場hitaru

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