インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > 元雪組トップスター早霧せいな、恋するキャリアウーマンに! 主演ミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』開幕

元雪組トップスター早霧せいな、恋するキャリアウーマンに!
主演ミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』開幕

元宝塚歌劇団雪組トップスター、早霧せいなの退団後初となる主演ミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』が5月19日、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで開幕した。恋か仕事か…。いつの世も男女を悩ます命題を、とびきりハッピーで勢いのある楽曲と共に綴る。1981年に米ブロードウェーで初演、トニー賞4冠に輝いた傑作ラブ・コメディーだ。脚本は『タイタニック』のピーター・ストーン、作曲・作詞は『キャバレー』『シカゴ』のジョン・カンダー&フレッド・エッブ、日本版の上演台本・演出・訳詞を板垣恭一が務める。

womanoftheyear2.jpg
その年に最も輝いた女性に贈られる賞「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」を受賞した人気ニュースキャスターの主人公テス・ハーディング(早霧せいな)。しかし、テスの心は晴れない。なぜなら、授賞式直前に新婚の夫サム・クレッグ(相葉裕樹)と口論を繰り広げたから。「私のこと憎めばいい」と憤るものの……。自分の名前をコールされ、喝采と栄光の舞台へとひとり突き進むテス。その背を見送りながら、物語はテスとサムが出会った8か月前へと遡る。

womanoftheyear3.jpg
時代を動かすキャリアウーマンと、社会を斜めに読む風刺漫画家の男。そんな住む世界が違う、言わばロミオ&ジュリエット的な逆境型の恋愛模様が主軸なだけに、電撃的な一目惚れに始まる“憧れのシチュエーション”がてんこ盛り。かと思えば、じつは離婚歴があるふたり。「女だけど男」なんてナンバーがあるほど男勝りな早霧テスは、「男なんて金輪際いらない」とケンカでの捨て台詞にも説得力がこもる。一方の相葉サムは「一人寝の夜にも慣れたけど…」とソロ曲『戻らない時間』で自嘲気味にケンカ後の虚しさを吐露したり。ファンタジーとリアルさの甘辛加減が絶妙で。現実の厳しさを知りつつも、どこか漫画のようなハッピーエンドも諦めきれない。そんな大人心の隙を付いてくる、味わい深いロマンチック劇に仕上がっている。

womanoftheyear4.jpg
泣いて笑って猪突猛進なヒロインを表情豊かに好演し、魅力全開の早霧せいな。男役で培った技も存分に生かしつつ、話が進むにつれてどんどん可愛く見えてくるのも持ち前の美貌と演技力があればこそ。夫役の相葉裕樹は弱さと優しさをフル稼働し“2度目の恋”に向き合う男心を繊細に演じる。『レ・ミゼラブル』などの大作で鍛えた伸びのある歌声でも聴かせた。共演者も手練れ揃い。序盤から女子力高めなニュースキャスター役で、キレのある笑いを量産する原田優一。敏腕秘書役の今井朋彦は、その苛立ちが相葉サムへの嫉妬心からなのかも気になるところ。含みを持たせた表情で煙に巻きつつ、春風ひとみ演じる辛口家政婦役とのデュエット『こりゃダメだ』では、リズミカルな歌声を響かせる。また、樹里咲穂演じる専業主婦が早霧テスとの掛け合いで歌う『となりの芝は青い』も共感を呼びそうなナンバーだ。さらに恋の指南役、異国のバレエダンサー役には本業もバレエダンサーの宮尾俊太郎。ダンサーとしての技術や容姿は完璧なのにカタコトという設定がハマり、自他ともに認めるユーモア精神を遺憾なく発揮している。

womanoftheyear5.jpg
大阪公演は5月27日(日)まで。東京公演は6月1日(金)から10日(日)までTBS赤坂ACTシアターにて上演。チケットは発売中。

取材・文:石橋法子
撮影:森好弘



(2018年5月21日更新)


Check

ミュージカル
『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:482-658

▼上演中~5月27日(日)

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

全席指定-12500円
注釈付指定席-12500円
全席指定/写真付-12500円
U-25当日引換券-5000円(25歳以下)

[劇作・脚本]ピーター・ストーン
[作曲]ジョン・カンダー
[作詞]フレッド・エッブ
[演出・作詞]板垣恭一(上演台本)
[音楽]玉麻尚一(音楽監督)
[出演]早霧せいな/相葉裕樹/今井朋彦/春風ひとみ/原田優一/樹里咲穂/宮尾俊太郎(Kバレエ カンパニー)/他

※未就学児童は入場不可。出演予定の藤田光之は体調不良によりやむなく降板いたします。これによる払戻しはございませんのでご了承下さいませ。
※チケットは、インターネット、店頭にて販売。電話での受付はなし。対象公演はお申込み画面にてご確認下さい。U-25当日引換券は、ご観劇日当日開演30分前より「U-25引換所」にてチケットと年齢が確認できる身分証をご提示のうえ座席券とお引換下さい。ご観劇日当日25歳以下の方のみ対象となり、引換時に25歳以下であることが確認できない場合は座席券との差額を頂戴いたします。座席は事前にご用意しており、先着順ではございません。
※注釈付はシーンにより一部見づらいお席となります。

[問]梅田芸術劇場■06-6377-3888

【東京公演】
▼6月1日(金)~10日(日)
TBS赤坂ACTシアター

チケット情報はこちら


特設サイト