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新キャストも加わりさらにパワーアップ!
待望の再演となったブロードウェイ・ミュージカル
『アダムス・ファミリー』の製作発表レポート!

2014年に日本で初演し、アダムス家の家長・ゴメス役の橋本さとしが読売演劇大賞優秀男優賞を受賞したブロードウェイ・ミュージカル『アダムス・ファミリー』。白井晃の質の高い演出と、強烈な個性を放つキャラクターが見事にはまったキャスト陣、心に残る楽曲で彩られた本作は、ブラックユーモアとゴシックテイストにあふれたお化け一家と、彼らに勝るとも劣らないクセの強さで魅せる人間一家による家族愛を描いたミュージカルだ。

先日、横浜で行われた製作発表・楽曲披露イベントでは、演出の白井晃と、橋本さとし、真琴つばさ/壮一帆(Wキャスト)、昆夏美、村井良大、樹里咲穂、戸井勝海、澤魁士、庄司ゆらの、梅沢昌代、今井清隆のオールキャストが登壇した。


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(『我らがアダムス』を歌唱する真琴つばさ、橋本さとし。アダムス一家がオープニングを飾った)


ナンバー『我らアダムス』を披露したのち、白井から順に公演に向けての意気込みを語った。本作は世界的に有名なブロードウェイ・ミュージカルだが日本ではオリジナル版で再構築され、初演された。白井は「ブロードウェイとお話も音楽も同じですが、ダンスは日本のオリジナルです。おこがましいようですが、本家本元よりも面白いのではないかと、それぐらい楽しい舞台になりました。すばらしいキャストのみなさんで、どこをどう見てもアダムス・ファミリーにしか見えません。太平洋を渡って少しだけ“お茶漬け味”になりましたが、日本ではこの人たちしかいないというキャストに集まってもらいました。お化けの話ですが、とても楽しく、何回観ても楽しめる作品になっていると思います!」と自信をのぞかせた。再演では初演のスタイルを守りながらも、新メンバーが加わったこともあり「よりアダムスと人間の家族が融合する様が明確になれば。楽曲は同じですが、ダンスもパワーアップするので、その辺も見どころです!」と期待をあおった。
 

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(白井晃)


アダムス・ファミリーのパパ、ゴメス役が大好評、まさに“当たり役”だった橋本さとしは、「オブリガート!アリガート!」と声高らかに挨拶した。そしてゴメスになりきり「私たちはお化けです。本当はこの時間に出てはいけない。太陽の光にものすごく弱いはずなのですが、なぜ出てきたのか…! それは皆さんに観ていただきたいミュージカルがあるからなのです! 最高のミュージカルです! 皆さん、お待ちしています!」といざなった。

アダムス家のママ、モーティシア役はダブルキャスト。初演で完璧に演じてみせた真琴つばさは、このたび白井よりテーマをもらったという。それは『妖艶』。「妖しい美しさをお届けしたいと思います。ダブルキャストということで、面白いアダムス・ファミリーが100万倍面白くなると思います。私たちアダムス・ファミリーをどうぞ応援してください!」と意気込んだ。一方、初参加となる壮一帆は、「初のモーティシア役ですが、先輩の姿をしっかり見習って大きな愛で家族を包みたいと思います。人の倍稽古して、1回1回集中して、濃いものにしていきたいと思います。参加できてうれしいです」と喜びを語った。持ち味が異なる二人だけに、それぞれのモーティシアを楽しみたい。

人間一家のルーカスとの恋の行方が気になるゴメス家の長女・ウェンズデーを演じるのは昆夏美。圧倒的な歌唱力にも注目だ。製作発表ではウェンズデーになりきり、「こんにちは、ウェンズデーです。大好きな家族と過ごしていたのですが、人間の男の子を好きになりました。観に来てください」と抑揚のない語り口で挨拶し、会場を沸かせた。そんなウェンズデーのボーイフレンド、人間一家バイネッケ家のルーカスを演じるのは村井良太。今回初参加となる。「バイネッケ一家は全員、初参加なので、家族一丸となってアダムス・ファミリーに立ち向かっていきたいと思います。アダムス・ファミリーにしかない空気感をとらえながら劇場に持っていけたらいいなと思っています」と気合を見せた。

アダムス・ファミリーの長男でウェンズデーの弟パグズリーはオーディションで選ばれた高校1年生の女の子、庄司ゆらの。キュートなフェスターおじさんは今井清隆で再登板、初演での怪演も記憶に新しい。グランマは初登場の梅沢昌代。いたずら好きのおばあちゃんをどう魅せるのか楽しみだ。そしてアダムス家に欠かせない顔、フランケンシュタインのような執事ラーチは初演と同じく巨漢の澤魁士が担う。

人間のバイネッケ家は村井の挨拶のとおり、全員初参加。貞淑な妻ながら変貌を遂げる母アリスを演じるのは樹里咲穂、出演の喜びを率直に語った。「偶然、ブロードウェイで『アダムス・ファミリー』を観て、純粋に楽しみました。中でも印象に残ったのが黄色い服を着たアリスで、“あのお母さんの役、いいな”と思っていました。そしたらひょいと私の目の前にアリス役がやってきて、幸せなんてもんじゃないくらいうれしかったです。頑張りたいと思います!」。端正な魅力でアダムス家と好対照な父マル役の戸井勝海も「今、稽古をしていますが、アダムス家には本当に普通の人がいません。バイネッケ家はお客様目線で、お客様代表として舞台の上でアダムス・ファミリーに翻弄されたいと思います!」と声を弾ませた。

「稽古場からすでにものすごいファミリー感があり、この作品に対するキャストの皆さんの一丸となった気持ちが感じられます。その良い空気感をそのまま、皆さんに伝えていきたい」と話す橋本、豪華な新キャストを迎えた、オールスターキャストによる新生『アダムス・ファミリー』が間もなく幕を開ける。

 

文/岩本和子




(2017年10月13日更新)


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ブロードウェイ・ミュージカル
「アダムス・ファミリー」

発売中
Pコード:459-488

▼11月18(土) 13:00◎/18:00◆
▼11月19(日) 13:00◆

豊中市立文化芸術センター 大ホール

S席-11800円 A席-9800円

[出演]
橋本さとし 真琴つばさ/壮 一帆(ダブルキャスト)
昆 夏美 村井良大/
樹里咲穂 戸井勝海 澤 魁士 庄司ゆらの 梅沢昌代 今井清隆 他

(ダブルキャスト)
モーティシア役
◆=真琴つばさ ◎=壮 一帆

※未就学児童は入場不可。

[問]キョードーインフォメーション
[TEL]0570-200-888

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写真左から真琴つばさ、橋本さとし、壮 一帆、昆 夏美、村井良大