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「是が非でも出たい!」と訴えたルヴォーの演出作に挑む幸せ
明智小五郎を演じる井上芳雄にインタビュー

原作・江戸川乱歩、脚本・三島由紀夫の『黒蜥蜴』。美輪明宏の映画や舞台はもとより、何度も上演されてきた名作だ。“美”に執着する女盗賊・黒蜥蜴と名探偵・明智小五郎が繰り広げるスリリングな勝負の中、ふたりの惹かれあう想いと共に繰り広げる耽美と闇の世界の物語。今回の演出はデヴィッド・ルヴォー。歌舞伎と三島由紀夫を敬愛し、初来日から30年を経た彼が、長年夢に描いてきた演出プランでついにその舞台を実現させる。
 
出演は、黒蜥蜴に中谷美紀、明智小五郎に井上芳雄ほか実力派が出演。井上は2012年に上演された『ルドルフ・ザ・ラストキス』でルヴォーと出会って以来、その演出に魅了され、再度やりたいと言い続けてきた。今回の機会を知り、過密なスケジュールの中で「是が非でも出たい!」と事務所に訴え、出演を叶えた。7月、ミュージカル『グレート・ギャツビー』の主演で来阪中の井上がインタビューに応じ、その熱い熱い想いと作品への魅力を語った。

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「ルヴォーは大好きな演出家です。『ルドルフ・ザ・ラストキス』でしかご一緒していないんですけど、その印象が強烈で。日本だと、演出家の要求するところに自分を高めていくというイメージですが、彼は気づいたらそこに連れて行ってくれるような、まるで魔法をかけられてるような感じの導き方なんです」。井上の語り口に、いつもとは違う熱さがこもる。「どんな作品のどんな役でも一緒にやりたいと思って来て、それが今回形になって、ほんとにうれしいです」。明智小五郎は「ハードボイルドな役」とルヴォー。井上は「ハードボイルドには疎くて。どういう方向かまだ分からないけど、喜んでそこに飛び込みたい」。

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『黒蜥蜴』は、1968年公開の美輪明宏(当時は丸山明宏)主演の映画を見て、戯曲も読んだ。「映画を見て、日本であって日本でないようなにおいがあるなと。すごく屈折したラブ・ストーリーだと思う。黒蜥蜴も明智小五郎も、美しさを純粋すぎるほどに追い求めている人たち。だから惹かれ合うのは必然だけど、立場が真逆で結ばれない。だからこそとても悲しいし、だからこそ美しい。魅力的な作品ですね」。初めての三島作品は「確かに日本語が美しい。セリフなのか詩なのか、リアルだけじゃないところに惹かれますね、とても演劇的でもあるし。でも、ルヴォーは誰にも負けないぐらい三島作品が好きで詳しいから、教えてもらおうと思っています。ものすごく楽しみです」。
 
井上にとって、この舞台は超特別なのだ。「全作品、同じ熱量で一生懸命やっています。でもこれは、何年かに1度、ごくたまにあるご褒美みたいな作品。ひと公演5000円ずつ払えって言われても出るかなというぐらい(笑)。他の作品には申し訳ないけど、もうほんとに、ご褒美を一生懸命楽しませてもらいます!」。

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公演は、2018年1月9日(火)から28日(日)まで東京・日生劇場、2月1日(木)から5日(月)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。チケットは9月30日(土)10:00より一般発売開始。一般発売に先駆け、チケットぴあでは8月3日(木)11:00まで最速抽選先行(いち早プレリザーブ)を受付中。

取材・文:高橋晴代
撮影:森好弘



(2017年7月31日更新)


Check

『黒蜥蜴』

【東京公演】
▼2018年1月9日(火)~28日(日)
日生劇場

Pick Up!!

【大阪公演】

9月30日(土)一般発売
Pコード:457-187
▼2018年2月1日(木)18:00
▼2018年2月2日(金)13:00
▼2018年2月3日(土)12:00/17:00(★)
▼2018年2月4日(日)13:00
▼2018年2月5日(月)12:00

梅田芸術劇場メインホール

S席-12500円 A席-9000円 B席-5000円

[原作]江戸川乱歩
[脚本]三島由紀夫
[演出]デヴィッド・ルヴォー
[出演]中谷美紀/井上芳雄/相楽樹/朝海ひかる/たかお鷹/成河/他

※(★)2/3(土)17:00公演終了後、アフタートークショーあり(〔出演〕井上芳雄/成河)。
※未就学児童は入場不可。

[問]梅田芸術劇場■06-6377-3800

8/3(木)11:00まで最速抽選先行(いち早プレリザーブ)を受付中!
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