インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > ライブサウンドに乗せて繰り広げる5人の男たちによる 歌×ダンス×アクトのステージ『アルターボーイズ』 2017年で5度目の上演を迎える本作について 演出の玉野和紀と初演から出演している中河内雅貴が あるひとつの決意を持って語った

ライブサウンドに乗せて繰り広げる5人の男たちによる
歌×ダンス×アクトのステージ『アルターボーイズ』
2017年で5度目の上演を迎える本作について
演出の玉野和紀と初演から出演している中河内雅貴が
あるひとつの決意を持って語った

2004年にニューヨークのオフ・ブロードウェイで初演、2005年には賞も受賞したステージ『アルターボーイズ』。「アルターボーイズ」とは、神と司祭に仕える美しき5人の男子たちのこと。5人の使徒たちがボーイバンド(ダンスボーカルグループ)を結成し、“福音”の歌とダンスで愛を説き観客たちの魂を救うというもので、人種や移民、ジェンダーなど現代を覆う難問に真正面から立ち向かっていく姿を描く。

日本では2009年に初演して以来、2010年、2012年、2014年と再演を重ねてきた。元々の作品にはダンスはほぼなかったが、初演から演出を手がける玉野和紀(写真右)が「(作品の)音楽を聴いたとき、これで踊らないのかと思って、日本版は絶対に踊るようにしようと。踊れる連中を集めてみた」というところから始まった。それから8年、初演からほぼ変わらないメンバーによる<チーム・レガシー>は今回、大阪で大千秋楽を迎える。ゲイのマークを演じる中河内雅貴(写真左)も初演から出演している一人。「5回目の舞台で、俺らがフレッシュに魅せるっていうのは絶対無理なんです。初演のようにやることは。でも、気持ちはもっとナチュラルに、フレッシュにやっていこうと思っています」と意気込む。

<チーム・レガシー>のメンバーである東山義久、植木豪、森新吾、良知真次とも長い付き合いだ。いまやステージ上の動きはあうんの呼吸だと中河内。「今、この人が行ったから、自分は行かないでおこうとか、この人が行かないんだったら自分が行こうとか、そういうことが完全に成り立っています。暴走しそうな人もいるけど、僕はゲイという役柄だからこそ強めに出て抑えられるということもあって。それは前回の『ALTAR BOYZ』で学んだことでもありました。“あ、これで作品に戻せるんだな”という感覚を掴んだんです。そういった面でもチームとして初めてやる作品よりかは遥かにレベルの高いところにあるので、今回はある意味、楽といえば楽ですね」。

舞台に立っているときは、個人のダンスパフォーマンスではなく役として踊らないと面白くないと、その肝を話す玉野、「その点、マークは目線とか、仕草でいくらでもできる役。それはすごく面白いと思います」。一方で、悪目立ちだけは避けたいと中河内。ソロシーンも完全にマークでやりたいと言う。「今までは“中河内”でやっていたから、マークとしてのソロは課題です。…難しいですけどね(笑)。できたらうれしいです」。

何度上演を重ねてもとどまることを知らない進化と、さらに深まるメンバー間の信頼。それが再演を続ける本作への魅力にもつながっている。だが、中河内はこれでもう“卒業”だと宣言した。「今回はこれが最後の『ALTAR BOYZ』という覚悟で挑むので、その集大成を観に来て頂ければと思います。そうやって勝手に自分の中で決めているんです」

中河内の宣言を受け、玉野も語る。「今回5回目で、僕もここまで来たらどうなるんだろなと思って。お客様の中にも“これが『ALTAR BOYZ』だ”と出来上がっているものがあると思うので、“それは違う”と思われると困ってしまう。でも、進化させていくには何かを変えていかないといけない。そこは再演を重ねるごとに難しくなる課題ですよね。なので、本当に腹を括ってやらないとって思います。今回、<チーム・レガシー>は求められる面白さが相当高くなっていると思うんです。初演から数えたら、もう8歳、年齢を重ねていますしね。作品的にも若者を描いているものだから、難しいところはあります。だから、みんなも“これがラストかな”って思ってると思うんです。それだけに今回は、いかに本気でやるかがテーマになると思います。舞台上であえて茶化さないで勝負かけて、お客さんが真顔になって“本気?”みたいな空気になる方が絶対に面白いと思うので」。

東京公演を経て大阪にやってくる。ステージは<チーム・レガシー>の1公演のみ、しかも2017年の『アルターボーイズ』は大阪で大千秋楽を迎える。加えて東山義久、植木 豪が今公演で卒業を発表! このメンバーでのラストステージをお見逃しなく!




(2017年2月10日更新)


Check

ALTAR BOYZ 2017

〈Team LEGACY〉

発売中

Pコード:456-032

▼2月18日(土)13:00

森ノ宮ピロティホール

全席指定-8800円
立見-7800円(整理番号付)

[演出]玉野和紀

[作]ケビン・デル・アギラ

[作詞・作曲]ゲイリー・アドラー/マイケル・パトリック・ウォーカー

[出演]〈Team LEGACY〉東山義久/植木豪/中河内雅貴/森新吾/良知真次

※未就学児童は入場不可。

[問]キョードーインフォメーション
[TEL]0570-200-888

チケット情報はこちら