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奇跡を起こす大スペクタクル!
『真田十勇士』開幕!!

2014年に初演され、映画版公開と併せての再演が話題を呼んでいる、マキノノゾミ脚本・堤幸彦演出『真田十勇士』が、9月11日に開幕。公演に先立ち、10日にゲネプロが行われた。
 
その場しのぎの生活をしていた抜け忍びの猿飛佐助(中村勘九郎)はひょんなことから、世評とは裏腹に、知謀も自信もなさそうな真田幸村(加藤雅也)と出会い、自らの才智で彼を立派な武将に仕立てることを思いつく。そのために必要なのは、幸村を盛り立てる十人の家臣、真田十勇士。こうして、佐助のかつての忍び仲間・霧隠才蔵(加藤和樹)、才蔵の手下である三好清海(駿河太郎)と三好伊三(荒井敦史)、関ヶ原の合戦も経験した由利鎌之助(丸山敦史)、仕官先を探して流浪していた筧十蔵(高橋光臣)、幸村のかねてよりの家臣である海野六郎(栗山航)、幸村の長男・大助(望月歩)とその家来・望月六郎(青木健)、お調子者の根津甚八(村井良大)の十人が集結する。

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しかし、徳川方の忍び集団の首領・久々津壮介(山口馬木也)や彼の部下・仙九郎(石垣佑磨)や彼の娘の火垂(篠田麻里子)らが佐助と才蔵に襲いかかる。折しも、大坂夏の陣、開戦前夜。豊臣秀頼(村井良大/2役)を守ろうとする淀殿(浅野ゆう子)に頼まれ、幸村らは豊臣方に加勢するが――。
 
幕開きから力強い太鼓の打音が響くこの舞台は終始、とにかくダイナミック。カラフルな照明、盆の回転と共に変幻自在に形を変える美術、ワイヤーアクション、そして、多彩で細密なプロジェクションマッピング。まるでCG映画かゲームを見るような躍動感と爽快感いっぱいの大スペクタクルになっている。
 
とはいえ、このプロダクションに迫力と説得力を与えているのは、何より、ハイテクに負けないエネルギーを投入する、俳優たちの生の身体。彼らが客席通路を走れば、観客はその風を肌で感じることができる。次から次へと飛び出す時事ネタも、生の舞台ならでは。

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特筆すべきは、普段は愛すべき三枚目ながら、神出鬼没ぶりを体現し、圧倒的な存在感で舞台をまとめ上げる佐助役・勘九郎。驚いてあごがはずれる、といったマンガ的表現もこなしながら、ふとした瞬間、とてつもないカッコよさを放つ。一方、歳蔵役の加藤は、冷静沈着な二枚目ぶりだが、ここぞというところで友情に厚く情熱的な素顔を見せる。個性あふれる十勇士が、夏の陣を前に杯を交わすシーンには心躍らずにはいられない。戦場での、勘九郎と山口が崖の上で見せる歌舞伎風の立ち回りや、加藤と石垣とのワイヤーでの戦闘場面は圧巻だ。
 
歴史を知る観客にとって、豊臣方の末路は一目瞭然だ。しかし、力強い彼らの姿は、不可能を可能にし、嘘を真にしそうな勢い。果たして、彼らは絶体絶命のピンチを脱し、”奇跡”を起こすことができるのか??

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東京公演は10月3日(月)まで東京・新国立劇場 中劇場にて。その後、10月8日(土)~10日(月・祝)まで神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場 ホール、10月14日(金)~23日(日)まで兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホールにて上演。チケットは発売中。

取材・文:高橋彩子
撮影:阿部章仁



(2016年9月20日更新)


Check

舞台『真田十勇士』

【東京公演】
発売中 Pコード:450-681
▼開催中~10月3日(月)
新国立劇場 中劇場

【神奈川公演】
発売中 Pコード:450-682
▼10月8日(土)~10日(月・祝)
KAAT 神奈川芸術劇場 ホール

Pick Up!!

【関西公演】

発売中 Pコード:450-786

▼10月14日(金)18:00
▼10月15日(土)12:00/17:00
▼10月16日(日)12:00/17:00
▼10月18日(火)13:00/18:00
▼10月19日(水)13:00
▼10月20日(木)13:00/18:00
▼10月21日(金)13:00
▼10月22日(土)12:00/17:00
▼10月23日(日)12:00

兵庫県立芸術文化センター
KOBELCO 大ホール

S席-12500円 A席-9000円 B席-6000円
U-25当日引換券-5000円(25歳以下)

[劇作・脚本]マキノノゾミ [演出]堤幸彦
[出演]中村勘九郎/加藤和樹/篠田麻里子/高橋光臣/村井良大/駿河太郎/荒井敦史/栗山航/望月歩/青木健/丸山敦史/石垣佑磨/山口馬木也/加藤雅也/浅野ゆう子/他

※未就学児童は入場不可。

[問]梅田芸術劇場■06-6377-3800

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公式サイト