－－昨年は、未知やすえさんが50歳を迎えられて記念公演をされたことに刺激を受けて、末成由美さんが私も何かやりたいと企画し、やすえさんと合同のディナーショーを開催されました。今回はその2回目ということですが、前回を振り返っていかがでした？

末成：手前味噌やないですけど、来ていただいた方は楽しんでいただけて、次も絶対やって欲しいと言って下さって。でも、前回は『老女優はは去りゆく』という、ひとりの女優が黄金期を迎え、恋愛をきっかけに堕ちて行く、でも最後は再起を掛けて立ち上がるという内容のシャンソンをモチーフにして、芝居仕立てで歌を披露したんですね、そしたら終わってからもっともっと歌を聞きたかったって言われまして、それなら今回は歌を中心に、本当のディナーショーをやらせてもらいましょうと。

未知：なんせ前回は初めてのディナーショーでしたから、行かせていただくことはあっても、自分たちがやるとは思ってもみませんでしたから、とにかく由美姉さんが、私らは女優やからまずは芝居というものをベースにして歌う方がやりやすいやろということでやってみたんですけどまぁ緊張しましたね。しかも由美姉さん風邪でえらいことやったですもんね。

末成：そうそう！昨年は１月31日にやらせていただいたんですけど、新年を迎えてからどうも体調が優れず、いつもの私やったらどんなに体調おかしいても２～３日もすれば戻るんですけど、その時はいつまでたっても良くならず、で、とうとう本番の日を迎えてしもて…。

未知：そしたらねぇ。

末成：本番はそれまでの体調の悪さがウソのように良くなって、声もいつも以上に出るし。その時ばかりは私って凄いわぁって思いましたね（笑）。

未知：ほんまですよ。ホテル入りした時もどうしようどうしよう言うてはって、私も不安でいっぱいやったんですけど、由美姉さんの運というか、力というか、引きというか、そういうものを寄せ付ける強さに驚きました（笑）。

－－先ほども言われてましたが、今回は歌がメインとなるそうですが、どういった構成に？

末成：ディナーショーって時間が限られているので、今回私は７曲、シャンソンを中心に歌わせてもらいます。

未知：私は６曲くらいかなぁ。自分のなかで流れがあって、私の好きなアイドルの曲。それから大阪をテーマにした曲、そして母親としての曲を歌おうと思ってます。

－－たとえばどんな曲なんですか？

未知：アイドルは、聖子ちゃんと明菜ちゃんの曲を。そして『大阪暮色』や夏川りみさんの『童神』を歌わせていただこうと思ってます。前回はカラオケやったんですけど、今回は生バンドを前にしてなので、昨年以上に緊張してますね。

末成：私はサルヴァトーレ・アダモの『サン・トワ・マミー』に王道の『愛の讃歌』、それとバルバラの名曲『黒い鷲』に越路吹雪さんが歌ってらしてた『一寸おたずねします』。あと中島美嘉さんの『雪の華』を歌います。

未知：中島美嘉さんのですよ！

末成：ハハハハ、そんな意外!?（笑）私、中島美嘉さんの曲知らなかったんです。それがやすえちゃんから教えてもらってんね。

未知：『雪の華』っていう歌の歌詞、由美姉さんの好きな人に捧げたら絶対イチコロですよって言うて歌詞を教えたら、“歌う！”“私、歌う！”って言い出して、後輩の子に“CD買うてきて！”ってすぐに買いに行ってもらって、家で聴かはったみたいで翌日、吉本新喜劇の楽屋で“無理！、歌われへん、無理！”って。まぁひと騒動でした（笑）。

末成：そやけどね、聴けば聴くほど良くてね、歌詞も私の好きな人を思い浮かべるとどうしても歌いたくなるんですよ（笑)。それでなんとか自分のものにしようとカラオケボックスに通って練習してね、歌を私のものにしなきゃいけないので、これからも何度も歌って自分のフィルターを通した『雪の華』にしなきゃなぁって思ってます。そやけど難しい。カーンと途中でオクターブ上がるしで、大変なんですけどやっぱり歌いたいんでね、とりあえず相手に言うたんです。この歌をあなたのためにチョイスしたから、しかと聴くようにって（笑）。そしたら“わかった”と…。

未知：あの、このインタビュー、ノロけるとこやないんですけど（笑）。

末成：そやったわ（笑）とはいえ愛というのは恐ろしいね（笑）。

未知：まだ言うてる（笑）。

－－（笑）今回は、衣装にも力を入れてらっしゃるそうですね。

未知：ポスターの中で着た衣装をはじめ、さまざまな方に協力していただいて色々ときれいな衣装を用意していただきまして。でもね、サイズが合わないのもあって、それをどないして着ようかなと（笑）。

末成：『雪の華』を歌う時のドレスがあるんですけど、それがねウエストが凄く細くて…。最初からサイズ直してもらわないと（笑）ふたりでサイズのことばっかり言うてます（笑）とはいえ艶やかな衣装もみどころだと思うので歌と一緒に楽しんで欲しいです。

－－では最後に皆さんにメッセージをいただけますか。

末成：前回はコントが合間にあったりと、自分が得意とする部分がありましたから、やっててちょっとリラックスできたんですね。でも、今回は歌で勝負。そのアベレージを完璧にしないと自分が納得しないので、公演までの残りの日々は練習をして当日はパーフェクトな状態で皆さんの前で歌いたいなと思いますので、それに料理も、リーガロイヤルホテルですからね、安心して堪能していただけるはずですので、お友だちと連れもって来ていただきたいです。

未知：去年もそう言う気持ちでって思ったんですけど、ディナーショーという敷居の高そうなエンタテインメントを、私らので、ちょっと肩の力を抜いて楽しんでもらえたらと。反面、いつもよりはちょっとオシャレしてお越し下さったら嬉しいなと思います。それと、ディナーショー当日、由美姉さんの誕生日なので皆さんでお祝いする気持ちでもぜひ！

 

 

取材・文／仲谷暢之