酸いも甘いもかみ分けた大人の方々に観てほしい…!
大西ユカリ×めぐまりこ×NON STYLE石田明による
舞台“うたげき”シリーズ『別れてもシェキな人』
本公演について大西ユカリとめぐまりこが語る
ソウルシンガー大西ユカリの楽曲から、ひとりの女の半生を描いた舞台『別れてもシェキな人』。“うたげき”と銘打たれ、大西ユカリwith仁義なき小林バンドによる生歌、生演奏、MC、めぐまりこ×NON STYLE・石田明の芝居と共に展開する、ライブ感覚で楽しめる芝居だ。かねてから大西ユカリの大ファンで、「いつか大西の歌の世界を芝居にしたい」と考えていためぐまりこ。ふたりが出会い、始まった“うたげき”。大西ユカリとめぐまりこに、この芝居について聞いた。
――『別れてもシェキな人』がまもなく上演されますが、めぐさんは「大西さんの歌の世界を芝居にしたい」という積年の思いが実現して、いかがですか?
めぐまりこ(以下、めぐ):私とか、桂あやめとか、変わり者で独り者の女たちって大概、ユカリさんの音楽が大好きで。で、ライブに行ったりして、ユカリさんの歌を芝居にしたい、何かコラボしたいなってずっと思っていたんです。そして今回、作・演出をされる東野ひろあきさんに「何とかなれへんかな?」って相談したところ、「何とかなるよ」と(笑)。すぐにできると言っていただいて、夢がかなって私はすごく嬉しいです。
――大西さんはこのお話をいただいて、どういう印象でした?
大西ユカリ(以下、大西):自分の歌詞の世界といいますか、カバーする曲も含めて、その中に出てくる女性たちが具現化されるのは、願ったり叶ったりですね。そんなふうに人の目に触れる詞を歌える歌手でありたいと思っていましたので、それがすべて叶いますので、大変嬉しいです。
――大西さんの楽曲を軸にストーリーができあがったそうですね。
大西:はい。めちゃ嬉しいです。舞台ではフルバンドで演奏しますので、バンドだけで7人いて。常に生演奏なので楽しみです。
――こういう形態でのライブ演奏は初めてですか?
大西:そうですね。自分の曲が芝居でちょっと効果的に流れるとかではなく、芝居に沿っていますので、ものすごく楽しみです。
めぐ:BGMも全部、生音です。芝居は私と石田君を中心に、そこにユカリさんの楽曲がどんどん入っていく。私も大概(舞台を)観ていますが、こういうスタイルは初めてじゃないですかね。
――大西さんも、MCを用いての狂言回しのような役割でもあるんですよね。
めぐ:そうですね。3人による歌と芝居です。
――めぐさんは新世界のスナックのママという役だそうですが、NON SYTLEの石田さんはどういう役柄でしょうか。
めぐ:いつもママの周りにいる男の人っていう感じです。初めは恋人役か何かで、もしかして濡れ場があるんちゃうかなって思っていたんですけど、演出の東野さんはそれを避けましたね(笑)。
――石田さんを起用された理由は?
めぐ:石田君は漫才師以外にも、脚本家や演出家でも活躍していて。石田君が主演の舞台を観に行ったことがあったのですが、芸人じゃない役者の姿だったんです。そして芸人なのに芝居談義もできる。それで石田君とは芝居をしたいと思っていました。『別れてもシェキな人』は喜劇ですが、もちろんお芝居なので、芝居魂がある人とやりたくて、石田君が出てくれるなら出てほしいなと。
――なるほど。今回は歌のシーンもあるそうですね。
めぐ:そこが一番緊張しているところなんですよ、私が(笑)。
――大西さんの楽曲は大体、何曲出てくるのでしょうか?
大西:10曲くらいありますね。フルでやるので、ボリュームあります。
――どんな楽曲が使われるんですか?
大西:「ニガイナミダが100リットル」とか、「失恋スナック三年生」とか。いわゆるガチな昭和歌謡とかではないです。自分がライブで歌ってきた曲を東野さんがうまいことチョイスをされたのと、まりこさんが「今のユカリさんの曲ええわ」って言うてくれたのんとが合わさったような。宇崎竜童さんが書いてくださったもの、私が作詞したもの、最近のもの、昔の曲など、いろいろありますね
めぐ:情けない自分の過去を思い出すような歌ですね。女は誰もが経験している気持ちじゃないかな。それを口に出すか、出せへんかで。
――お芝居の時代設定は?
めぐ:現代から過去へさかのぼるような感じです。
――大西さんとめぐさん、今回このような形での共演はいかがですか?
めぐ:好きな歌に出てくる女性を演じられることがすごく嬉しくて、調子に乗ってます(笑)。本番でも歌とお芝居を上手にリンクさせていきたいなと思います。歌詞の意味が深いですから、その深さもちゃんと出していかなあかんな~って。
――大西さんはめぐさんの印象はいかがですか?
大西:すばらしい女優さんやと思います。稽古するごとに、シーンをご自分のものになさっていて。それでも演出の東野さんはどんどん注文つけはるし、私もどんどん意見を出させていただいて。この座組みは“黙って言うこと聞かなあかん”みたいな作り方じゃないので、自分も音楽家としてちゃんと参加できているのでストレスがないですね。本番が楽しみです。
――では、最後に『別れてもシェキな人』をどう楽しんでもらいたいか、聞かせてください!
めぐ:まあ……子どもには難しいですね(笑)。新世界の片隅のスナックのママの物語で。一生懸命に生きすぎて、周りから暑苦しいんとちゃうかって言われる女の嘆き、喜び。……その中で、女の開き直りを出したいかな。開き直って「これも人生よ」みたいな。そういう部分を共感してくれる女性とか、女の気持ちを思ってくれる大人の男性に観ていただきたいと思います。あと、大阪の良さ。情緒もありますし、大阪の文化が出ています。
大西:まりこさんもいろんなお芝居を長いことやっておられて、今回も「こんなんできたけど、どう?」みたいな、いろんな方に観ていただける自信を持って作っておられるので、私はそこに乗っからせてもらっています。いろんな人に観てほしいですね。年齢も性別も。まあ、お金持ってなあかんけど(笑)。子どもはええわ、もう(笑)。
めぐ:もう子どもはええな(笑)。
大西:チケット代も要るしな。ちゃんと元とって返ってもらえるような内容になっているので、すごく楽しいと思います。普段の私のライブを観ている人も、まりこちゃんのお芝居を観ている人も、“ライブハウスでこんなんやってたんや”って初めて観る形になると思います。内容はベタですけど(笑)。
NON SYTLE・石田より、コメント到着!
「僕が主演の舞台を観に来てくれためぐまりこさんが、“いつか石田くんと一緒にお芝居がしたい”と言ってくださり、それが実現しました。率直に嬉しいです。ちょい役と聞いてたんですが、がっつり出てます。さらに生バンドをバックに歌も唄います。期待を裏切らないようにがんばります!」
(2014年8月28日更新)
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