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「いつもより多く踊ります!」
ヨーロッパ企画・酒井善史を迎えて
ダンスカンパニー・男肉 du Soleilが新作を上演!

汗をまき散らし、ジーパン半裸で熱いパフォーマンスを繰り広げるダンスカンパニー、男肉 du Soleil (オニクドソレイユ)。宇宙に飛んだり、世界を飛び回ったり、全員が死んで生き返ったり…。奇想天外なストーリー展開の中、常に全力で踊る様は、一度観るとやみつき必至! 今年3月には、吉本新喜劇とのコラボで大阪・なんばグランド花月の舞台にも立った彼らが、新作『ロンリーガール&ブギーロボ』を上演する。前作に続き、ヨーロッパ企画から酒井善史も出演。どんなステージになるのか、団長・池浦さだ夢に話を聞いた。

――今回はどんな展開が楽しめそうですか?

「お話としては、団員のひとりが実はヨーロッパ企画の酒井さんが作ったロボットだったというストーリーで、ロボットの力で過去に飛んで、団員たちが隠していたことを暴いていくっていう。その中で、いつもよりも多めに踊ります(笑)。いつもはお話の中に散りばめながら、最後の方にギュッと凝縮させて踊るんですけど、今回は最初からずっと、どこかしらで踊っていようと。お芝居の中でも誰かが踊り続けているようにしたいなと思っています。あと、酒井さんは小道具を作るのが得意で、家にいろんなアイテムがあるんですよ。だから、酒井さんが作ってきた今までの小道具とか発明アイテムを、ふんだんに使おうと思っています」

――そのロボットは誰がされるんですか?

「今回は、クリ太マメ男という団員が酒井さんに作られたブギーロボットの役ですね。で、京都で活動されているダンサーの和田聖来(せいら)さんがロンリーガール。酒井さんの作ったポンコツロボットが、人間の女子に恋をしてしまったというお話です」

――何かの映画でそんなストーリーがあったような(笑)。

「大概、ロボットが主役の作品って、人間に恋して人間になりたがりますよね(笑)。人間になりたいから良いこといっぱいしよう!という感じで(笑)」

――酒井さんの出演は、今回が2回目ですよね。ヨーロッパ企画からは酒井さんを含めて過去に3人出演されていますが、その中でも酒井さんはどんな雰囲気ですか?

「酒井さんは一番ノリノリです(笑)。今までに出演していただいた中川(晴樹)さん、石田(剛太)さんに比べると世代も一番近いし、酒井さんもオタクだから話が合うんですよ。で、ヨーロッパ企画さんの中では一番年下で後輩だから、頭が上がらないんですけど、僕らの中では一番先輩になるので、居心地が良いって言っていました(笑)」

――ノリノリということは、ダンスも踊れるんですね。

「上手い下手は別として、キレがあると思います。前作で酒井さんに出ていただくことになって、酒井さんが好きな仮面ライダーの曲でダンスを作ったら、それだけ上手くなってて (笑)。今回は前回よりもたくさん稽古に参加していただけるので、もっと踊りまくってもらうつもりです」

――では、ヨーロッパ企画のファンの方はそこも見どころですね。

「そうですね。あと、酒井さんの発明がいっぱい観られるところと」

――酒井さんも、自分の発明が人目に触れるのは嬉しいのでは?

「そうなんです。だから酒井さんからも“いっぱい提案するよ”って言われているんです(笑)。とりあえず、ネジを締める工具の先を柔らかくして身体に当てて、生改造しちゃいましょうって(笑)。あと、酒井さんの家に変なヘルメットが10個くらいあるから、全員でそれを被って踊ろうかとか。機械と身体のコラボレーションとか言ってますけど、機械って汗に一番相性悪そうですよね(笑)」

――本当ですね(笑)。前回に引き続き、酒井さんが出演することになったのはなぜですか?

「なんとなくですけど、石田さんに3回出ていただいたこともあって、ひとり3回は出てほしいなっていうのと、実は前回10日間くらいしか一緒にお稽古できなくて。もっとガッツリ一緒にやりたいなと思ったんです。酒井さんも、社長に直接“もう一回出たい”と言ってくださったらしくて」

――今回の発想の源は、酒井さんですか?

「酒井さんの発明と、ゲームですね。スーパーファミコンで、ロボットの心に人間の心を植え付けていくゲームの『ワンダープロジェクト』というゲームがあるんです。それを元に、ニートのクリ太マメ男を人間らしくしていこうと思いまして(笑)」

――ずっと踊り続けているということは、曲数も結構多いんですか?

「曲がないところでも常に身体が動いている状態ですね。できるだけダンスを途切れさせないことが、今回の目標です」

――今回のダンスとしての特徴は、どんなものを取り入れる予定ですか?

「僕ら、フリがきれいに揃わなくても、ある程度合えば良いスタンスでやってきたんですよ。でも今回は、根本的に一回ちゃんと合わせてみようかと(笑)。ただ、よく考えたらダンスをガッツリやってきたメンバーって3人くらいしかいないから、みんな四苦八苦していますね。1曲くらいは、きっちり合わせることもできるんだぞというところをお見せしたいと思っています」

――最終的には、男肉 du Soleilではお決まりの“一人だけが生き残って、団長の呼びかけで生き返る”スタイルですよね?

「もちろん! 僕がふんどし姿で歌い、神輿で踊り、大団円です(笑)」

――最近のお客さんの反応はいかがですか?

「皆さんノリ良く観ていただいていると思います。ただ来るべき人は全員来たんじゃないかな、という雰囲気があるから、これからどうしようかと(笑)」

――今回は京都を皮切りに、東京、福岡で上演されますが、地域によってお客さんの反応は違いますか?

「そうですね。京都はよくやっているのでノリが分かっている人が多くて、定着してきた感じがします。で、福岡はお祭り慣れしているのか、ノリがすごく良いんですよ。東京もノリ良く観てくださるんですが、一番落ち着いている感じかもしれませんね。もっとグイグイ観ていただけるように頑張ります」

――男肉 du Soleilのステージは、お客さんにもダンスに参加してもらったり、客席を煽ったりもしますが、どんな風にノッてもらえると嬉しいですか?

「今でも手拍子とかいただいて、盛り上げてくださるがすごく嬉しいので、気楽に楽しんでいただけたらと思いますね。ただ、“みんなが死んで、僕が出てきて生き返らせる”というシステムにしたのは、唐組で唐十郎さんが登場したときのような感じで、“よっ!団長!”って言ってほしくてやり始めたんですよ(笑)。でも10年間やり続けて、未だに言ってもらったことがないんです。ぜひとも、そろそろ言ってくださると嬉しいですね! みんなが死んだ頃には客席がちょっとザワつく、みたいな。ひとり生き残って、みんなが死んだら、来るぞ、来るぞ……、“よっ!団長!”という流れが理想なんですよ。アングラテント芝居的な雰囲気になると嬉しいですね(笑)」
 

取材・文:黒石悦子




(2014年5月28日更新)


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おにくどそれいゆ●近畿大学舞台芸術専攻生の有志を中心に作られたダンスカンパニー。J-POP、ヒップホップ、レゲエ、マンガ、アニメ、ゲームなど、さまざまなポップカルチャーの知識を確信犯的に悪用する方法論のもと、唯一無二のダンスパフォーマンスを繰り広げている。

大長編 男肉 du Soleil
「ロンリーガール&ブギーロボ」

発売中

Pコード:436-468

▼5月29日(木)19:00
▼5月30日(金)19:00
▼5月31日(土)13:00/18:00
▼6月1日(日)13:00/17:00

元・立誠小学校 音楽室

一般-2500円(指定)
学生-2000円(指定)
男肉飛び散る席-2000円(指定)
絶対安全席-3000円(指定)

[出演]池浦さだ夢/クリ太マメ男/江坂一平/小石直輝/高阪勝之/ジャングル/城之内コゴロー/すみだ/吉田みるく/酒井善史/伊勢村圭太/和田聖来

★5/30(金)19時公演は、公演終了後に「おまけトークショー」あり。

※未就学児童は入場不可。学生は入場時要学生証提示。男肉飛び散る席は最前列・最も間近で出演者と触れ合えます。絶対安全席は最後列・このエリアには出演者は立ち入りません。

[問]サウンドクリエーター
[TEL]06-6357-4400

男肉 du Soleil 公式サイト
http://oniku-du-soleil.boy.jp/

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