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『キングオブコント2013』の王者
かもめんたるが大阪で初の単独ライブを開催!

2013年の『キングオブコント』で、6度目の出場にして念願の王座に輝いたお笑いコンビ、かもめんたる。岩崎う大、槙尾ユウスケのふたりが、ツッコミ、ボケの役割にとらわれず、ネタごとに担当を変えながらブラックユーモアあふれるコントで笑いを生み出す。そんな彼らの単独ライブが、5月31日(土)、大阪・HEP HALLにて開催される。東京以外での単独ライブは今回が初めてで、「いつかツアーをやりたいとずっと思っていた」と語るふたりに、大阪公演にかける意気込みを訊いた。

元々、早稲田大学のお笑いサークルメンバーで結成した、5人組コントグループ「WAGE」の一員として活動していた岩崎と槙尾。グループ解散後、それぞれ単独で活動していたふたりが再び手を組み、コンビを結成。最初は“二人芝居”からのスタートだった。

岩崎:グループが解散してからは、槙尾は役者を、僕はピン芸人をしていたんです。で、メンバーのひとりだった小島よしおがブレイクして、ほかのふたりも脚本家とか音楽活動をしていたので、槙尾とふたりでお笑いやろうか、と。でも最初は二人芝居で…。

槙尾:最初はコンビを組むというよりは、二人芝居演劇祭があるから、ふたりで出てみようという話になって。1時間くらいのコメディ芝居をしたところ、割と評判が良くて、僕ら自身結構手応えがあったんですよね。

岩崎:だから元々は二人芝居で面白いことをやっていけたらいいなと思っていたんです。とは言え、事務所に入っているわけでもないし、次に脚本書いてやるのは半年後とかってなると、これがいつ人の目に触れるんだろう…って思って。だからその間にお笑いライブで自分たちの存在を知ってもらおうと、芝居とお笑いを並行してやっていたんです。そうすると段々、一緒にライブに出ている人たちに負けたくないという感情が生まれてきて、どんどんお笑い寄りになっていって。そこでもう一度お笑いでやってみたいという気持ちが復活したんです。

槙尾:彼はお笑いに方向転換しようとしていることを僕に言わないから、僕はずっと二人芝居劇団というスタイルでやっていくつもりだったんです。でも、気付いたらコントのオムニバスなんですよ、毎回(笑)。僕はお笑い芸人には戻らないつもりだったんですが、いつの間にか彼の策にハマっていたんです。“あれ?最初は二人芝居続けていくつもりだったのにな…”って思いながら、お笑いライブに出ていましたね。だから最初は「劇団イワサキマキオ」という名前で活動していたんですよ。

岩崎:そこから、活動していくうちにコントが認められてきたので、もっともっと鋭くしたら何かが生まれるんじゃないかなと、ずっと続けてきている状態ですね。だからまた僕らが長いお芝居みたいなことを始めてもアリなんじゃないかなと思いますね。

槙尾:あと、お笑いの方向に進んだのは、僕らが組んだ年がちょうど『キングオブコント』がスタートした時期だったんです。で、上手くいけば世に出るきっかけになるだろうから、出てみようって話になって。

岩崎:初年度はネタもないし、準備も足りてなかったこともあって、2回戦くらいで落ちて。でも、年に1度の『キングオブコント』はモチベーションにもなるし、それに向けて良いネタを作ろうと、年に2~3回は単独ライブを続けてきました。2年目には準決勝まで進めたから、次こそは決勝を目指そう!と思ったら2回戦で落ちて。そのときは、“これが現実か…”と落ち込みましたね。でも、お客さんは少なくても、単独ライブは割と評判良くできていたので、『キングオブコント』とも良い距離感で接しながら、へこまず徐々に続けていこう、と。それで、5度目の出場で決勝3位になれて、“これはいけるかも!”と思ったら優勝できたんですよ。やっぱり、力をつけるためにも僕らの中では単独ライブがすごく重要で、一番得意な場所でもある。それを、ツアーとして東京以外の場所でもやりたいという想いはずっと前からの夢としてありましたね。

東京以外での単独ライブは今回が初めて。ゆくゆくはライフワークとしてツアーをやりたいという想いもあるため、「絶対成功させたい」と気合いも入る。今回の単独ライブ『下品なクチバシ』は、8本のオムニバスコントで、すべて本公演のために作った新作だ。

岩崎:今回は、“下品”というのは何だろうというのが軸としてありますね。単純に下品と言われることや、汚らしいこと、空気を読んでいないことも下品だったりするし。何が美しくて何が美しくないのかというような、品のあり方みたいなことがテーマかな。お笑いのテーマとしても通ずるものがありますよね。

槙尾:あと、今までは『キングオブコント』を目標にしながらネタを作っていましたけど、それがなくなった分、作風が少し変わったんじゃないかなと思います。より自由になっている感じ。これからは、いかに僕らの色を濃くしていくかが大事だと思うんですよね。

岩崎:今回、『キングオブコント』で優勝してから初めてのライブで、そこで面白くなくなるのが一番ダメだから、気合いが入りますよね。それでいて、かもめんたるの方向性を示す作品を出さないといけない、という気持ちで作りました。コントだし、笑いも起きてるんですが、観ていてお笑いなのか何なのか分からなくなる感じが良いんですよね。『下品なクチバシ』というタイトルは、かもめんたるの“かもめ”の部分にもかかっていて、僕ら自身のことも表現しているんです。今後の僕たちの、始まりの一歩を観ていただきたいですね。

ときにゾクッとさせるような、人間の二面性や、狂気をはらんだコントなど独特のブラックな世界観で笑いを生み出す彼ら。また近頃は、槙尾のクオリティの高い女装キャラにも注目が集まっている。

岩崎:今回はそんなにエグいネタはないと思いますが、僕は人間の裏側とか、人間が動物になる瞬間が好きなんですよ。ある瞬間に日常が破壊されて、そのときに見せる本性とか。ネタを何本か書いていくうちに、そのときに表現したいことの共通点が分かってくるんですよ。だからネタを作りながらテーマができて、最後に締め括りのネタを作る形が多いですね。割と、そのときの体調とかに左右される部分もあります。

槙尾:季節感も関係しているかも。

岩崎:それはありますね。四季を利用しながら作っています。極端な話、今までたくさんネタを作ってきたので、何を表現したいというのはなくて。だから自分がそのときにやりたいことを出し惜しみせず出していく感じで。ネタ作りの頭になっていると、本を読んだときとかに、テーマに合うものが見つかったりするんです。今回も、古本屋で見つけた“生物と無生物の間”みたいな本を参考にしたりしましたね。あと、槙尾は女装ネタをやると気合いが入り過ぎて時間がかかるから、あまり入れないようにしています。今回女装多かったなと言われることだけは避けたいですよね(笑)。

槙尾:女装に頼ってるって思われるからね(笑)。

『キングオブコント』優勝後ということもあり、東京公演は完売の勢いを見せた今回の単独ライブ。まだテレビでしか観たことがない関西のお笑いファンも注目のステージだ。

岩崎:僕らのコントの笑いは、東京でも割と特殊だと言われているんです。ほかの人たちが表現しないところを笑いにしていたりするので、ぜひ一度、僕たちの世界観を味わっていただきたいですね。東京風の笑いとかではなく、きっと関西のお笑い好きの方々にも楽しんでいただけると思います。

槙尾:テレビで観られた方は“エグい”とか“グロい”イメージを持たれているかもしれませんが、今回のライブはそういうテイストが少ないんです。ネタによってバリエーションを持たせていますので、“こんなネタもあるんだ”と、知っていただきたいですね。

終演後のおまけトークショーには、ヨーロッパ企画から上田誠、石田剛太の出演が決定。現在、テレビ東京『雨天中止ナイン』でも共演中のかもめんたるとヨーロッパ企画のメンバーが、オモシロトークを繰り広げること間違いナシ! かもめんたるの渾身ネタとともに楽しんで。

取材・文/黒石悦子




(2014年5月27日更新)


Check
かもめんたる●1980年生まれ広島県出身の槙尾ユウスケ(写真左)、1978年生まれ東京都出身の岩崎う大(写真右)のコンビ。早稲田大学のお笑いサークルメンバーで構成された5人組コントグループWAGE解散後、2007年10月に劇団イワサキマキオを結成。2010年10月より「かもめんたる」のコンビ名で活動をスタートする。「キングオブコント2012」決勝で3位の成績を残し、翌年、念願の王座に輝いた実力者。NHK Eテレ「高校講座 国語表現」(火曜14:10~14:30)、テレビ東京「雨天中止ナイン」(月曜23:5

かもめんたる単独ライブ
『下品なクチバシ』

▼5月31日(土)17:00

HEP HALL

前売-2800円
当日-3000円

[作・演出・出演]かもめんたる

[問]サンミュージックプロダクション
03-3355-1664(平日12:00~18:00)

※整理番号付自由席。
※未就学児童は入場不可。

チケットはHEP HALL電話予約で!
06-6366-3636(11:00-18:00)

HEP HALL
http://www.hephall.com/

かもめんたる公式サイト
http://www.sunmusic.org/profile/kamomental.html

かもめんたるオフィシャルブログ
http://ameblo.jp/iwasakimakio/