日本一の漫才師を決める『THE MANZAI』での
“認定漫才師”の称号も手に入れたレイザーラモンが
恩返しの意味も込めた漫才ツアーを京都、大阪で開催！

――漫才師宣言はびっくりしました。

RG：2011年の春に、当時のマネージャーと僕らに付いていただいてる作家さんに呼び出されまして、“僕らレイザーラモンさんのネタが見たいです”って言われたんです。その頃、互いにピンでの活動をしていたので、自分の中ではコンビ名は屋号として一応残しといたらいいかなぁみたいなことを考えてたんで、ガツンとこの言葉がきました。さらに“なんでふたりのネタをしないんですか？　するべきじゃないんですか！”って説得をされまして…。昔から漫才師は憧れでしたから、改めて漫才師を目指してみる機会かもと思って、相方に言うたんです。

HG：相方から“漫才をやらへんか”って言われたときは、びっくりしました。それまで15年間コントをやってきて、どっちがつっこむねん？てくらいボケ×ボケのスタイルでやってきましたし、レイザーラモンはムチャクチャなことをするのが当たり前、正当派漫才の対極にいることを自負して、尖ってやってきましたからね。とはいえ、僕も相方同様、漫才が大好きですし、かっこいいなと思ってましたから、今さら漫才をやりたいって言われてもどうしたらええねんと悩みました。それで、これまでレイザーラモンがやってきたことをネタにうまく落とし込んでいくことから始めようってことになって、漫才に向き合うことにしたんです。で、最初に作ったのが、RGが披露してきたキャラの中で埋もれてしまっていた、シルバーウルフという狼に育てられた青年が失った記憶を辿っていくとレイザーラモンの歴史になるという漫才でした（笑）。

RG：漫才師宣言をする前年になんとなく受けた『THE MANZAI』の予選で二回戦で落ちたんですね。その時はあるあるネタを入れたんですけど、あまり響かなくて。それで今度受けるときは、あるあるとフォーッは禁じ手にしようと。本気で漫才にぶつかっているぞ、漫才師としてがんばっていくんだぞという決意を『THE MANZAI』側にもアピールする意味で作ったんです。



――ネタ作りはやはり大変でしたか？

HG：漫才を作るのはまったくのゼロからやったんで、自分たちのやりやすいカタチからやってみました（笑）。ネタ作りに関しては今も、試行錯誤の毎日ですね。

RG：これまでキャラクター上、どちらかと言えばピンの方や、コントをやってるコンビさんに可愛がってもろてきたんですけど、漫才師を目指すようになってから、漫才師のお兄さん方たちにも可愛がっていただけるようになって、漫才についてお話しを伺ったり、ネタへのアドバイスをいただくようになったのは嬉しかったですね。でも行き詰まることも度々で…。そんな中、中川家さんと仕事が一緒になった時に、僕らの漫才を見ていただいて、“今日のネタの神社のくだり、めっちゃ面白いやん”って言われた時に、それまで真っ暗闇だったところにファッと光が見えた感じがしたんです。あ、これからも漫才、続けていけそうやなって。今は時間さえあれば他の漫才師さんのネタを見てます。相方なんて出番になっても来てないと思ったら、実は朝から劇場に来て、トップ出番の芸人さんのネタからずっと見てますからね。

HG：ボケとツッコミのいろんなパターンを勉強させてもらってます。

RG：僕は吉本じゃないですがナイツさんが好きなので、おふたりが出てらっしゃる浅草東洋館という劇場にもよく通ってますけど、ここはここで凄い大師匠方が出てらして、それこそナンセンスさんなんて70、80歳くらいなんですが、センターマイクからめっちゃ離れたり、青空球児好児さんもハンドマイクで漫才したりと、ベテランの凄さを再認識してますね。

HG：あと、カタチからも入ろうということで、お揃いの衣装を作って、宣材にもこだわりましたね。宮川大助・花子師匠や、Wヤング師匠、オール阪神・巨人師匠ら、大師匠方の宣材を参考にして何パターンか撮ったんです。で、ファンの人たちにどの宣材がいいか投票してもらって、オール阪神・巨人師匠と同じポーズの宣材に決定しました。

RG：身長差が凄いあるという。周りからは“身長でウソついてる宣材は初めてや”って言われましたけど（笑）。

HG：漫才をやりはじめて３年経つんですが、まさか自分たちがなんばグランド花月の昼出番や関西の漫才番組に呼んでもらえる日が来るなんて思いませんでしたからね。ありがたいことです。

――そんなふたりが満を持して漫才ツアーをやるということですがサブタイトルが“ゲイの皆さんへ恩返し”…。

RG：これは相方から言い出したんですけど。

HG：今でこそHG、RGと名乗ってますけど、なんの略かと言えばハードゲイ、リアルゲイですからね。ゲイの皆さんにはHGがブレイクする前から応援いただいたり、ゲイのイメージに対してご迷惑もおかけしたりもして頭が上がりませんから。そういう意味では、切っても切れないゲイの皆さんに今こそ恩返しをさせていただいてもらうべきなんじゃないかということで、相方に提案したんです。

RG：2005年に『堂山フ～』というイベントを大阪の堂山にある、ゲイの方々が集まるクラブ“エクスプロージョン”でやらせていただいたんですけど、どこよりも温かく僕らのネタを受け入れてくれて、しかも大いに笑っていただいて、当時、自分たちの笑いは間違っていないと凄い励みになったこともあって、今回もぜひイベントをやろうと！　よしもと祇園花月では、博多華丸・大吉さんや、ザ・プラン９の浅越ゴエ、ヤナギブソンをゲストに、ありのままのレイザーラモンをお見せします。そしてイベント全体の音楽をギャロップの毛利こと、DJ KELLYが担当してくれるので賑やかになるはずです。

HG：大阪のエクスプロージョンは、夜の9時からスタートするのでアダルティな内容に（笑）。ゲストはリサーチ中なのですが、ゲイの皆さんが好きな若手芸人を迎えてTバックトークを繰り広げたいなと思ってます。そしてRGさんが“ゲイあるある”をジョージ・マイケルやマドンナ、レディ・ガガの曲に乗せて披露する予定です。RGさん、普段あるあるをやるときは曲のリクエストには応えず、自分が歌いたい曲でやるんですが、今回はゲイの皆さんに喜ばれる曲でやってくれるそうです。そして自分も最近はモデルとしても活動させていただいているので、肉体を存分にお見せする予定です。

RG：写真撮影会もぜひやりたいですね（笑）。もちろんゲイの方だけではなく、男性も女性も、性差関係なく観にきて下さい。

HG：僕らの漫才師としての成長ぶりと本気度もぜひ確認しにきて下さい！

撮影／河上良（bit Direction lab.）
取材・文／仲谷暢之（アラスカ社）

 

（2014年4月 7日更新）