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ホーム > インタビュー&レポート > ミュージカルの最高峰 『屋根の上のヴァイオリン弾き』が 市村正親×鳳蘭の大阪初の顔合わせで 12年ぶりに登場!(ツアー公演除く) 読売演劇大賞 主演女優賞も受賞した 鳳蘭が作品を語った

ミュージカルの最高峰
『屋根の上のヴァイオリン弾き』が
市村正親×鳳蘭の大阪初の顔合わせで
12年ぶりに登場!(ツアー公演除く)
読売演劇大賞 主演女優賞も受賞した
鳳蘭が作品を語った

1967年の日本初演から46年、上演回数1300回を超えるミュージカルの金字塔『屋根の上のヴァイオリン弾き』がこの春、2001年以来12年ぶり(ツアー公演除く)に大阪に登場する。主人公・テヴィエに市村正親、妻・ゴールデに鳳蘭と2009年の東京上演作に続く夢の競演が実現、大阪では初登場となる市村×鳳という“最高の夫婦”を中心に、家族や親子の絆を感動的に描いてゆく。そこで、前作で市村に「最強の女房」と言わしめた鳳蘭に、本作への想いを聞いた。

●母、ゴールデの印象
鳳蘭(以下、鳳):かかあ天下で、(市村正親演じる)テヴィエをやりこめているんだけど、実はやりこめられている。そのことにも気がついていない、割と単純で素直でまっすぐな人ですね。子どもたちのことも夫のことも愛していて、…ゴールデのことを考えただけで涙が出てくるくらい、愛情たっぷりな肝っ玉母さんかな?


●ゴールデと鳳さんとの共通点
鳳:すごくあります。私も娘が二人いますし、二人とも嫁に行って、今は一人ぼっちですごく寂しいですし(笑)。そういう意味で言うと、4年前はまだ二人とも嫁に行っていなかったので、今回はもっとこの役を感じられると思います。


●故郷を離れるということ
鳳:やっぱりふるさとを離れるということは、もう言葉には言い尽くせない苦しさ、悲しさ、空しさ、切なさがあると思います。やっぱりふるさとはふるさとですよ。私のふるさとは神戸なので、神戸に帰ってきたらすっと力が抜けますから。


●2010年に読売演劇大賞 最優秀女優賞を受賞
鳳:『屋根の上のヴァイオリン弾き』と『COCO』の2作品でいただいて、いい作品に出会えたなと思いました。宝塚時代もたくさん賞をいただいていましたが、女優賞というのはまた格別にうれしいです。自分ではどこかでまだ男優のような気がして、女優ということにまだ実感がわいていない部分もありますね。


●宝塚歌劇団の男役から“女優へ”
鳳:宝塚を卒業した人はみんな女優になるでしょう? 私が歩いてきた道を何人も追いかけていて、同じことで悩んでいるんです。(長女役の)水(夏希)さんに「あんまり女優になろうとか、女優をせなあかんとか思わないでいいからね」って言うと、「それで悩んでます!!」って。それよりも「スポーティーな女優になりなさい」と、ちょっとえらそうにアドバイスをしたんですが(笑)、私の歩いてきた道を辿っている子たちがどこで悩むか、全部わかるから(笑)。


●宝塚歌劇で男役を極めて…
鳳:太地喜和子さんのような着物の襟元から色気がぶわ~っと出ている女優になりたかったんです。でもある時、無理やなと思って。それからは男らしい女優になろうと。そういう意味では、ゴールデは襟元からの色気もいらないし、いいんじゃないかな。宝塚で男役をやってきた人は色気のある女優になるには努力しなくちゃいけないけど、スポーティーな女優はなんぼでもできますから。そういう意味では財産です。どこかで身についていますね。


●昭和の名優・長谷川一夫の言葉
鳳:昔ね、長谷川一夫先生がおっしゃったんです。『レット・バトラー』の演出をなさった頃、役柄上、鳳蘭を消さなきゃいけないと思っていたら、「いいんですよ、鳳蘭さんのレット・バトラーで」って。本人を消すことないと。そのお言葉を聞いてほっとしました。演技というのは自分を消すことで、“この顔を消すのは無理や”とずっと悩んでいたから。なので、“自分を消さなくていいんだ”って、長谷川一夫先生の言葉に救われました。


●“スター”であるための条件とは?
鳳:舞台に立つと、全員が幸せでいてくれないといやなんです。だから、宝塚のイベントに出ても、何かアホなことを言って笑わせる。私は、人を笑わせたいというサービス精神がすごく強いです。相手を幸せにする、その一念。それが言葉にはできない、ふわ~っとしたオーラとなって出ているんじゃないですか。舞台人には絶対、100%必要なことだと思います。自己満足で舞台をやっていても、ひとつもお客様を幸せにできなかったらダメでしょう。もう1回観たいと思っていただけるように、自己満足でやってはいけないと思います。私は人10倍、サービス精神が異常にあります(笑)。


●読者へのメッセージ
鳳:今、失われてしまった家族愛がこの舞台にものすごく出ていると思います。それを観て、“ああ、お母さん大事にしよう、お父さんを大事にしよう”と若い子たちが思ってくれたらうれしいですし、思うでしょう、きっと。本当に感動する作品なので、必ずハンカチを持って観てください。“45年続いているミュージカル”ということが、ご覧になれば納得できます。沸き立つゾクゾク感というのかな、すべてが素晴らしい作品です。

 




 

<あらすじ>
1905年、ロシアのアナテフカという寒村で、テヴィエは酪農業を営む。信心深くて、楽天家、五人の娘たちを可愛がり、25年連れ添っている妻のゴールデには頭が上がらない。貧しいながらも幸せな家族であった。

テヴィエは言う。「アナテフカのユダヤ人は皆、“屋根の上のヴァイオリン弾き”みたいなもんだ。落っこちて首を折らないよう気をつけながら、愉快で素朴な調べをかきならそうとしている。どうして、そんな危ない場所に住んでるのかって? それは生まれ故郷だからさ。どうやって、バランスを取ってるかって? それは…、一言でいえば“しきたり“だ!」

上から三人の娘たちの関心事は、結婚。今日もイエンテが、ツァイテルに縁談を持ってきている。娘たちは気もそぞろ。娘たちにとっても、姉さんが早く結婚を決めてくれないと、自分たちに順番が回ってこない。

そんなある日、ツァイテルに金持ちの肉屋・ラザールからの縁談が舞い込むが…。
 
(公式サイトより)

(2013年3月13日更新)


Check
市村正親(写真提供=東宝演劇部)
鳳蘭(写真提供=東宝演劇部)
(左から)吉川友、水夏希、大塚千弘(写真提供=東宝演劇部)

●公演情報

ミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』

発売中
Pコード:425-135

▼4月10日(水)13:00
▼4月11日(木)13:00/18:30
▼4月12日(金)13:00
▼4月13日(土)13:00/18:00
▼4月14日(日)13:00

シアターBRAVA!

S席-13000円
A席-9000円

[作]ジョセフ・スタイン
[音楽]ジェリー・ボック
[作詞]シェルドン・ハーニック
[演出][振付]ジェローム・ロビンス
[演出]寺﨑秀臣
[出演]市村正親/鳳蘭/水夏希/大塚千弘/吉川友/照井裕隆/入野自由/上口耕平/鶴田忍/石鍋多加史/青山達三/廣田高志/荒井洸子/真島茂樹/香取新一/祖父江進/品川政治(クラリネット奏者)/日比野啓一/髙塚いおり/園山晴子/石川剛/板垣辰治/大森輝順/加州康真/柴崎義則/中尾和彦/奈良坂潤紀/村上幸央/山本真裕/麻希光/遠藤瑠美子/斉藤綾香/竹内晶美/塚本理佳/深堀晶子/村井麻友美/野口遥/石丸椎菜

※未就学児童は入場不可。

[問]シアターBRAVA!
[TEL]06-6946-2260

『屋根の上のヴァイオリン弾き』公式サイト
http://www.tohostage.com/yane/

前売り券は各日とも公演日3日前まで発売!
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