ホーム > インタビュー&レポート > 「内面から溢れるエネルギーを届けたい」 音月桂率いる宝塚歌劇団雪組が 歌、ダンス満載の『フットルース』を上演!
――『フットルース』を映画などで観られてどんな印象をお持ちですか?
音月「アメリカの高校生って、大人っぽいですよね(笑)。何か行動を起こそうとするエネルギーがあってパワフルで、自分ももっとこういう気持ちを持てたらいいなと思いましたね」
舞羽「映画でしか拝見したことがないので、最初は「これを舞台でどうやるんだろう?」って素直に思いましたね。あと、私にも耳馴染みのある曲がたくさんあったので、すごく楽しみだなと思いました」
音月「そうですね。タイトル曲の『フットルース』のような知らないうちに身体が動きだすポップな曲から、『Almost Paradise(楽園まであと少し)』のようなしっとりした曲まで、いろんな種類の曲が盛り込まれているので、すごく楽しみですね」
――今回は梅田芸術劇場での上演ですが、宝塚大劇場で演じるときとの心境に違いはありますか?
音月「職場が違うような感じですよね(笑)。昨年の『ハウ・トゥー・サクシード』は、関西のお客様の笑いというツボをドキドキしながらやったのを覚えています。宝塚大劇場ももちろんそうなんですが、より意識してしまいましたね。今回はコメディ作品ではないですけれども、ノリがいい作品だと思いますので、私たちがお客様をのせて、同じ高校生になった気分で観てくださるといいなと思います。「コスプレもぜひ」と、小柳先生もおっしゃっていましたので、期待して待っています(笑)」
――舞羽さんが演じるアリエルは、親に反発するような少し気が強い性格ですね。
舞羽「映画を拝見して受けた印象は、激しいなと(笑)。でもきっとこの時代のアメリカではそんな人たちがたくさんいたんじゃないかなと思うんです。親に反発することって、誰もが少しは通る道ですよね。それが良い意味でタカラヅカのヒロインとして成り立つようにしたいです。高校生って本当に純粋で、そのときの感情を隠すことなくきっとストレートに出すと思うので、アメリカの高校生という意識をしっかり持って、うまく表現したいと思います」
――音月さんは王子役が続いてからの高校生役になりますが……。
音月「貴族から一転して (笑)。本当に舞台人というのは、環境や年代が違う、それこそ日本人だけじゃなくていろんな人物になれるので、すごく楽しいですね。今回は17歳の高校生ということで(笑)。大分年齢差がありますけど、アメリカの高校生って大人っぽくて、女の子はセクシーだし、男の子は守ってくれそうな感じがしますよね。そういった部分もお客様に感じて頂けるように演じたいと思います」
――こうした青春ものの作品に出られた経験はありますか?
「『ノン ノン シュガー!!』(’07年)というバウホールの公演がありまして、それは少し青春ものの雰囲気がありましたが、学園ものの作品は初めてですね。小柳先生がセットを学校にするとおっしゃっていて、制服も着られるようなので、とても楽しみです!」
――文化祭のような雰囲気で(笑)。
音月「お客様が一緒になってノリノリで踊ってくれたらすごく嬉しいですよね。日本がこれからもっともっと頑張っていこう!って立ちあがっている今、この作品も何か背中を押せるようなものになるといいなと思います。みんなが笑顔になれるような作品を作りたいですね」
舞羽「舞台が終わって、帰られるお客様が笑顔でいてくださることが私たちの一番の幸せなんです。皆様に笑顔になって頂けるように、お客様を巻き込みながら一緒に舞台を作っていきたいと思います」
――今回の作品は“No Dance, No Life !”がコンセプトということで、雪組のどんな魅力が発揮できそうですか?
音月「フレッシュといいますか、雪組生の元気な笑顔を届けたいですね。“No Dance”と謳うだけあって魅力的なダンスシーンがたくさんあります。踊りにしても歌にしても、内面から溢れるようなエネルギーを発したいと思います」
舞羽「今回出演するのは、40人の選抜メンバーなんです。一番奥の一番端までみんながキャラクターを出しながら、このフットルースでしかできない役作りをしていきたいと思っています。ダンスも自分の役を通して、味のあるダンスを踊れるようにしていきたいですね」
――今のおふたりからはとても安定した良い空気感が感じられますが、実際演じられていていかがですか?
音月「私が求めていることや言いたいことを、多くを語らずともわかってくれていますね(笑)。生の舞台ではその時その瞬間を生きているので、そういう意味では私もその時感じたこととか、美海が発してくるものを感じて返すようにしています。美海もそれをわかって受け止めてくれているので安心して舞台に立てますし、すごく良い空気になっているんじゃないかなと思いますね」
舞羽「私は、何があっても受け止めてくださる音月さんに本当に救われています。舞台人としても人としても、隣にいて学ぶことがすごくたくさんありますね。音月さんのような舞台人になりたいと心から思っていますし、最後までしっかりついていきたいと思います」
――フレッシュであり充実している、今の雪組だからこそできる作品ですね。
舞羽「そうですね。皆様が思いきり楽しんでくだされるように、一丸となって頑張りたいと思います。気軽に劇場に足をお運びくだされば嬉しいです」
音月「私たちは、観に来てくださる皆様からのエネルギーをすごく感じるんですよね。もちろん、頂いたエネルギーをパワーに変えてお届けしますし、本当にいつも良い空気が劇場の中で回っているなという印象があります。タカラヅカを観たことがない方にもこの感覚をぜひ味わって頂ければ嬉しいですし、笑顔で帰って頂ける作品になりますので、ぜひ劇場へお越し頂ければと思います。“No Dance, No Life !”ならぬ、“No 歌劇, No Life ! ”という気持ちで(笑)!」
(取材・文/黒石悦子)
潤色・演出の小柳奈穂子
「落ち着いて成熟している上に、まだまだいろんな可能性がある雪組で、『フットルース』を担当させて頂けることをとても光栄に思います。“No Dance, No Life!”というコンセプトで、皆さんも一緒に楽しめる作品作りをしたいですね。80年代にヒットした曲がたくさんありますし、今もCMなどでよく耳にする曲なので、それをまずお楽しみ頂きたいです。映画は80年代当時のカルチャーを表現していますが、舞台版はさらに深く、人間ドラマの部分を強調しております。親と子の対立であるとか、学校内の人間関係といった部分を掘り下げて描き、いろんな年代の方に共感できる作品に仕上げたいと思います。また、雪組は私の中では“ヤング”なイメージがありますので、学園もののイメージを強く出していきたいですね。お客様にも隣の学校から文化祭を観に来るようなイメージで参加して頂ければと思います」
(2012年6月12日更新)
発売中
Pコード:419-153
▼7月7日(土)~23日(月)12:00/16:30
※7/7(土)=15:00、11(水)・13(金)・20(金)・23(月)=13:00。
※7/9(月)12:00公演は貸切。
※7/10(火)・17(火)休演。
S席8500円
A席6000円
B席3000円
梅田芸術劇場 メインホール
[潤色] [演出]小柳奈穂子
[出演]音月桂/舞羽美海/他
※未就学児童は入場不可。
『フットルース』アフタートークショー
(1)2012年7月8日(日)16:30公演終演後
「植木豪×音月桂」
今回の宝塚歌劇雪組公演「フットルース」の振付を担当する植木豪先生と、
音月桂によるアフタートークショーを開催します。
(2) 2012年7月11日(水) 13:00公演終演後
「音月桂・舞羽美海・未涼亜希・蓮城まこと/司会:早花まこ」
(3) 2012年7月13日(金) 13:00公演終演後
「音月桂・舞羽美海・沙央くらま・愛加あゆ/司会:舞咲りん」
※日替わりフィナーレの実施決定!日替わりパターン他 詳細はこちらをチェック!
http://www.umegei.com/schedule/182/
[問]梅田芸術劇場[TEL]06-6377-3800
梅田芸術劇場公式サイト
http://www.umegei.com/schedule/182/
おとづき・けい●埼玉県生まれ。’98年『シトラスの風』で初舞台。翌年、雪組に配属。華のある容姿に、安定した歌唱とダンス。さらに柔軟な演技力には定評があり、特に'07年の『エリザベート』では暗殺者・ルキーニを演じ、観客が息をのむような狂気を帯びた演技を見せ、好評を得た。'10年、シアター・ドラマシティの『はじめて愛した』より雪組トップスターに就任。'12年10月より上演の『JIN-仁-』『GOLD SPARK!-この一瞬を永遠に-』で退団する。
まいはね・みみ●兵庫県生まれ。'07年『シークレット・ハンター』で初舞台。透明感のある可憐な容姿で注目を集める。'08年『マリポーサの花』新人公演で初ヒロインに抜擢。'11年『ロミオとジュリエット』では役替わりでジュリエットを演じ、同年4月『黒い瞳』『ロック・オン!』よりトップ娘役に就任。'12年10月より上演の『JIN-仁-』『GOLD SPARK!-この一瞬を永遠に-』で退団する。