インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > 「どういう自分が出てくるのか楽しみです!」 劇団☆新感線初参加となる藤原竜也を交えて 古田新太、いのうえひでのりに意気込みを聞いた

「どういう自分が出てくるのか楽しみです!」
劇団☆新感線初参加となる藤原竜也を交えて
古田新太、いのうえひでのりに意気込みを聞いた

劇団☆新感線の2012年春興行は、いのうえ歌舞伎「シレンとラギ」。劇団の真骨頂である派手な立ち回りや殺陣に加えて、珍しく恋愛の要素を加えた作品となっている本作。二月某日に開かれた製作会見にて、演出を手がけるいのうえひでのりと看板俳優・古田新太、そして本作にて劇団☆新感線初参加となる藤原竜也に、意気込みや見どころを聞いた。

いのうえひでのり(以下、いのうえ)「いのうえ歌舞伎をご覧になっている方はご存知だと思いますが、作品は時代劇とは言え“なんちゃって”。東洋にある架空の国で、エキゾチックな感じなど、そういった世界観をきちんと作ろうと思います。要するに、世界観がアニメや漫画なんですよね。そこをきちんと描かないと物語が成立しないので、頑張って描きたいですね。そういう中で、ロマンティックな部分とか、スペクタクルな部分がおのずと見えてくると思います。台本は出来上がったばかりなので、具体的にどういう見せ方をするかは、模索中です」

古田新太(以下、古田)「説明過多な部分があるので、単純な言葉で伝わるようにしていきたいなというのが今のたくらみとしてありますね。登場人物の心模様とか細かいところを 稽古場で立ち上げていきたいなと。あとは(藤原)竜也に前面に立ってもらって。オイラは楽がしたいですね(笑)」

藤原竜也(以下、藤原)「高い評価の作品を作り上げてこられた劇団に初参加するにあたって、いい意味での緊張と不安もありますけど、古田さんを含め、このタイミング、この年齢で出会えてよかったなと思える共演者の方たちばかりなので、自分の人生に残るような芝居や経験になればいいなと思っています。古田さんに関して言えば、僕と同世代の俳優と共演されていて、今まで自分はそこに入り込めていなかったので、この機会に多くのものを学んで、掴み取っていけたらいいなと思っています。どんな芝居もそうですけど、僕の場合、実際に稽古場に立ってみないとどんな感情が出てくるかわからないので、今はまっさらな気持ちです。」

劇団☆新感線の芝居で恋愛の要素が入るのは『阿修羅城の瞳』以来のこと。そこに関して、いのうえに詳細に聞いたところ…。

いのうえ「いつものように国盗りの話ではあるんです。北の国と南の国が対立していて、北の国の王様が南の国の王様を殺すために暗殺者を送ると。その暗殺者が、永作(博美)さんと藤原さんが演じるシレンとラギです。そして、物語が展開していく中で恋愛というか、悲恋があると。新感線は二項対立の芝居が基本ですが、そういう中で恋愛を描くというのは今までより無理をした感じが…(笑)。がんばらないといけないなと思います(笑)! どうなるかわからない。やってみないとわからない」

続いて藤原に、劇団☆新感線へ初参加するにあたっての気持ちを尋ねた。

藤原「ものづくりは大変なことですが、みんなとゼロから作り上げることでどういうものが生まれるのかということがまず、楽しみで。先ほど、大きな不安があると言いましたが、今はそれよりも、いのうえさんにどこまで追い込まれるのか、僕の中の新しいものをどう引き出されるのか、また、演劇というステージで自分がステップアップできるのかできないのかはわからないけど、どういう自分が出てくるのか楽しみです」

古田「大体うちの劇団は、本読みの時点で“ああ、今度こそ怒られる…”っていう気持ちでいっぱい。今度こそ、遂に失敗すると。大体そこらへんから始まって、千秋楽で“俺たち天才”で終わる(笑)」

いのうえ「(今回も)何とかなったなっていう(笑)」

そして、いのうえと古田に、藤原が参加することへの印象を聞くと…。

いのうえ「藤原くんは(参加するのは)初めてだけど、“初めて感”がないですね」

古田「新感線に関しては初舞台だから不安とか、そういうことはないですね。そこら辺に関しては稽古場マジックを信じてるというか、安心できる座組です」

藤原と永作博美の初共演も見どころである本作。永作が劇団☆新感線の舞台に出るのは1993年の『TIMESRIP 黄金丸』以来、19年ぶり、2回目となる。ちなみに『TIMESRIP 黄金丸』 が永作にとって初の舞台出演作だったそう。藤原も、「永作さんは非常に魅力的な方だと思います」と共演を楽しみにしている様子だった。

最後に改めて藤原に、劇団☆新感線の魅力を聞いた。

藤原「一人一人が際立っていて、ストーリーも明確なものを投げかけているという印象があります。そして、いい意味で個性的、猥雑で、どろどろした強烈なパワーを持っている人たちの集団だと思っていて。以前、野田秀樹さんの舞台に出させてもらったとき、野田さんが新感線のことを熱く語られていて。野田さんが初めて大阪で(新感線の舞台を)観たとき、『ここまで面白く、激しい劇団があるんだ』と、衝撃を受けたとおっしゃっていて。そのことを聞いて僕も、新感線に対してそういう印象を抱いていました。そして実際に、自分の目で観て『ああ、いつかこの芝居に立ちたいな』と思いました。今回、いいタイミングで出させていただくことになりましたが、一人で多くのものを背負うのではなく、素敵な先輩方がたくさん出られていますので、皆さんと一緒に作っていけたらと思います」

劇団☆新感線2012年春興行 いのうえ歌舞伎「シレンとラギ」大阪公演は4月24日(火)より梅田芸術劇場 メインホールで幕を開ける。チケット発売中。売切れ必至、お早めに!




あらすじ

その頃、その国には二つの王朝があった。

北の王国・通称 幕府。
若く愚かなギセン将軍(三宅弘城)を王とするが、その実はモロナオ執権(粟根まこと)が幕府を運営し北の王国を牛耳っている。王宮の警備には、侍所【さむらいどころ】のキョウゴク管僚(古田新太)と、その部下で若くして守護頭【しゅごのかみ】を務める息子ラギ(藤原竜也)があたっていた。先代の王の十三回忌の日、王宮に敵国の刺客が忍び込む。仕留めたのは、闇の任務を司る狼蘭部隊の中でも腕の立つ毒使いシレン(永作博美)。キョウゴクに呼び戻され北の王国へ戻ってきたのだ。
「伝説の狼蘭にお会い出来て光栄です。」
かつての功績をたたえ、シレンへの憧れと好意を臆することなく口にするラギ。
伝説とも語られるその武勇伝は、20年前の任務で敵国・南の王国のかつての独裁者・ゴダイ大師(高橋克実)の自然死に見せかけた暗殺であった。しかし、キョウゴクが語った事実に、再びシレンはラギと南の王国へと向かうことになる。
「ゴダイが生きていた。」
呼び戻されたシレンの任務は、20年ぶりに仮死状態から目覚めた南の国王の暗殺だったのだ。

かつてキョウゴクとモロナオらは、ゴダイ大師と共に、同じ理想を抱き一つの国づくりを目指して戦っていた。しかし南でゴダイ教の教祖となり独裁者となったゴダイと袂を分かち、キョウゴクとモロナオは北の王国へ付く。そうして北と南は2つに分かれ敵対することになり、シレンをゴダイの愛妾として潜入させ毒殺したのだった。

それから20年の月日が流れ、一時は衰退していた南の王国は、ゴダイが目覚めたことにより勢いを盛り返していた。そこへシレンと、シレンの従者として潜入したラギ。シレンは、かつて国王の愛妾として南の宮廷にいた頃を知るゴダイの正妻モンレイ(高田聖子)と、幹部シンデン(北村有起哉)に迎え入れられる。そこで2 人が目にしたのは20 年前の独裁者の面影は一切ない、赤子のようになってしまったゴダイだった。

その頃北の王国では、キョウゴクと娘のミサギ(石橋杏奈)がモロナオによってありもしない謀反の罪をでっち上げられ窮地に立たされていた。そこへ南の王国一の武闘派ダイナン(橋本じゅん)が現れる。かつての仲間であったダイナンによって命を救われるキョウゴクとミサキ。そこでキョウゴクはダイナンから、ゴダイとモロナオを倒し、北と南を一つにしようという提案を受け…。

その暗殺行の中、シレンとラギは次第に惹かれあう。
しかし、この恋が2 つの王国の運命を大きく動かすことになる…。

(2012年3月12日更新)


Check

●公演情報

劇団☆新感線2012年春興行
いのうえ歌舞伎
「シレンとラギ」

発売中
Pコード:417-128

▼4月24日(火)18:30
▼4月26日(木)13:00
▼4月27日(金)18:30
▼4月28日(土)13:00/18:30
▼4月29日(日・祝)13:00
▼4月30日(月・休)13:00/18:30
▼5月2日(水)13:00
▼5月3日(木・祝)13:00/18:30
▼5月4日(金・祝)18:30
▼5月5日(土・祝)13:00/18:30
▼5月6日(日)13:00
▼5月7日(月)13:00
▼5月9日(水)13:00
▼5月10日(木)13:00/18:30
▼5月11日(金)18:30
▼5月12日(土)13:00/18:30
▼5月13日(日)13:00
▼5月14日(月)13:00

休演日:4/25(水)、5/1(火)、5/8(火)

梅田芸術劇場 メインホール

S席-13500円

A席-10500円

B席-7500円

[作]中島かずき

[演出]いのうえひでのり

[出演]
藤原竜也
永作博美

高橋克実

三宅弘城
北村有起哉
石橋杏奈

橋本じゅん
高田聖子
粟根まこと

古田新太

右近健一 逆木圭一郎 河野まさと
村木よし子 インディ高橋 山本カナコ
礒野慎吾 吉田メタル 中谷さとみ
保坂エマ 村木仁 川原正嗣 他

[問]キョードーインフォメーション[TEL]06-7732-8888

劇団☆新感線オフィシャルサイト
http://www.vi-shinkansen.co.jp/

お急ぎください! チケット僅少!! 
チケット情報はこちら